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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。
第81話 ギャルって基本怖いけど意外と良いやつの方が多い。
しおりを挟む
ギャルファッションで出歩いて小一時間。
街の人たちも見た目だけなら俺の世界のガングロギャルと大して変わらないこの街。
例えるなら街全体がでっかい深夜のドン◯ホーテみたいな感じだ。
黒ベースに金色の文字が入ったジャージ着て、健康サンダル履いて夜は闊歩してそうな人たちが沢山いる。
で、俺の中での本題に入るが俺は実はこう言う人たちがすごく苦手だ。
中学までこう言う奴らにそれはもうめたくそに虐められた。
キモいとかウザいとか菌がうつるとかそんな感じの事を毎日言われ、存在していないものの様に扱われ、気がつけば周りには味方なんて誰一人居なくなっていた。
高校に入ってからは男子ばっかだったのもあったし、所謂高校デビューじゃないが真面目一辺倒みたいなのは卒業したのもあってそう言うのは無くなった。
真面目に生きる方が辛い世の中だったと今は思う。
ちなみに高校の時もギャルは大っ嫌いだった。
敵にしか見えていなかった。
大人になった今もそれは変わらず、ギャルがそのまま成長したような大人とかも怖いし苦手だ。
最近は中身だけギャルみたいなのも増えてきてるし、本当に恐怖しか感じない。
ギャル怖いギャル怖いギャル怖いギャル怖い…。
「ご、ご主人様…?どうしたんだ…?さっきから恐怖の感情がすごく流れてきてるけど…。
何か敵の攻撃でも受けてるのか…?」
「ある意味では…。トラウマスイッチが入りそうだ…。お腹痛い…。いやね…。過去の経験からすっごくギャルが苦手なの…。
ぶっちゃけ今のみんなの見た目も恐怖のトラウマスイッチが入りそうなレベルで怖いの…。」
「あにゃにゃ…。なんとなくわからにゃくもないけどギャルは怖くないにゃー。落ち着けにゃー。」
「うう…。ギャル怖いギャル怖い…。」
胃痛は増す一方である。
口から胃酸をマーライオンのごとく吐けそうなレベルで痛い。
「おーい!そこ行く幼女2人連れてるおにいっさぁーん!女の子にうちのアクセ見ていかねぇ~!?
安くすっからさぁ~!」
「いや…いいです…。初対面の人に敬語使えない人とか苦手なんで…。」
「そんなこと言わずにさ~?どうよこれかっちょいいっしょ~?」
「ソウデスネー。カコイイデスネー。デモオニサン、ジブンデツクレルカラベツニイイヨー。」
精神が壊れかけてる俺から、盗賊ちゃんがギャル男キャッチを引き剥がす。
「す、すみません。うちのごしゅ…カレピ、こんな見た目なんですけどギャルっぽい人に免疫ないんですよ~…。」
「あ~?そうなん?そゆことぉ~?
これは誠に失礼致しましたお客様。見た目で判断してしまった私めの不敬を何卒ご容赦下さい。
さて、お客様は自分でアクセサリーを作られるとの事…。如何でしょう?当店ではレアな革紐や銀細工のロンデルなど各種材料も取り揃えております。
そちらの愛らしいお連れ様の身につけてる物も貴方様の作品とお見受けしますが、どうか当店の品々もご覧になっていかれませんか?」
「え、あ…。キャラ変わりすぎじゃないですか…?」
「ハハハ。申し訳御座いません。
反応から察するに、貴方様は此方の都は初めてですね?それなのにわざわざその見た目…。これは何か訳ありのお客人と見受けました。
問題なさそうなら色々とお話をお伺いしても?」
ギルマスちゃんにどうする?と目で合図する。
大丈夫でしょ。と言う顔をされたので店員について行きお店に入る。
「もしや、あなた方が都長から連絡の入っていた大賢者様御一行様ですか?
もしそうなのでしたら先程は飛んだご無礼を…。」
「構いませんよ。この見た目で初見で気付く方が無理というものでしょうし…。
と言うよりも連絡があったのですね。」
「えぇ。水手紙の設置されている一部の大きな店や有名店には連絡が入ってるはずですよ。
賊の侵入防止と対策を兼ねて、ですね。
それ以上の詳しい話は聞き及んでおりませんが、他国からこの都の平和を脅かすものが入り込んでる危険があると聞いていましたので。
他国のものと見受けられる場合は警戒せよとの伝令が出ています。」
「なるほど…。都長さん、仕事が早いな…。」
「この都は元々技術漏洩なども含めて厳重な都ですからね。冒険者以外の場合は入都審査もあります。
それ以外の方は身分証がないとまず入れませんね。
あなた方の場合は存在そのものが身分証みたいなものですが…。」
あのギャル都長、見た目はさておき仕事は完璧って感じだな…。
普段から色々出歩きつつ国家の政策も担う魔女さんと、自国のギルドをメインに見ているうちのギルマスちゃん、そして何もまだしていないこの俺!とはえらい違いだな…。
心の中で敬意を表しよう…。
「さて、せっかくご来店頂いたことですし、うちの自慢の商品と材料たちを是非お手にとって見て行ってください。
貴方の想像力を膨らませるものがあれば幸いです。」
「ありがとう店員さん。此方も最初に貴方を嫌悪して申し訳ありませんでした。」
「フフ。構いませんよ。この見た目ですからね。慣れっこです。そもそもキャラを使い分けられなければ店長なんか勤まりませんからね~。」
ひとまず、せっかくなので店の中を見て回る事にしようかな。
いや、その前に気になる所を聞いておこう。
「そう言えば、15歳くらいの黒髪のアクセ職人をご存知ですか?なんでも作り出すアイテムはユニークスキルを持ってしまうとかなんとか…。」
「えぇ。もちろん存知あげて居りますよ。彼はその界隈では有名ですからね。10年前における厄災戦とまで言われた戦争の孤児だったのですが、その後この都でも腕利きの彫金師の元に引き取られて腕を磨き、そして今に至ります。
引き取った人も元々国家お抱えの彫金師でしたが、あまりにも早く才能が芽生えたという事で彼の将来をどうするかなんてことが、議題に上がる位だそうですよ。」
「厄災戦…?ってのは?」
この世界、俺が来る直前までほんと色々とあったみたいだよな。
いや、俺が来てからもなかなかだけど…。
「厄災戦と言うのは10年前に隣国と行ってた国家間の戦争にゃ。厄災と言われるようになったのは、最終的に割とガチギレした魔王様が出向いてきて相手国を一方的に叩きのめしたからだにゃ…。
人を愛する魔王ゆえに相手国側には死者は出なかったんにゃけど、魔王が戦争を終わらせるまでにこっちの国の人間達は相当な数を殺されたのにゃ。
そして、その戦の最前線こそがこの西側諸島なのにゃよ。
天気の良い日に水平線にちびっと見える城がそのまま隣国の土地なくらいにここは隣国と近いからにゃ。
数十年に一回くらい責められるのにゃ…。」
「でもその度に、このようにまた再建していく。
ですからこの都はまたの名を不死の都と言われています。都の守り神と言われている焔の鳥にあやかりましてね。」
不死鳥って事は朱雀とかかな。
この都にいるのは。
「なるほどね…。本当につい最近までこの世界では色々とあったんだ。
大規模な流行り病にその厄災戦にと…。」
「先代魔王様がガチギレしたのもあって、休戦ではなく敗戦扱いで戦争は終わったけど、また攻めて来ないとも言い切れないしにゃぁ…。」
「ふむ…。また攻めてくる恐れもある…か。
今は俺たちが大きな抑止力として現れた以上は余程の自体はないだろうけどって所かな。」
「まぁ敵も負ける戦に臨むほどアホじゃないからにゃ。
先代魔王のさらに前の魔王なら戦が起ころうが傍観するような魔王だったから攻めてみたは良かったものの、今代の魔王は人が好き故に返り討ちにあったって流れにゃ。」
隣国もアホじゃないなら、相当な力を蓄えるまではこっちに宣戦布告はないだろうってわけなら、まぁその辺は安心だろう。
となれば今は目の前の問題だ。
「それで例の少年は今どこに?」
「都庁の近くに国家彫金師のみが在籍する大規模な工房があるんですよ。
彼は基本はそこにいますよ。
彼らの作るアイテムはそれこそ国を揺るがしかねないですからね。軍事利用目的の盗難対策も兼ねてそのように厳重に管理がなされています。
万が一、隣国に流れようものならそれこそとんでもないことになりますからね。」
「なんと言うか、ほんと色々と考えられて作られた都なんだな。」
「割と閉鎖的で入都手続きも面倒なのと、装飾品に関しては非常に高価な物ばかりですから、腕利き冒険者しか基本的には街に来ないと言う点では大成功ですよ。
その分、飲食店は商人向けに安く値段設定されてるのも特徴的ですね。」
んむ。確かに例のサンドイッチ屋さんは結構安かったし、そのうえでめちゃくちゃ美味かった。
しかし、工房か…。あとで出向いてみるか。
せっかくだし、まずはここを堪能しないとな。
「ふむ…。スチームパンク風のアクセか…。俺もこういうの作ってみたいなぁ。そう言えばワイヤークラフト用のワイヤーが無いんだったな…。」
「わいやーくらふと?ってのはなんだご主人様?」
「その名前の通り、ワイヤーをこうやって巻いて作るアクセサリーのことだよ。
俺のライトニングクォーツとかに使ってる技術かな?」
「ふむ!ワイヤーですね!それならば取って置きの物がありますよ!こちらへどうぞ!」
店主に案内され材料コーナーへと進んでいく。
「おぉ…。お高いシルバーのロンデルやらジュエリーワイヤーが…!ジュエリーワイヤーって今まで使ったことまだなかったんだよなぁ~。」
「フフフ。こちらはただの金属ではありません。
龍族が住まう洞窟で長い時間をかけて魔力を溜め込んだ鋼…。通称 魔鉄鉱から強力な爆熱魔法を使って精錬し作り出されたワイヤーなのです。
このワイヤーの色自体が魔力を溜め込んだものと言う証なんですよ。
そちらのシルバーのロンデルに関しても、同じように魔鉄鉱を精錬して作り出した物なんです。
故にそれだけでも相当なまでに強大な力を秘めているのですよ。」
「うぉおっ!?ご主人様のテンションが爆上がりしてるのがすごい伝わってくるぞ!?」
そうだよ!これだよ!!よくよく考えてみれば剣と魔法のファンタジーの世界に来たのになんで俺自前のどこにでもあるような材料でアクセサリー作って来てたの!?
それこそ、ファンタジーあふれるモンスターから剥いだ魔力を帯びた皮から作ったレザーアクセとか、こういう魔力を帯びた金属ワイヤーで作ったアクセサリーとかもっとこう…作るべきだったろう!?
いやまぁそういう材料に出会える場所に今まで出向いてなかったのも悪かったのかもだが…これは最高だ!!
こんなものがこの世界には存在していたなんてな!
お?なんだこれ。無駄にクソ高いと思ったら、チェーンや果ては丸カンごときにまで魔鉄鉱を使ってるのか!?
おおおい!なんだこれは!魔鉄鉱の無駄遣い半端ねぇな!!
そうだ!財布!俺の財布の中身は…!!!
「けんじゃー。おちつけにゃー。心の声がめちゃくちゃうるさいにゃー。あと、ご飯代くらいしかお前の財布には多分入ってないにゃー。諦めろにゃー。またこいにゃー。」
「……………。」
「ご、ごしゅじん…さま?大丈夫か?すごい悲しそうな…残念な感情が伝わって来たけど…。
えっと…大丈夫か?これ…欲しいのか?お金だそうか?」
「すみません。店主さん。私とこの店とで材料の卸売りの契約とか出来ます?」
「喜んで!!」
てな訳で、今持ち合わせがなかったので直接卸売の契約を取結び、俺が定期的にここへ直接材料を買いに来る契約をとり結んだ。この場で。
そして…。大賢者は魔鉄鉱製のジュエリーワイヤーと丸カン、そして…ベヒーモス系最強のゴッドベヒーモスの皮から作った革紐を手に入れた!!
「うふふふ。どんなアクセに仕上げて差し上げようかしら…。楽しみだなぁ…。」
「ご主人様のテンションが目に見えて爆上がりしてる!?そんなに嬉しかったのか…。
確かにふと思うとあれもこれも一般的な金属や革紐で作ってこれだけのパワーなんだな…。
それをこうやって魔力を帯びたものでリメイクしようものなら…。
想像しただけで恐ろしいぜ…。」
「この世界の神樹の端材も手に入れてあるしな。
時間あるときにまたじっくりと良いものを作らないとだな~♪
いやぁ、いい買い物できたよ。
ありがとうございました店主さん。」
「こちらこそ!貴方と専属契約を結べるなどまさに誉れ!実に光栄の極みですよ!では、道中お気をつけて!!」
はぁ~。いい材料が見つかるとホクホクするなぁ~。
これは実にたまらにゃい…。
「なぁ、ご主人様。目的…忘れてないよな…?」
「あぁ、そうだな。ホテルに戻ったら早速手持ちの石と材料を使って新しいアイテム作りをしないとだな!」
「おいコラ。しっかりしろにゃ。どこに敵が居るかもわからにゃいというのに…。」
「おう…。そだったわ…。ひとまず、例の少年を遠目で見に行ったりしてみるか…。
都庁の近くってことは…こっから割とすぐか。」
\アイヨー!アイヨー!/
「ん?着信だ。黒エルフさんからか。はい、もしもしー?」
『賢者っち!今何処にいる!?』
「いま、都庁近くの例の少年が居る工房に向かってるところだよ?」
『それは好都合!その少年が今まさに行方不明になった!遠くから隠密系専門の見張りも複数人つけていたんだけど、そいつらが全員やられた上に少年も姿を消しちゃったんだよ!
消える直前まで特別変わったような動きはなかったって聞いてたんだけど…。とりま、もしかしたらまだ近くにいるかもしれないから見かけたら…。』
雷の閃光が俺の耳元をかすめるように貫く。
「悪い。多分だけど目の前に居るわ。驚いたな…。まさか今朝方戦った雷虎化したオーガノイドが例の少年だったとはな…。」
「………。」
「ダンマリか…。お前の目的とかその他諸々は知らないけど、今度はきっちりとその力を破壊させてもらうぞ?」
そう言うと目の前のオーガノイドは変身を解除する。
変身を解除した少年は目に光が無いような感じだった。
しかし、黒い髪に青い瞳。
ダークエルフの血は入ってるとの事だが、程よく日焼けした健康的なサッカー少年程度の小麦の肌に、引き締まった筋肉、それに180cmはあるであろう高身長の完璧イケメン。
素直に悔しい。ちくせう。
そしてその背後に居るのは、今朝方こいつを連れて何処かへと消えたローブを深々とかぶった男…。
「思ったよりも早かったですね。あまりにも早いから私が彼自身に最高傑作を作らせるのが間に合うかヒヤヒヤものでしたよ。ですが、あなた方がブラブラと時間を潰してくれていたおかげで無事間に合いました。
これが…見えますか?そう!貴方の使う雷帝の力と同じようにライトニングクォーツに神霊化した雷虎を宿したものです!
そして同じように鎧を模したアクセサリーとワイヤーで仕上げさせました。
ただし、貴方と違いこちらは魔鉄鉱製ですがねぇ…?
さぁ、少年よ!今こそその力を解き放つときです!
貴方の力を…あの調子に乗った大人に見せつけてやりなさい!」
少年はローブの男から俺の作品を模したライトニングクォーツのアクセを受け取ると、先ほどまで変身に使っていたと思われるアメジストをこれまた俺の作品を模したであろう木のフレームに嵌め込む。
そして…。
「変身…。」
少年は雷そのものとなり、全身に魔鉄鉱製の鎧を次々と纏っていく。
「クハハハハハハ!成功だ…成功だぁぁっ!!今ここに、もう1人の雷帝が産まれた!見ろぉ大賢者ぁぁあっ!
お前はもう、この世界の最強では無い!
この者こそが!新たなる最強の戦士だ!!」
俺の雷帝とは違い、どこか有機的かつ流線型のデザインの鎧をまとったもう1人の雷帝…。
彼は俺を見ながらこう呟いた。
「絶望がお前の…ゴールだ。」
街の人たちも見た目だけなら俺の世界のガングロギャルと大して変わらないこの街。
例えるなら街全体がでっかい深夜のドン◯ホーテみたいな感じだ。
黒ベースに金色の文字が入ったジャージ着て、健康サンダル履いて夜は闊歩してそうな人たちが沢山いる。
で、俺の中での本題に入るが俺は実はこう言う人たちがすごく苦手だ。
中学までこう言う奴らにそれはもうめたくそに虐められた。
キモいとかウザいとか菌がうつるとかそんな感じの事を毎日言われ、存在していないものの様に扱われ、気がつけば周りには味方なんて誰一人居なくなっていた。
高校に入ってからは男子ばっかだったのもあったし、所謂高校デビューじゃないが真面目一辺倒みたいなのは卒業したのもあってそう言うのは無くなった。
真面目に生きる方が辛い世の中だったと今は思う。
ちなみに高校の時もギャルは大っ嫌いだった。
敵にしか見えていなかった。
大人になった今もそれは変わらず、ギャルがそのまま成長したような大人とかも怖いし苦手だ。
最近は中身だけギャルみたいなのも増えてきてるし、本当に恐怖しか感じない。
ギャル怖いギャル怖いギャル怖いギャル怖い…。
「ご、ご主人様…?どうしたんだ…?さっきから恐怖の感情がすごく流れてきてるけど…。
何か敵の攻撃でも受けてるのか…?」
「ある意味では…。トラウマスイッチが入りそうだ…。お腹痛い…。いやね…。過去の経験からすっごくギャルが苦手なの…。
ぶっちゃけ今のみんなの見た目も恐怖のトラウマスイッチが入りそうなレベルで怖いの…。」
「あにゃにゃ…。なんとなくわからにゃくもないけどギャルは怖くないにゃー。落ち着けにゃー。」
「うう…。ギャル怖いギャル怖い…。」
胃痛は増す一方である。
口から胃酸をマーライオンのごとく吐けそうなレベルで痛い。
「おーい!そこ行く幼女2人連れてるおにいっさぁーん!女の子にうちのアクセ見ていかねぇ~!?
安くすっからさぁ~!」
「いや…いいです…。初対面の人に敬語使えない人とか苦手なんで…。」
「そんなこと言わずにさ~?どうよこれかっちょいいっしょ~?」
「ソウデスネー。カコイイデスネー。デモオニサン、ジブンデツクレルカラベツニイイヨー。」
精神が壊れかけてる俺から、盗賊ちゃんがギャル男キャッチを引き剥がす。
「す、すみません。うちのごしゅ…カレピ、こんな見た目なんですけどギャルっぽい人に免疫ないんですよ~…。」
「あ~?そうなん?そゆことぉ~?
これは誠に失礼致しましたお客様。見た目で判断してしまった私めの不敬を何卒ご容赦下さい。
さて、お客様は自分でアクセサリーを作られるとの事…。如何でしょう?当店ではレアな革紐や銀細工のロンデルなど各種材料も取り揃えております。
そちらの愛らしいお連れ様の身につけてる物も貴方様の作品とお見受けしますが、どうか当店の品々もご覧になっていかれませんか?」
「え、あ…。キャラ変わりすぎじゃないですか…?」
「ハハハ。申し訳御座いません。
反応から察するに、貴方様は此方の都は初めてですね?それなのにわざわざその見た目…。これは何か訳ありのお客人と見受けました。
問題なさそうなら色々とお話をお伺いしても?」
ギルマスちゃんにどうする?と目で合図する。
大丈夫でしょ。と言う顔をされたので店員について行きお店に入る。
「もしや、あなた方が都長から連絡の入っていた大賢者様御一行様ですか?
もしそうなのでしたら先程は飛んだご無礼を…。」
「構いませんよ。この見た目で初見で気付く方が無理というものでしょうし…。
と言うよりも連絡があったのですね。」
「えぇ。水手紙の設置されている一部の大きな店や有名店には連絡が入ってるはずですよ。
賊の侵入防止と対策を兼ねて、ですね。
それ以上の詳しい話は聞き及んでおりませんが、他国からこの都の平和を脅かすものが入り込んでる危険があると聞いていましたので。
他国のものと見受けられる場合は警戒せよとの伝令が出ています。」
「なるほど…。都長さん、仕事が早いな…。」
「この都は元々技術漏洩なども含めて厳重な都ですからね。冒険者以外の場合は入都審査もあります。
それ以外の方は身分証がないとまず入れませんね。
あなた方の場合は存在そのものが身分証みたいなものですが…。」
あのギャル都長、見た目はさておき仕事は完璧って感じだな…。
普段から色々出歩きつつ国家の政策も担う魔女さんと、自国のギルドをメインに見ているうちのギルマスちゃん、そして何もまだしていないこの俺!とはえらい違いだな…。
心の中で敬意を表しよう…。
「さて、せっかくご来店頂いたことですし、うちの自慢の商品と材料たちを是非お手にとって見て行ってください。
貴方の想像力を膨らませるものがあれば幸いです。」
「ありがとう店員さん。此方も最初に貴方を嫌悪して申し訳ありませんでした。」
「フフ。構いませんよ。この見た目ですからね。慣れっこです。そもそもキャラを使い分けられなければ店長なんか勤まりませんからね~。」
ひとまず、せっかくなので店の中を見て回る事にしようかな。
いや、その前に気になる所を聞いておこう。
「そう言えば、15歳くらいの黒髪のアクセ職人をご存知ですか?なんでも作り出すアイテムはユニークスキルを持ってしまうとかなんとか…。」
「えぇ。もちろん存知あげて居りますよ。彼はその界隈では有名ですからね。10年前における厄災戦とまで言われた戦争の孤児だったのですが、その後この都でも腕利きの彫金師の元に引き取られて腕を磨き、そして今に至ります。
引き取った人も元々国家お抱えの彫金師でしたが、あまりにも早く才能が芽生えたという事で彼の将来をどうするかなんてことが、議題に上がる位だそうですよ。」
「厄災戦…?ってのは?」
この世界、俺が来る直前までほんと色々とあったみたいだよな。
いや、俺が来てからもなかなかだけど…。
「厄災戦と言うのは10年前に隣国と行ってた国家間の戦争にゃ。厄災と言われるようになったのは、最終的に割とガチギレした魔王様が出向いてきて相手国を一方的に叩きのめしたからだにゃ…。
人を愛する魔王ゆえに相手国側には死者は出なかったんにゃけど、魔王が戦争を終わらせるまでにこっちの国の人間達は相当な数を殺されたのにゃ。
そして、その戦の最前線こそがこの西側諸島なのにゃよ。
天気の良い日に水平線にちびっと見える城がそのまま隣国の土地なくらいにここは隣国と近いからにゃ。
数十年に一回くらい責められるのにゃ…。」
「でもその度に、このようにまた再建していく。
ですからこの都はまたの名を不死の都と言われています。都の守り神と言われている焔の鳥にあやかりましてね。」
不死鳥って事は朱雀とかかな。
この都にいるのは。
「なるほどね…。本当につい最近までこの世界では色々とあったんだ。
大規模な流行り病にその厄災戦にと…。」
「先代魔王様がガチギレしたのもあって、休戦ではなく敗戦扱いで戦争は終わったけど、また攻めて来ないとも言い切れないしにゃぁ…。」
「ふむ…。また攻めてくる恐れもある…か。
今は俺たちが大きな抑止力として現れた以上は余程の自体はないだろうけどって所かな。」
「まぁ敵も負ける戦に臨むほどアホじゃないからにゃ。
先代魔王のさらに前の魔王なら戦が起ころうが傍観するような魔王だったから攻めてみたは良かったものの、今代の魔王は人が好き故に返り討ちにあったって流れにゃ。」
隣国もアホじゃないなら、相当な力を蓄えるまではこっちに宣戦布告はないだろうってわけなら、まぁその辺は安心だろう。
となれば今は目の前の問題だ。
「それで例の少年は今どこに?」
「都庁の近くに国家彫金師のみが在籍する大規模な工房があるんですよ。
彼は基本はそこにいますよ。
彼らの作るアイテムはそれこそ国を揺るがしかねないですからね。軍事利用目的の盗難対策も兼ねてそのように厳重に管理がなされています。
万が一、隣国に流れようものならそれこそとんでもないことになりますからね。」
「なんと言うか、ほんと色々と考えられて作られた都なんだな。」
「割と閉鎖的で入都手続きも面倒なのと、装飾品に関しては非常に高価な物ばかりですから、腕利き冒険者しか基本的には街に来ないと言う点では大成功ですよ。
その分、飲食店は商人向けに安く値段設定されてるのも特徴的ですね。」
んむ。確かに例のサンドイッチ屋さんは結構安かったし、そのうえでめちゃくちゃ美味かった。
しかし、工房か…。あとで出向いてみるか。
せっかくだし、まずはここを堪能しないとな。
「ふむ…。スチームパンク風のアクセか…。俺もこういうの作ってみたいなぁ。そう言えばワイヤークラフト用のワイヤーが無いんだったな…。」
「わいやーくらふと?ってのはなんだご主人様?」
「その名前の通り、ワイヤーをこうやって巻いて作るアクセサリーのことだよ。
俺のライトニングクォーツとかに使ってる技術かな?」
「ふむ!ワイヤーですね!それならば取って置きの物がありますよ!こちらへどうぞ!」
店主に案内され材料コーナーへと進んでいく。
「おぉ…。お高いシルバーのロンデルやらジュエリーワイヤーが…!ジュエリーワイヤーって今まで使ったことまだなかったんだよなぁ~。」
「フフフ。こちらはただの金属ではありません。
龍族が住まう洞窟で長い時間をかけて魔力を溜め込んだ鋼…。通称 魔鉄鉱から強力な爆熱魔法を使って精錬し作り出されたワイヤーなのです。
このワイヤーの色自体が魔力を溜め込んだものと言う証なんですよ。
そちらのシルバーのロンデルに関しても、同じように魔鉄鉱を精錬して作り出した物なんです。
故にそれだけでも相当なまでに強大な力を秘めているのですよ。」
「うぉおっ!?ご主人様のテンションが爆上がりしてるのがすごい伝わってくるぞ!?」
そうだよ!これだよ!!よくよく考えてみれば剣と魔法のファンタジーの世界に来たのになんで俺自前のどこにでもあるような材料でアクセサリー作って来てたの!?
それこそ、ファンタジーあふれるモンスターから剥いだ魔力を帯びた皮から作ったレザーアクセとか、こういう魔力を帯びた金属ワイヤーで作ったアクセサリーとかもっとこう…作るべきだったろう!?
いやまぁそういう材料に出会える場所に今まで出向いてなかったのも悪かったのかもだが…これは最高だ!!
こんなものがこの世界には存在していたなんてな!
お?なんだこれ。無駄にクソ高いと思ったら、チェーンや果ては丸カンごときにまで魔鉄鉱を使ってるのか!?
おおおい!なんだこれは!魔鉄鉱の無駄遣い半端ねぇな!!
そうだ!財布!俺の財布の中身は…!!!
「けんじゃー。おちつけにゃー。心の声がめちゃくちゃうるさいにゃー。あと、ご飯代くらいしかお前の財布には多分入ってないにゃー。諦めろにゃー。またこいにゃー。」
「……………。」
「ご、ごしゅじん…さま?大丈夫か?すごい悲しそうな…残念な感情が伝わって来たけど…。
えっと…大丈夫か?これ…欲しいのか?お金だそうか?」
「すみません。店主さん。私とこの店とで材料の卸売りの契約とか出来ます?」
「喜んで!!」
てな訳で、今持ち合わせがなかったので直接卸売の契約を取結び、俺が定期的にここへ直接材料を買いに来る契約をとり結んだ。この場で。
そして…。大賢者は魔鉄鉱製のジュエリーワイヤーと丸カン、そして…ベヒーモス系最強のゴッドベヒーモスの皮から作った革紐を手に入れた!!
「うふふふ。どんなアクセに仕上げて差し上げようかしら…。楽しみだなぁ…。」
「ご主人様のテンションが目に見えて爆上がりしてる!?そんなに嬉しかったのか…。
確かにふと思うとあれもこれも一般的な金属や革紐で作ってこれだけのパワーなんだな…。
それをこうやって魔力を帯びたものでリメイクしようものなら…。
想像しただけで恐ろしいぜ…。」
「この世界の神樹の端材も手に入れてあるしな。
時間あるときにまたじっくりと良いものを作らないとだな~♪
いやぁ、いい買い物できたよ。
ありがとうございました店主さん。」
「こちらこそ!貴方と専属契約を結べるなどまさに誉れ!実に光栄の極みですよ!では、道中お気をつけて!!」
はぁ~。いい材料が見つかるとホクホクするなぁ~。
これは実にたまらにゃい…。
「なぁ、ご主人様。目的…忘れてないよな…?」
「あぁ、そうだな。ホテルに戻ったら早速手持ちの石と材料を使って新しいアイテム作りをしないとだな!」
「おいコラ。しっかりしろにゃ。どこに敵が居るかもわからにゃいというのに…。」
「おう…。そだったわ…。ひとまず、例の少年を遠目で見に行ったりしてみるか…。
都庁の近くってことは…こっから割とすぐか。」
\アイヨー!アイヨー!/
「ん?着信だ。黒エルフさんからか。はい、もしもしー?」
『賢者っち!今何処にいる!?』
「いま、都庁近くの例の少年が居る工房に向かってるところだよ?」
『それは好都合!その少年が今まさに行方不明になった!遠くから隠密系専門の見張りも複数人つけていたんだけど、そいつらが全員やられた上に少年も姿を消しちゃったんだよ!
消える直前まで特別変わったような動きはなかったって聞いてたんだけど…。とりま、もしかしたらまだ近くにいるかもしれないから見かけたら…。』
雷の閃光が俺の耳元をかすめるように貫く。
「悪い。多分だけど目の前に居るわ。驚いたな…。まさか今朝方戦った雷虎化したオーガノイドが例の少年だったとはな…。」
「………。」
「ダンマリか…。お前の目的とかその他諸々は知らないけど、今度はきっちりとその力を破壊させてもらうぞ?」
そう言うと目の前のオーガノイドは変身を解除する。
変身を解除した少年は目に光が無いような感じだった。
しかし、黒い髪に青い瞳。
ダークエルフの血は入ってるとの事だが、程よく日焼けした健康的なサッカー少年程度の小麦の肌に、引き締まった筋肉、それに180cmはあるであろう高身長の完璧イケメン。
素直に悔しい。ちくせう。
そしてその背後に居るのは、今朝方こいつを連れて何処かへと消えたローブを深々とかぶった男…。
「思ったよりも早かったですね。あまりにも早いから私が彼自身に最高傑作を作らせるのが間に合うかヒヤヒヤものでしたよ。ですが、あなた方がブラブラと時間を潰してくれていたおかげで無事間に合いました。
これが…見えますか?そう!貴方の使う雷帝の力と同じようにライトニングクォーツに神霊化した雷虎を宿したものです!
そして同じように鎧を模したアクセサリーとワイヤーで仕上げさせました。
ただし、貴方と違いこちらは魔鉄鉱製ですがねぇ…?
さぁ、少年よ!今こそその力を解き放つときです!
貴方の力を…あの調子に乗った大人に見せつけてやりなさい!」
少年はローブの男から俺の作品を模したライトニングクォーツのアクセを受け取ると、先ほどまで変身に使っていたと思われるアメジストをこれまた俺の作品を模したであろう木のフレームに嵌め込む。
そして…。
「変身…。」
少年は雷そのものとなり、全身に魔鉄鉱製の鎧を次々と纏っていく。
「クハハハハハハ!成功だ…成功だぁぁっ!!今ここに、もう1人の雷帝が産まれた!見ろぉ大賢者ぁぁあっ!
お前はもう、この世界の最強では無い!
この者こそが!新たなる最強の戦士だ!!」
俺の雷帝とは違い、どこか有機的かつ流線型のデザインの鎧をまとったもう1人の雷帝…。
彼は俺を見ながらこう呟いた。
「絶望がお前の…ゴールだ。」
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