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ラン、ルーディーア
しおりを挟む僕の名前は如月朔夜改めて、ルーディーアと言うみたいです。
そして、僕の母はサディー、そして母の世話役兼メイドがメイと言うみたいです。
「きゃーきゃー」
「あらら、ルーディーアちゃんダメよ」
パタパタと一生懸命母の膝から落ちてハイハイするんーっ。なんか可笑しい。
体がふわふわしますよ、空中に浮いてるーっっ。
ちょっっ、どういう事ですかーっ。
如月朔夜の時ですらまだ10歳でしたーっ、結構魔法とか好きな方です、でもーっ。
「ひゃーびぁえぅぇぇ」
「キャーッ、ランありがとう」
にっこりと笑う、翼が生えた生き物と目が合う。
「『あらっ、私の事が見えるの……姿を消しているのに……まぁ、祝福の痣が……まぁまぁ、サディーって凄いわーっ』」
きゃきゃと一人盛り上がる、白い服を着ていて白い綺麗な羽根をした子はランというみたい。
「ラン……どうしたの」
「『……何でもないわ、ねっサディーこの子の名前は』」
「あらあらっ、珍しいわねランに気に入られたわねルーディーアと言うのよ」
パーッとランは姿を表す、さっきはどことなく透けていたけど今はハッキリと見える。
「ルーディーア、私は天使のランよ、貴方に祝福を」
ランがチュッと頬にキスをして来る。
僕は完全に理解が追い付かない。
「ふぶえええん」
僕は本格的に鳴き始めてしまう、泣きたくって泣いてないんだけど、なんだろう。
精神が0才時に戻った。
「……あらっ、よしよし大丈夫よ」
天使とか何ですかーっ。
嫌々、何となく分かってきてはいる、うん。
つまりは、ここは異世界なんだよね、きっと。
魔法とか天使とか………。
「…ふぇ…あ…う…うう」
「『……貴方は祝福の子よ、きっと貴方を誰もが大好きになる……時々変なものも、好意を寄せるわ、何か在ったらサディーが悲しむわだから、私からも祝福を贈るの……ちゃんと受け取ってくれたみたいね』」
僕の頭の中に流れ込んでくる、ランの声にビビる。
「『何かあれば、私の名前ラン姿を表してと言いなさい』」
頭の中に刻み込まれた感覚がする、何故だか分からないけれど。
「『これで、貴方は私を忘れないわ………頭の中で唱えるだけで私達は聞こえるわ』」
僕の名前はルーディーア、あれから一週間経った。
僕は悪魔の熱から解放しました。
で、熱から解放しましたが、熱のせいか倒れてからの記憶が曖昧です。
寧ろ、曖昧がいいです。
まぁ、現実は非情です。
「……」
「『元気になったのだから、我に名前を付けよ』」
うわっ、僕がこんな風になった原因が目の前に現れた。
「うあわわぶうぶぶっ」
「『そなたのいいたい事が分からぬ』」
ぶーっ。
怒っていても相手に伝わらない。
不便である、あれっそう言えば、僕なんで言葉分かるんだろう。
どうみても、金髪蒼眼の異世界って事は英語とかフランス語とかイタリア語とかだよね。
僕日本語以外は喋れないよ。
だって、10歳だもん小学5年生は小学4年の時に初めて英語に触れるが。
僕はからっきしだ、そもそも僕はスポーッ大好き少年だったしね。
まぁ、四つ子の中で頭がいい方も居たから血筋的には頭が悪いという訳ではないのか。
「『我はそなたに名前を付けて欲しい』」
「ううっぶぶぶっ」
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