その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第80話 異世界サンドイッチ

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ブティックによる改造計画により、服とウィッグ、メイクで完全にギャル男&キレイ目ギャルファッションに改造された俺たち。
鏡を見ても普段の自分たちとの違いに全員が落ち着かないと言った感じである…。

「うーむ…。身バレ防止とは言えどこれはなかなかに…。V系メイクとかする羽目になるとは思わなかったな…。」
「な、なぁご主事様…。オレとか派手すぎない?」
「お互い普段よりはるかに派手だよなぁ…。
レザージャケットにレザーパンツなんて初めてだよ…。」

チェーンとかズボンやら腕にジャラジャラさせるのなんて何年ぶりかしら…。
うーむ、黒歴史をほじくり返してるようで色々と来るものがあるなぁこれ。

「まぁとりあえず、せっかくだし街のパトロール兼ねて散策と行こう。
各自、敵と思われる動きを見かけたら下手に対処せずまずは連絡をする事。
敵も神気を使う以上、こっちもわりと本気で戦わないと対処できないしね。」
「グループ分けは三人1組って感じ?
私、妹、勇者さん。魔王さん達一行と大賢者、ギルマス、盗賊。龍皇さんと蛟さんは霊体状態で姿を隠してるし。」
「うん、そんな感じで行こう。
ひとまず、現時点で敵が何処まで情報を手に入れて動いてるかもわからない。
もしかしたら俺たちがこっちにいる間に、また西の国の方が襲われる危険もある。
そこは魔女さんが俺の城に移動して待機してるから大きな心配はしてないけど、もしもの時は応援に行かないといけないかもだ。
それぞれ気は張っておいてほしい。
そんじゃ各自解散と行こう。」

ひとまずそれぞれグループに分かれて都の散策へと向かった。

「んで、ギルマスちゃんは例の子については何か知ってることはある?」
「にゃー、にゃーも話には聞いてるだけで会ったことはないのにゃ。
だから彼自身が過去世の記憶を持っているのか、もしくは部分的に思い出してるのかなど含めて詳しいことはわからないのにゃ。
ユニークスキル持ちのアクセサリーを作り出す職人技は持ってるとは言えども、そこにスキルが関与しているのかも謎のままにゃ。
彼の作り出す物が賢者の作り出す物に、どれほど匹敵するかもにゃーは実物を見たわけじゃないから知らないのにゃ。」
「そうか。ひとまず、その少年が仮に俺の世界の人間の転生者かつ、俺と同じスキルを保有していたとして敵になる可能性があるかどうか…。
そこもまた一つ大きな考え所だな。
敵にならなければ特に大きな心配事はないけど、敵だってどんな手段に転じて俺たちに対抗してくるか…。
あの捨て台詞からして、準備の大半は済んでるものと推測できるし…。
昼間に戦った敵を敵方が生かして連れ帰ったのも何か理由があるだろうし。」

アレが俺のライトニングクォーツと同じようなものであるとしたら、それこそ奪った資料をもとにアイテムを完成させて俺にいきなりぶつけてくる可能性もある。
案外敵はもう直ぐ側に潜んでる可能性もあるだろう。
ありとあらゆる事態を想定して動かないとだな…。

「そう言えば、少年には護衛をつけてるって話だったよな。冒険者の護衛なのか?」
「この国に在籍してる都長の部下達らしいにゃ。下手に冒険者を雇うのもその中に敵が紛れてる危険もあるからという事でとの事にゃ。
余所者の進入を防ぐために検問も厳しくしてるみたいだし、密入対策も強い都だから変な輩は早々入れないとは思うんにゃけど…。」
「敵は転移魔法で退却している。
いくら検問が厳しかったところで転移魔法による進入を拒めるとは限らない。敵だって、俺たちみたいにこの国の住人に馴染んで侵入していてもおかしくはないだろう。
少年自身にも特におかしな動きはないって話ではあったけど、人目につかない範囲で何かしら敵と繋がり始めているという危険もあるだろうし。」

心配ばかりしていたところで仕方ないんだけど、何かことが起こってからでは遅いからな。
なるべく万全を期すような動きを心がけて行かないとだな…。

「まぁひとまずあんまり心配しすぎても仕方ねぇだろ。
少しは肩の力を抜いて街を散策しようぜご主人様。
飯も食わずに出てきたからお腹すいたよ…。」
「あー、そういやそうだったな…。確かに食事をしてないの忘れてたよ。なにか軽く食べに行くか。」
「にゃー。久々にサンドイッチでも食べるにゃ。」

BLTサンド的なもの確かに食いたくなってきたな…。
しかし、ほんと街並みだけなら俺の世界の都会の街並みに相当するな。
本当にここは異世界なのか?ってくらいに面白い街の作りをしている気がする。
創作物で見るような典型的な異世界よりもこういう大正や明治時代的な異世界のが案外多いもんじゃないのかなんて思えてくるな。

この都においては電灯もガス灯になってたりするし、路面電車も走ってるような街並みだしな。

京都とか明治村にでも来てるような感覚だな。

「着いたにゃ~。ここの照り焼きチキンを挟んだサンドイッチが一番美味しいのにゃ~!
みんなで食べるにゃ!」

ほんほん、注文は事前にしてから、セルフスタイルで自分でカウンターに商品持っていくような感じのお店なのか。
んでパンの焼き方やら種類やら挟む具材にソースにトッピングや付け合わせも選べて…。

このスタイルすごい既視感があるぞ…。

サンドイッチ…パンに具材にソースになんでもカスタマイズできる…。

思いっきりサブ○ェイじゃねぇか!!
本当にここは異世界なのだろうか……。

なんかまた最近、別のベクトルで違和感を生じてきてるぞ…。

照り焼きチキンをベースにモッツァレラチーズのトッピング、スライストマトたっぷりにしてパンはゴマ入りでバター塗った上でカリカリにトーストしてもらって…。
付け合わせはオニオンリングにしよう。

うん、やっぱこの店の注文スタイル完全にサブ○ェイだ。

「オレもご主人様とおんなじやつにする~!美味しそうだ♪」
「ねー♪美味しそうだよね~♪」
「はぁ…。にゃーが知らないうちにそんなにお前ら仲睦まじくなってたにゃんて…。奴隷紋とか刻まなきゃよかったにゃ…。消そうとしても頑なに拒まれるし。」
「だってこれはオレがご主人様と愛で繋がってる証みたいなもんだからな。ご主人様の気持ちが直ぐに伝わるのが堪らないんだ。
オレが笑顔を向けると直ぐにキュンってしてくれるのが堪らないんだよ…。」
「あー、はいはい。ごちそうさまにゃー。いいもんいいもん。にゃーのがお前より先に賢者にはぐはぐなでなでしてもらってるもーん。」
「オレはお風呂で洗い合いっこしてるもーんっ♪」

シャーーーッ!と威嚇するギルマスちゃんとそれをあざ笑うかのような盗賊ちゃん。
そしてその光景を微笑ましく見守る俺。
はぁ…サンドイッチうめぇ。

「このお店の支店…うちの国にもできないかなぁ…。
俺の世界にもこういうお店あったんだけど、注文が複雑だからって理由だけで衰退しちゃったんだよ…。
割と気に入ってたのにさ~。
ヘルシーだしめちゃくちゃ細かく、好きな組み合わせできるからいいお店だったのにさ~。」
「へぇ~。ご主人様の世界にもこういうお店あるんだな~?」
「俺、こういう洋食とかカフェメニューの多い店が好きでさ。元いた世界でも休みは自転車走らせてカフェ探ししてたんだよ。
パンやハンバーガー、オムライス、パンケーキにプリン、こう言ったものを扱ってるお店探しが多かったかな。
あ、あとはカレー屋さんとか。
そう言えばこの世界ではまだカレーは見てないな…。
うちの研究者さんたちにレシピ教えて作ってもらうか…。」

うん、カレー。カレー食いたい。
チーズナンとかと一緒に食いたい。
だがその前にこの店を我が国に進出させたい!!

「なぁギルマスちゃん。糞真面目な話、この店の支店を俺達の国に出してもらうにはどうすれば良いと思う?」
「賢者…。この都に来た目的が変わってきてるにゃ…。
本気ならオーナーに話を通して見ても良いんじゃないのかにゃ?とりあえず今は立場を隠さなきゃだからやめといた方が良いけどにゃ…。」

くそ…!これも謎の敵の仕業なんだ。
おのれ!さっさとぶちのめしてサンドイッチ屋さんの支店を開店させてやるぞい!

「ご主人様の世界、オレも一度は行って見たい気もするなぁ…。
ご主人様がオレ達の世界見てそんなにワクワクしてるなら、オレ達もご主人様の世界行ったらきっとたくさんワクワクできるよな?」
「そうだな。お互いにお互いの世界になさそうなものを観れるのはとてもワクワクすると思うよ。
個人的には俺の世界のスズメにそっくりなでっぷりもっふりの大鳥ちゃんが一番たまらない。
見た目も可愛いし、触り心地は最高だし…。その上人懐っこい…。たまらない…。
あ、そだ。それで思い出した。
この世界って犬とか猫とかをペットで扱ってたりするお店とか、動物園みたいなのはないのかな?
俺の世界だとこんな施設や動物を展示してるようなところがあったんだけどさ。」

念のため周りに見られないように死角を作ってからスマホで2人に、動物園の可愛いレッサーパンダの写真や、ペットショップの子猫ちゃんの写真を見せる。

「うわぁぁあ…。可愛いなぁこいつら…。っひゃぁあ~っ♪ちっちゃあぁいっ♪ あ、ご主人様の手ペチペチしてよじ登ってきた。可愛いなぁ…♪
ご主人様の世界にはこんな可愛い生き物を売ったり、見世物として展示してるような施設があるのか…。
こうやって触れ合える場所もあるんだな~。」
「そうなんだよ。んで、俺結構動物大好きだから大鳥ちゃん見てたらこういう癒しが欲しくなってきてさ…。」
「あぁ…だからケルベロスさんだけ主に子狐に変身させて、なでなでしてた理由はそういう事か…。本人喜んでるから良いけど複雑な思いで見てたよ…。」
「いやもう…狐さんとかほんと大好きでさ…。
ちなみにこれ、俺の世界の狐さんなんだけど…。」

俺の自慢の動物の写真フォルダが火を吹いて女子のハートを釘付けにしていた。


-----

「はぁ…、なんか今マスターが俺様のことをかわいいって話題にしてる気がしてゾクゾクするぜ…。」
「大丈夫ですのケルベロス…。病院行きます?」
「あー。あながち間違ってないかも知れん…。
こっそりと念話で会話を盗み聞きしてる限りは、マスターの世界の狐の話になってるからの…。」
「んなぁあっ!ひどいですわ!マスターの世界には私のような海獣はいないのかしら…。」
「アァ…まるまる太ったアザラシとか言う奴なら居るらしいぞ…。お前とは似ても似つかない見た目愛らしさだがな…。」
「あああああぁんまりですわあぁぁぁあっ!」

-----

「そっかぁ、ご主人様はこうやって動物にも優しいんだな。動物達がご主人様の前ではすごく気が落ち着いてる感じが伝わってくるよ。
ご主人様の世界のこの猫って生き物も可愛いな。」
「この世界においては猫といえばにゃーたち猫族を指すし、この生き物はにゃー達の世界では獅子や虎の方が印象深いにゃね。」
「俺の世界では獅子や虎はこの猫の仲間だな。
獅子や虎みたいに大きくならない同じ種類の生き物が猫って感じかなぁ。この大きさより大きいと飼育は危険だからって理由から、愛玩動物としてこのサイズが生まれて流通したなんて話もある。」
「んー、見世物としてならサーカスはあるけど愛玩動物を売ってる店というと、魔物専門の奴隷商くらいかな?
ただそれは冒険者の中にテイマーっていう職があるんだけど、自分じゃなくて魔物に戦わせることを専門としているこのテイマーって職業の人が戦うための武器や道具に近い扱いだなぁ…。
完全な愛玩動物として…ってのは珍しいよ。
その点においては大鳥のがまだ愛玩動物としては見られてるかもだな。」

テイマー…。なるほど、そういう職業もあるのか。
魔物使いねぇ。

「扱ってる魔物のレベルが違いすぎるけど、ご主人様もある意味ではテイマーになるのかな…。
神獣と魔族だけど…。」
「それはケロちゃんとリヴァイアサンと龍ちゃんに失礼な気がする…。
さて、とりあえず腹も膨れた事だし移動するか…。
幸い敵さんも直ぐには動いてない様子だし、今日はこのままゆっくりできそうな雰囲気だ。
何事もなさそうなら、今後の方針を決めてこの都を出よう。」
「にゃー、そうにゃね。このまま何も起こる事なく無事に出れたら一番にゃんだけど。
敵の正体が不明なのが一番厄介にゃね…。」
「敵の本拠地を叩くにしても相手がわからないとな…。
動きようがないからな。
最悪の場合は俺たちがこの都にいることをあえてほのめかせて敵をおびき出すって手も必要かもだが…。」

なるべく街に危機が及ばないようして対処しないとな。
ひとまず食事を終えた俺たちは、再び敵の痕跡探しに街中を歩く事にした。
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