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第四章・・・・二回目の異世界転生

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第四章・・・二回目の異世界転生

「オギャア」
「王妃様お疲れ様です、王子の誕生ですよ」

暗い場所から押し出されて急に眩しくなり、目をつぶる、あれっ僕又転生したんだ。
でも、今回は暖かい腕に支えられる感覚に首をかしげる。

「まぁ、人型」
「はい、珍しいですが前例もありますから心配は要りませんよ」

あれっ、なんか雲行きが危うく成って来たと思っていたらスパーッンとドアが開き何かぎ入ってくる、その何かの感覚に僕は驚いてしまうと同時にポンッと何かが弾ける音が響く。

「あらっ」
「ーっ、擬人化もせずに何事ですか、神聖なる場所で感染症もあるのですよ」

分娩室だもんね、感染対策は肝心ですよね。
僕はまだ目がぼんやりしていて見る事が出来ないは前は見えていたのになぁ可笑しいなぁ。

「ーっすまない」
「はぁーっ、まぁ初めてのお子という訳でもないのに情けない」
「すまない」
「ちちうえっ」

舌足らずな声が遠慮がちに聞こえる、萎縮しているのかびくびくしている。


「あーノエル、ノア入って来なさい」
「はい」
「はぃい、ちちうえっ」

ぴょこんと二人分の声と共にふわりと身体が浮く、感覚に僕は叫ぶ。
この腕の中から離れたくない、今までにない優しい感触から引き離されたくない。
僕は精一杯声をあげる。

「あらら」
「なっ、父だぞ大丈夫だ怖くないからなぁ」

ヒクヒクッと止まらない涙にピタリと動きが止まる。

「まぁ、母様が好きなのねふふふっ」
「ルチナ私に渡してくれ」
「はい」

この暖かい腕は僕の母親みたいだ。
暖かい腕から引き離されて、どうやら父親に抱かれる。

「サクヤ、第三王子の名をここに印す」

ぶつぶつと何かを唱えて僕の額にピタッと人差し指を当てると僕の身体が光りに包まれる。

「ルチナと私にはサクヤの居場所がこれで把握出来るようになった、私達の契約者も居場所がわかる様に」
「ええっ」
「にーにっ」

んっなんか変な声が聞こえた気がしたけれど気のせいかなぁ。
そんな事より先程からキラキラ輝いているのが気になり手を伸ばそうとするが、まだ目が朧気で掴めないし間隔も分からない。

「ちちうえ、もういいでしょうかぼくもあたらしいおとうととあいたいです」
「優しく触りなさい」
「うわっふわふわ」

んっふわふわって可笑しくない。
人間の赤ちゃんってふわふわしてるっけ、そんな訳ないよね。
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