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失せ物 諦めずに探し続けよ
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小春ベーカリーにもいつも通り行ってみた。よく食べているトマトのサンドイッチに、今日はくるみパンと更紗へのお土産用にカンパーニュをお盆に載せる。レジへと持っていくと、ユイトさんはいないが、龍大は調理場でオーブンからパンを取り出していた。それをレジから見ていると、店員さんの声で正気に戻る。
「お支払いどうしますか?」
「あ、コレでお願いします」
鈴夏はスマホのバーコード決済で代金を支払い、会社へと急いだ。いつもはバッチリ目が合うのに、その日は龍大とは合わかった。そして駅前の自販機でいつもは買わない缶コーヒーを買って、出社する。毎日家でコーヒーは飲んでくるが、その日は家に帰って準備して朝食を食べずに出たからだ。
会社に着くと、鈴夏は朝会のあとに鈴夏の部署であるCAD部門係長の野瀬に呼ばれた。
「鷲尾、今の案件急げる?」
「なんかあったんですか?」
「追加で頼みたい案件あるから」
野瀬は女性にも関わらず最速で出世した、いわばデキる女だ。鈴夏の憧れの人でもある。そんな人に任された仕事なら、はりきってやるしかない。
――あぁー、面倒くさいけど頑張るか!
鈴夏は自分のデスクに着席し、深呼吸して気合を入れた。
その日は運良く、鈴夏への連絡や他部署からの問い合わせなく1日が過ぎた。朝からずっと作業に熱中できて、座りっぱなしの時間も長かった。全身の筋肉が強張っているかのような、疲労感がなぜだか心地よい。キリの良いところまで製図を進めるために2時間ほど残業して、データを保存して、退社した。
会社の最寄り駅のホームに着き、スマホを取り出そうとしていたとき、あることに気づいた。龍大の家の鍵が、バッグの中に見当たらないのだ。
――あれ、確かにバッグの中に入ってるはずなのに……。
今朝バッグの中を整理したときには、確かに龍大の家の鍵はあった。今日はユイトさんがシフトの日じゃないのはわかっていたけど、家に置いておいて置き場所を忘れる事態は避けたかった。だから持ってきたのに、鍵を失くしてしまったことにショックを隠せない。
駅のホームのベンチに座り、もう一度バッグの中を探してみる。ポケットの中はすべて目を通し、一旦荷物を全部手にとって出した。それでも見つからない。ということは、落とした可能性大だ。
鈴夏は駅員室へと駆け込み、落とし物について問い合わせする。でも、龍大の鍵は見つからなかった。今日は鍵の落とし物は届けられていないらしい。だったら、自宅の最寄駅の方かもしれない。鈴夏は一度電車に乗り、地面を注視しながら自宅へと向かった。
「お支払いどうしますか?」
「あ、コレでお願いします」
鈴夏はスマホのバーコード決済で代金を支払い、会社へと急いだ。いつもはバッチリ目が合うのに、その日は龍大とは合わかった。そして駅前の自販機でいつもは買わない缶コーヒーを買って、出社する。毎日家でコーヒーは飲んでくるが、その日は家に帰って準備して朝食を食べずに出たからだ。
会社に着くと、鈴夏は朝会のあとに鈴夏の部署であるCAD部門係長の野瀬に呼ばれた。
「鷲尾、今の案件急げる?」
「なんかあったんですか?」
「追加で頼みたい案件あるから」
野瀬は女性にも関わらず最速で出世した、いわばデキる女だ。鈴夏の憧れの人でもある。そんな人に任された仕事なら、はりきってやるしかない。
――あぁー、面倒くさいけど頑張るか!
鈴夏は自分のデスクに着席し、深呼吸して気合を入れた。
その日は運良く、鈴夏への連絡や他部署からの問い合わせなく1日が過ぎた。朝からずっと作業に熱中できて、座りっぱなしの時間も長かった。全身の筋肉が強張っているかのような、疲労感がなぜだか心地よい。キリの良いところまで製図を進めるために2時間ほど残業して、データを保存して、退社した。
会社の最寄り駅のホームに着き、スマホを取り出そうとしていたとき、あることに気づいた。龍大の家の鍵が、バッグの中に見当たらないのだ。
――あれ、確かにバッグの中に入ってるはずなのに……。
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駅のホームのベンチに座り、もう一度バッグの中を探してみる。ポケットの中はすべて目を通し、一旦荷物を全部手にとって出した。それでも見つからない。ということは、落とした可能性大だ。
鈴夏は駅員室へと駆け込み、落とし物について問い合わせする。でも、龍大の鍵は見つからなかった。今日は鍵の落とし物は届けられていないらしい。だったら、自宅の最寄駅の方かもしれない。鈴夏は一度電車に乗り、地面を注視しながら自宅へと向かった。
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