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ソルシエールのピンチ
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ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。数日前にシュテルンヒンメルの危機を回避できました。今日は前に子供達と一緒に行った集落、ソルシエールの危機を救いに行きたいと思います。
「パパ!あのね、今ソルシエールに魔力回復薬を大量にお願いしてるでしょう?」
「ああ、魔獣や魔王征伐に必要だからな」
「その件で、相談があってね」
「ああ」
「魔力回復薬の大量生産のために必要な資材が足りないんじゃないかと思うの」
「ほう?なんでそう思う?」
「だって、魔力回復薬って元々貴重で高いお薬でしょう?いくら沢山のお金を前払いしていても、足りないものは足りないんじゃないかな?」
「ほう。ではなぜソルシエールは我がアルカンシエルからの注文を受けたと思う?」
「…だって、ソルシエールは小国の小さな集落だもの。断るなんて選択肢はないよ」
子供達のことを想像します。せっかくようやく安心して住める場所を見つけたのに、忙しく働きまわる日々。うん、放っておけない。
「なるほどな。…それはわかったが、それでメグはどうしたいんだ?」
パパが静かな目で見つめてきます。多分、好きにさせてくれる気なのでしょう。
「資材集めに協力したいの!」
「わかった。好きにしろ」
「…っ!パパ、ありがとう!」
私は転移魔法でソルシエールに行きます。するとそこは地獄絵図でした。
「そこ!レインボーサラマンダーの尻尾取ってきて!」
「あんたはこっちで調合!」
「ちょっと!レインボーウルフの皮はどこ!?」
「若返りの薬草はこっちに回して!」
「ああもう!何が魔王征伐よ!なんで私達にツケが回ってくるのよ!」
「無駄口叩かないで働く!不老の薬草を煮て!」
前に来た時の静けさが嘘のような、目が回るような忙しさです。
ー…
長い時間待って、ようやく落ち着いた頃に村長さんと思われる人に話しかけます。
「あの…」
「はい、どうしました?」
「クエー」
「あら、その鳥…もしかして聖剣の乙女、メグ様でしょうか?」
「クエー、クエー」
「そうでしたか、すみません。ろくなおもてなしもできず…」
「いえいえ、そんな!それよりもちょっとだけお話があって」
「すみません、今全ての商品が生産が追いついていない状況でして…」
「それって、資材集めに人員を割いているからですよね」
「え、ええ…」
「よかったら私が資材集めしてきますよ!」
私がそういうと村長さんは驚きつつも是非お願いしますと言ってくれました。
「…改めまして、この村の村長、ソルシエール・アストロロジーと申します」
「…え」
「つい先日まで、曽孫がお世話になりました」
「えええええええええ!?」
「子供達も、いつも曽孫と貴女の話をしているんですよ」
「そ、そうなんですか…」
「ああ、そうだ。ソルセルリーには私がひいおばあちゃんだというのは秘密にしてくださいね。私の苗字も」
「…なぜでしょうか?」
「今更、ですから」
「今更?」
「…この老いぼれは、あの子が孤児院という居場所を失くすまで、あの子の存在すら知らなかったのです」
「…ああ、だから他人として引き取って」
「ええ、ご想像通りです」
「…わかりました。でも、いつかバレますよ」
「そうでしょうとも。その時には静かにあの子の怒りを受け入れるつもりです」
「怒り…ですか」
「ええ」
多分、それはないと思うけれども。
「わかりました。それで、ソルシエールさん、私は何を持ってくればいいでしょうか?」
「まずはこの谷に咲いているショコラサンプルという薬草を根っこは残して葉の部分だけありったけ持ってきていただけますか?」
「はい」
「それと同じくラフレーズサンプル、フィグサンプル、イフサンプルをお願いします」
「絵とかありますか」
「こちらを」
ソルシエールさんが貸してくれたのは植物図鑑。
「ありがとうございます!早速取ってきます!」
「子供達も今は仕事に参加してもらっていて忙しいので合わせられませんが、事態が収束した頃に会いに来てやってくださると嬉しいです」
「もちろんです!」
そうして私は、ソルシエールさんと別れて転移魔法で谷の植物が多く生えていた場所に移ります。
「…ええと、これとこれとこれとこれ」
指定された植物を葉だけ取って集めます。
「うーん、時間かかるなぁ」
「…なにしてるんだ?」
「…!ソルセルリー!どうしてここに?」
「村長の依頼で資材集め」
「!、わ、私も!」
「…お前、つくづく姫に向いてないな」
ソルセルリーは私の頭をなでなでと撫でてくれます。
「手分けしてやろう」
「じゃあ私ここからこっち側やるね!」
「任せた」
「任された!」
こうして二人で資材集めをしました。気がつけば日が落ちる頃です。
「よし、これだけあればしばらく分は持つだろう」
「よかった!」
「メグ。帰るぞ」
「はーい」
ソルセルリーの転移魔法でソルシエールさんのところに行きます。
「村長、戻った」
「お帰りなさい、ソルセルリー。メグ様、ありがとうございます」
「ん、ただいま」
「これで間違いないですかね?」
「…!?こんなに!?」
「俺の弟子は優秀だろう?」
「…っ!はい」
ソルシエールさんがなんだか嬉しそうです。
「明日、早速魔力回復薬を作らせてもらいますね」
ということで、私はその後転移魔法でアルカンシエルに直行で帰りました。
「パパ!あのね、今ソルシエールに魔力回復薬を大量にお願いしてるでしょう?」
「ああ、魔獣や魔王征伐に必要だからな」
「その件で、相談があってね」
「ああ」
「魔力回復薬の大量生産のために必要な資材が足りないんじゃないかと思うの」
「ほう?なんでそう思う?」
「だって、魔力回復薬って元々貴重で高いお薬でしょう?いくら沢山のお金を前払いしていても、足りないものは足りないんじゃないかな?」
「ほう。ではなぜソルシエールは我がアルカンシエルからの注文を受けたと思う?」
「…だって、ソルシエールは小国の小さな集落だもの。断るなんて選択肢はないよ」
子供達のことを想像します。せっかくようやく安心して住める場所を見つけたのに、忙しく働きまわる日々。うん、放っておけない。
「なるほどな。…それはわかったが、それでメグはどうしたいんだ?」
パパが静かな目で見つめてきます。多分、好きにさせてくれる気なのでしょう。
「資材集めに協力したいの!」
「わかった。好きにしろ」
「…っ!パパ、ありがとう!」
私は転移魔法でソルシエールに行きます。するとそこは地獄絵図でした。
「そこ!レインボーサラマンダーの尻尾取ってきて!」
「あんたはこっちで調合!」
「ちょっと!レインボーウルフの皮はどこ!?」
「若返りの薬草はこっちに回して!」
「ああもう!何が魔王征伐よ!なんで私達にツケが回ってくるのよ!」
「無駄口叩かないで働く!不老の薬草を煮て!」
前に来た時の静けさが嘘のような、目が回るような忙しさです。
ー…
長い時間待って、ようやく落ち着いた頃に村長さんと思われる人に話しかけます。
「あの…」
「はい、どうしました?」
「クエー」
「あら、その鳥…もしかして聖剣の乙女、メグ様でしょうか?」
「クエー、クエー」
「そうでしたか、すみません。ろくなおもてなしもできず…」
「いえいえ、そんな!それよりもちょっとだけお話があって」
「すみません、今全ての商品が生産が追いついていない状況でして…」
「それって、資材集めに人員を割いているからですよね」
「え、ええ…」
「よかったら私が資材集めしてきますよ!」
私がそういうと村長さんは驚きつつも是非お願いしますと言ってくれました。
「…改めまして、この村の村長、ソルシエール・アストロロジーと申します」
「…え」
「つい先日まで、曽孫がお世話になりました」
「えええええええええ!?」
「子供達も、いつも曽孫と貴女の話をしているんですよ」
「そ、そうなんですか…」
「ああ、そうだ。ソルセルリーには私がひいおばあちゃんだというのは秘密にしてくださいね。私の苗字も」
「…なぜでしょうか?」
「今更、ですから」
「今更?」
「…この老いぼれは、あの子が孤児院という居場所を失くすまで、あの子の存在すら知らなかったのです」
「…ああ、だから他人として引き取って」
「ええ、ご想像通りです」
「…わかりました。でも、いつかバレますよ」
「そうでしょうとも。その時には静かにあの子の怒りを受け入れるつもりです」
「怒り…ですか」
「ええ」
多分、それはないと思うけれども。
「わかりました。それで、ソルシエールさん、私は何を持ってくればいいでしょうか?」
「まずはこの谷に咲いているショコラサンプルという薬草を根っこは残して葉の部分だけありったけ持ってきていただけますか?」
「はい」
「それと同じくラフレーズサンプル、フィグサンプル、イフサンプルをお願いします」
「絵とかありますか」
「こちらを」
ソルシエールさんが貸してくれたのは植物図鑑。
「ありがとうございます!早速取ってきます!」
「子供達も今は仕事に参加してもらっていて忙しいので合わせられませんが、事態が収束した頃に会いに来てやってくださると嬉しいです」
「もちろんです!」
そうして私は、ソルシエールさんと別れて転移魔法で谷の植物が多く生えていた場所に移ります。
「…ええと、これとこれとこれとこれ」
指定された植物を葉だけ取って集めます。
「うーん、時間かかるなぁ」
「…なにしてるんだ?」
「…!ソルセルリー!どうしてここに?」
「村長の依頼で資材集め」
「!、わ、私も!」
「…お前、つくづく姫に向いてないな」
ソルセルリーは私の頭をなでなでと撫でてくれます。
「手分けしてやろう」
「じゃあ私ここからこっち側やるね!」
「任せた」
「任された!」
こうして二人で資材集めをしました。気がつけば日が落ちる頃です。
「よし、これだけあればしばらく分は持つだろう」
「よかった!」
「メグ。帰るぞ」
「はーい」
ソルセルリーの転移魔法でソルシエールさんのところに行きます。
「村長、戻った」
「お帰りなさい、ソルセルリー。メグ様、ありがとうございます」
「ん、ただいま」
「これで間違いないですかね?」
「…!?こんなに!?」
「俺の弟子は優秀だろう?」
「…っ!はい」
ソルシエールさんがなんだか嬉しそうです。
「明日、早速魔力回復薬を作らせてもらいますね」
ということで、私はその後転移魔法でアルカンシエルに直行で帰りました。
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