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第6章 血に刻まれた因縁の地
-86- 執念の人
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でも、冷静に考えれば当然の話だ。
そもそも『黄金郷真球宮』に因縁があるのは紫苑さんであり、消し去れるのであれば自分の手で消し去ろうとするはず。
わざわざ娘に願いを託す必要なんてない。
だから彼女は自分にも脳波強化処理を行っている。
いや、順番は逆だ。
彼女が先に脳波強化処理を行ったが満足のいく結果は得られず、自分では深層ダンジョンに勝てないことを知ってしまった。
だからこそ、やむを得ず娘たちにその願いを託したんだ。
甲子園に出られなかった高校球児が親になって子どもにバットを振らせるような話と、規模は違えど形は似ていると思う。
それを夢の押し付けと考えるか、親子の絆と考えるかは人によるだろうけど、誰かに願いを託されたという点では、確かに私とヴァイオレット姉妹は似ている。
ただ、私たちに託された願いや夢は……すなわち命だ。
叶えられなければ、また誰かが抵抗も出来ないまま死んでいくのかもしれない。
その事実はとんでもない重圧になる。
私の場合は託されていることすら知らずに生きてきた。
そして、事実を知った時には夢が叶っていた。
これは性格の問題かもしれないけど、私はさほど重圧というものを感じていない。
でも、紅花と藍花は生まれた頃から願いを託されて生きてきた。
夢が叶うかもわからず……。
そこに果たして彼女たちの意志はあるのか、本当は両親に言われるがまま戦っているのではないのか、それこそ夢の押し付けじゃないのか……。
私は紫苑さんと直接会う機会があったら、そういうことを聞いてみたいと思ってた。
本当に聞く勇気があるかは別として……。
だけどもう、その必要はなくなった。
紫苑さんを目の前にしてわかったんだ。
彼女は私が思い浮かべる程度の葛藤なんて何度も繰り返してきたんだ。
きっと、いろんな人に似たようなことを言われ続けただろう。
それでも、紫苑さんは自分の信じる道を歩んだ。
その覚悟のようなものを全身から感じる。
十数年にわたる戦い……。
私みたいな子どもには、その重みを受け止めきれない。
戦っている時よりも強いプレッシャーを感じる……!
「あらあら! 早く拭かないと!」
「えっ……あ、本当だ!」
紫苑さんが私に駆け寄り、ハンカチでぬれた服を拭いていく。
小さなビンに入ったオシャレさ優先のジュースだったから、こぼれた量は大したことない。
でも、普段の私ならすぐに気づいて自分で拭くだろう。
それだけ紫苑さんに意識を持っていかれていた……!
「お泊りだから着替えは持ってきてるわね? すぐにトランクを持ってこさせるわ」
「は、はい……!」
紫苑さんの命令で部下らしき人が私のトランクを運んできた。
そこかから着替えを取り出し、ベッドに備え付けられているカーテンを閉じてその中でサッと着替える。
「濡れた服はこちらで洗濯した後、宿泊している旅館に届けさせるから安心して」
「何から何までありがとうございます……!」
紫苑さんは優しく微笑み、私の対面のソファーに座った。
そしてバスは発進する。
これで車内は私と紫苑さんだけの空間になった。
「こうして会うのは……お父様のお葬式以来ね」
「そうですね……」
……本当にそう?
あの時、紫色の髪をした人なんていなかった気が……。
「ふふっ、私だってああいう場に髪を染めてくるくらいの常識は持ち合わせているのよ」
私が煮え切らない返事をするから思考を読まれた!
でも、少し思い出してきたぞ……。
髪の色は違えど、紫苑さんがあの場にいたことを……!
「あの時は平静を装っていたけど……正直びっくりしたわ。あの七菜の娘が来ていることもそうだけど、アイオロスシリーズがもう1機存在してることもね」
「私もあの時は何も知らなかったので、本当にびっくりしました」
「そうよね……。何も知らない方がびっくりするわよね。まあ、私たちも知らないからびっくりしたという意味では同じなんだけど、あなたよりは事情を知っていたわ」
「事情と言いますと、アイオロス・プロジェクトのことですか?」
「そう、深層迷宮探査計画アイオロス・プロジェクト……。私はそれにまったく関わっていなかったから、詳しいことは知らないけど、途中で壁にぶつかって計画を次世代量産機開発プロジェクトに変更したってことは把握していたわ」
次世代量産期……ディオスのことか。
そこらへんの話はお父さんのビデオレターで聞いた話と一緒だ。
「ふふふ……部外者だった私から見れば、お父様は腑抜けたと思っていたのよ。自分の妻を奪った深層ダンジョンを抹消する研究を終わらせて、何の変哲もないDMDの開発に切り替えるなんてね。でも、私の目が節穴だったみたい。お父様はこんなかわいらしい切り札を隠し持っていた……」
紫苑さんがジーッと私の顔を見る。
射貫くような視線とは、こういうものを言うんだろうなぁ……。
「七菜と健人さんの面影はあるけど、そこまでは似ていない。あなたが一番似ているのは……そう私たちのお母様、萌葱千草ね。あの人も古風な雰囲気があって、どことなく浮世離れした存在に見えた」
「私がおばあちゃんに似ている……?」
「あっ、若い頃のお母様に似ているってことよ! 別にあなたのことをおばあちゃんみたいに老けてるって言ってるわけじゃないからね!」
「あ、はい。それは……わかってます」
意外と天然なのかな……?
それにしても、私とおばあちゃんが似ている……か。
遺伝子的には近い人なわけだし似ていてもおかしくはないけど、もうこの世にいなくて会ったこともない人とも確かなつながりがあるというのは、いつだって不思議な感覚だ。
「今日私がここに来た理由は、蒔苗さんと会って2人っきりで話をしたかったからなの。私たちの夢を先に叶えた子は今どんな顔をしているのかな……って」
夢を先に叶えた子……。
やっぱり、紫苑さんに私はそう見ているのか。
でも、こういう反応をされるのは想定内だし、招待を受けた時点で覚悟は出来ていた。
「先を越されたという感覚は……あったわ。私たちの研究も最終段階だったし、一番手になりたかったという気持ちがない方がおかしいと思っている。でも、それを根拠にあなたを恨んだりはしていないわ。むしろ、少し安心したの。ああ、人間はこの壁を越えていけるんだって……。きっと私の娘たちにだって出来るんだって……」
紫苑さんはうっとりとした表情で私を見る。
その顔に負の感情は感じないけど、言い表せないような複雑な想いを感じる……。
「蒔苗さんは優れたDMD操者だけど、周りがその力に依存しすぎている。今はこの何十億という人類の中で蒔苗さんしか深層ダンジョンに挑めない。それは果たして深層ダンジョンの闇を克服したと言えるのかしら? いいえ、言えないわ。でも、私たちはもっと多くの操者を深層ダンジョンに送り込める技術を作り上げた! これからは深層ダンジョンなんて普通のダンジョンと変わらない世の中が来る! 人間の思うままに消してしまえる……!」
「……それは素晴らしいことだと思います。私も1人戦い続けることが無謀なのはわかっていますから、今回のショーで新しい可能性と出会えるのを1人の観客として楽しみにしています」
「ありがとう、蒔苗さん。でも……招かれざる客も呼んでるわね?」
「えっ……!?」
い、育美さんのことかな?
以前、引き抜きかなんかで関わったことがあるらしいし……!
「あなた……顔に出やすいわね。育美のことじゃないから、それは安心して。確かに昔うちの会社に引き抜こうとして怒られちゃったけど、今を思えばアイオロス・ゼロのお守りをするためにマシンベースにしがみついていたのね。彼女ほどの技術者がただのマシンベースにそこまでこだわる理由がわからなかったから、今はその理由を知れてとってもスッキリしているわ」
「そうですか……よかった。でも、私は育美さん以外誰も呼んでいませんけど……」
「じゃあ、答え合わせよ。招かれざる客とは……アイオロス・ゼロのことよ。こっそり新潟第三マシンベースに運び込んでるでしょ?」
「え……! は、はい……! でも、こっそりではなく許可とかは育美さんがとっていると思います!」
「それはそう。不正に兵器の輸送と運び込みなんて出来ないわ。でも、そもそも私たちのショーを見るのにDMDがいるのかしら? おそらく、いや絶対に、出番はないわよ?」
なるほど、DMDを運び込んだから私が何かパフォーマンスでもするんじゃないかと思われてるのか。
私はもはや萌葱の象徴のような人間だ。
それがライバル会社の一大イベントに、これまた象徴たるDMDアイオロス・ゼロを持って来たら……そりゃトラブルにもなるか!
でも、アイオロス・ゼロはどうしても持って来たかった。
問題はその理由にまったく論理的な根拠がないこと!
これで紫苑さんを納得させることが出来るのか……?
そもそも『黄金郷真球宮』に因縁があるのは紫苑さんであり、消し去れるのであれば自分の手で消し去ろうとするはず。
わざわざ娘に願いを託す必要なんてない。
だから彼女は自分にも脳波強化処理を行っている。
いや、順番は逆だ。
彼女が先に脳波強化処理を行ったが満足のいく結果は得られず、自分では深層ダンジョンに勝てないことを知ってしまった。
だからこそ、やむを得ず娘たちにその願いを託したんだ。
甲子園に出られなかった高校球児が親になって子どもにバットを振らせるような話と、規模は違えど形は似ていると思う。
それを夢の押し付けと考えるか、親子の絆と考えるかは人によるだろうけど、誰かに願いを託されたという点では、確かに私とヴァイオレット姉妹は似ている。
ただ、私たちに託された願いや夢は……すなわち命だ。
叶えられなければ、また誰かが抵抗も出来ないまま死んでいくのかもしれない。
その事実はとんでもない重圧になる。
私の場合は託されていることすら知らずに生きてきた。
そして、事実を知った時には夢が叶っていた。
これは性格の問題かもしれないけど、私はさほど重圧というものを感じていない。
でも、紅花と藍花は生まれた頃から願いを託されて生きてきた。
夢が叶うかもわからず……。
そこに果たして彼女たちの意志はあるのか、本当は両親に言われるがまま戦っているのではないのか、それこそ夢の押し付けじゃないのか……。
私は紫苑さんと直接会う機会があったら、そういうことを聞いてみたいと思ってた。
本当に聞く勇気があるかは別として……。
だけどもう、その必要はなくなった。
紫苑さんを目の前にしてわかったんだ。
彼女は私が思い浮かべる程度の葛藤なんて何度も繰り返してきたんだ。
きっと、いろんな人に似たようなことを言われ続けただろう。
それでも、紫苑さんは自分の信じる道を歩んだ。
その覚悟のようなものを全身から感じる。
十数年にわたる戦い……。
私みたいな子どもには、その重みを受け止めきれない。
戦っている時よりも強いプレッシャーを感じる……!
「あらあら! 早く拭かないと!」
「えっ……あ、本当だ!」
紫苑さんが私に駆け寄り、ハンカチでぬれた服を拭いていく。
小さなビンに入ったオシャレさ優先のジュースだったから、こぼれた量は大したことない。
でも、普段の私ならすぐに気づいて自分で拭くだろう。
それだけ紫苑さんに意識を持っていかれていた……!
「お泊りだから着替えは持ってきてるわね? すぐにトランクを持ってこさせるわ」
「は、はい……!」
紫苑さんの命令で部下らしき人が私のトランクを運んできた。
そこかから着替えを取り出し、ベッドに備え付けられているカーテンを閉じてその中でサッと着替える。
「濡れた服はこちらで洗濯した後、宿泊している旅館に届けさせるから安心して」
「何から何までありがとうございます……!」
紫苑さんは優しく微笑み、私の対面のソファーに座った。
そしてバスは発進する。
これで車内は私と紫苑さんだけの空間になった。
「こうして会うのは……お父様のお葬式以来ね」
「そうですね……」
……本当にそう?
あの時、紫色の髪をした人なんていなかった気が……。
「ふふっ、私だってああいう場に髪を染めてくるくらいの常識は持ち合わせているのよ」
私が煮え切らない返事をするから思考を読まれた!
でも、少し思い出してきたぞ……。
髪の色は違えど、紫苑さんがあの場にいたことを……!
「あの時は平静を装っていたけど……正直びっくりしたわ。あの七菜の娘が来ていることもそうだけど、アイオロスシリーズがもう1機存在してることもね」
「私もあの時は何も知らなかったので、本当にびっくりしました」
「そうよね……。何も知らない方がびっくりするわよね。まあ、私たちも知らないからびっくりしたという意味では同じなんだけど、あなたよりは事情を知っていたわ」
「事情と言いますと、アイオロス・プロジェクトのことですか?」
「そう、深層迷宮探査計画アイオロス・プロジェクト……。私はそれにまったく関わっていなかったから、詳しいことは知らないけど、途中で壁にぶつかって計画を次世代量産機開発プロジェクトに変更したってことは把握していたわ」
次世代量産期……ディオスのことか。
そこらへんの話はお父さんのビデオレターで聞いた話と一緒だ。
「ふふふ……部外者だった私から見れば、お父様は腑抜けたと思っていたのよ。自分の妻を奪った深層ダンジョンを抹消する研究を終わらせて、何の変哲もないDMDの開発に切り替えるなんてね。でも、私の目が節穴だったみたい。お父様はこんなかわいらしい切り札を隠し持っていた……」
紫苑さんがジーッと私の顔を見る。
射貫くような視線とは、こういうものを言うんだろうなぁ……。
「七菜と健人さんの面影はあるけど、そこまでは似ていない。あなたが一番似ているのは……そう私たちのお母様、萌葱千草ね。あの人も古風な雰囲気があって、どことなく浮世離れした存在に見えた」
「私がおばあちゃんに似ている……?」
「あっ、若い頃のお母様に似ているってことよ! 別にあなたのことをおばあちゃんみたいに老けてるって言ってるわけじゃないからね!」
「あ、はい。それは……わかってます」
意外と天然なのかな……?
それにしても、私とおばあちゃんが似ている……か。
遺伝子的には近い人なわけだし似ていてもおかしくはないけど、もうこの世にいなくて会ったこともない人とも確かなつながりがあるというのは、いつだって不思議な感覚だ。
「今日私がここに来た理由は、蒔苗さんと会って2人っきりで話をしたかったからなの。私たちの夢を先に叶えた子は今どんな顔をしているのかな……って」
夢を先に叶えた子……。
やっぱり、紫苑さんに私はそう見ているのか。
でも、こういう反応をされるのは想定内だし、招待を受けた時点で覚悟は出来ていた。
「先を越されたという感覚は……あったわ。私たちの研究も最終段階だったし、一番手になりたかったという気持ちがない方がおかしいと思っている。でも、それを根拠にあなたを恨んだりはしていないわ。むしろ、少し安心したの。ああ、人間はこの壁を越えていけるんだって……。きっと私の娘たちにだって出来るんだって……」
紫苑さんはうっとりとした表情で私を見る。
その顔に負の感情は感じないけど、言い表せないような複雑な想いを感じる……。
「蒔苗さんは優れたDMD操者だけど、周りがその力に依存しすぎている。今はこの何十億という人類の中で蒔苗さんしか深層ダンジョンに挑めない。それは果たして深層ダンジョンの闇を克服したと言えるのかしら? いいえ、言えないわ。でも、私たちはもっと多くの操者を深層ダンジョンに送り込める技術を作り上げた! これからは深層ダンジョンなんて普通のダンジョンと変わらない世の中が来る! 人間の思うままに消してしまえる……!」
「……それは素晴らしいことだと思います。私も1人戦い続けることが無謀なのはわかっていますから、今回のショーで新しい可能性と出会えるのを1人の観客として楽しみにしています」
「ありがとう、蒔苗さん。でも……招かれざる客も呼んでるわね?」
「えっ……!?」
い、育美さんのことかな?
以前、引き抜きかなんかで関わったことがあるらしいし……!
「あなた……顔に出やすいわね。育美のことじゃないから、それは安心して。確かに昔うちの会社に引き抜こうとして怒られちゃったけど、今を思えばアイオロス・ゼロのお守りをするためにマシンベースにしがみついていたのね。彼女ほどの技術者がただのマシンベースにそこまでこだわる理由がわからなかったから、今はその理由を知れてとってもスッキリしているわ」
「そうですか……よかった。でも、私は育美さん以外誰も呼んでいませんけど……」
「じゃあ、答え合わせよ。招かれざる客とは……アイオロス・ゼロのことよ。こっそり新潟第三マシンベースに運び込んでるでしょ?」
「え……! は、はい……! でも、こっそりではなく許可とかは育美さんがとっていると思います!」
「それはそう。不正に兵器の輸送と運び込みなんて出来ないわ。でも、そもそも私たちのショーを見るのにDMDがいるのかしら? おそらく、いや絶対に、出番はないわよ?」
なるほど、DMDを運び込んだから私が何かパフォーマンスでもするんじゃないかと思われてるのか。
私はもはや萌葱の象徴のような人間だ。
それがライバル会社の一大イベントに、これまた象徴たるDMDアイオロス・ゼロを持って来たら……そりゃトラブルにもなるか!
でも、アイオロス・ゼロはどうしても持って来たかった。
問題はその理由にまったく論理的な根拠がないこと!
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