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第10部 これからの目標
第88話 雇わないと駄目ですか
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俺達はドラゴンの住処を発見するため、ドラゴンが現れた街道に向かった。
そしてそこから森の中に入る。
【スキル】鑑定サーチ発動!
どんな魔物も魔石を持っている。
鑑定サーチは鑑定眼を使い、その魔物の魔石を探すスキルだ。
だが目がチカチカして、とても疲れる技だ。
そして魔石を探している間は魔石検知に特化し、視界がぼやけてしまう。
俺達は森の奥にどんどん進んだ。
そして果物を見つけては採り、魔物が居れば狩った。
しかしドラゴンは見つけられなかった。
あの大きさだ。
山の上の方に居るのかもしれない。
今度は山脈側に行ってみようかな。
そして俺達はパメラさんの空間結合魔法でヴィラーの村の近くへ飛んだ。
この魔法は空間を繋げ、一度行ったことがある町や村へ一瞬で行けるのだ。
難点は魔力のほぼ全部を使い切るので、これから戦闘する場合は使えなかった。
ヴィラーの村にいきなり飛んだら驚かれる。
だから近くへ飛び、そこから歩いて村に帰る。
今日の南の門番は猟師のロビーさんだ。
「お疲れ様です」
「お帰りなさい。エリアス様」
「あぁ、これ少ないですがお土産です」
俺はストレージから柿、ぶどう、栗などが入った麻袋を出しロビーさんに渡した。
「ありがとうございます、エリアス様。俺達は領主様に何もしていないのに、こんなに与えて頂いて。この御恩は村の者一同必ずお返しいたしますから」
ロビーさんは何やら卑屈になっている。
「いいんですよ、ロビーさん。気にしないでください」
そう言って俺達は屋敷に戻った。
屋敷に戻りしばらくするとドアノッカーを叩く音がした。
誰だろうと思い一階に降りドアを開けた。
外に居たのはアーマン村長と見知らぬ40歳くらいの女性だった。
「戻られたばかりのところを申し訳ありません」
「いいえ、大丈夫ですよ。どうされましたか」
「折り入ってお話がございまして」
「分かりました、さあ、どうぞ中へ」
屋敷の中へ案内した時に連れの女性が中を見て『まぁ』と、言う顔をした。
そうだよね、引っ越してきたときのまま。
生活感がまるでない屋敷だよ。
俺は居間に案内し8人掛けテーブルの椅子をすすめた。
「さあ、どうぞ。お座りください」
「ありがとうございます」
すると嫁3人も居間に降りてきた。
「こんにちはアーマン村長。私達もいいかしら」
「もちろんです、奥様方」
『お、奥様方だってよ』
『そ、そうね』
『これが聞きたかっただけで、降りて来たとは言えないわよね』
そしてオルガさん達も席に着いた。
「どんなお話しでしょうか、村長」
「実は以前、お話したメイドの話ですが」
「あぁ、でも無理です」
「分かっております。ですがエリアス様には、農機具の事でお世話になり開拓も進み、みんなやる気に満ちております」
「それは良いことです。そこでせめてものお礼にと、私達で次回の春の収穫までメイドの賃金をお支払いすることに致しました」
「それは、どう言うことでしょうか?」
「皆様は自炊が出来ず毎食、外食をしていると聞いております」
ドキ!!
オルガさん達は顔を見合わせ、下を向いてしまった。
「もちろん、奥様方も男爵夫人です。自炊ができるわけがありません」
オルガさん達3人は顔を上げ、ウンウンと頷いている。
男爵夫人だから出来なくて当たり前、とばかりに。
「しかしそれでは村としては体裁が悪いのです。領主様がメイドすら雇えない様な村だと、外のものに思われたくないのです」
村の面子、ということですか。
面倒な話ですね。
「ここにいるアーネは、前の領主様の時に勤めておりまして。メイド仕事なら任せても大丈夫です」
あぁ、そう言えばこの村に来た時に聞いたな。
この屋敷に勤めていたメイドさんが何人かいたって。
そしてメイドを辞めたら畑仕事なんてできないと。
そうなると、この話は断れないと言う事だ。
「アーネと申します。誠心誠意努めますので、どうか置いてください」
「アーネさんの家はお近くなのですか」
「はい、そうですができれば住み込みでお願い致します」
「それはどうしてですか」
「家賃が掛かるからです。それに前の領主様なら住み込みは嫌ですが、エリアス様なら安心できる方だと聞きまして」
「アーネさんのご家族は」
「夫と息子がおりましたが、3年前にウォルド領へ作物を売りに行く際に野党に襲され、その時に…」
「わ、分かりました。ごめんなさい」
「いえ、構いません」
「具体的にメイドさんは何をするのでしょうか?」
「炊事、洗濯、掃除ですかね」
う~ん。
炊事は外食で済むし、掃除は俺のストレージで埃や汚れを収納している。
庭の雑草はオルガさんならウィンドスラッシュ、パメラさんのウインドカッターで刈り、俺のストレージに収納している。
することがあるとすれば、洗濯くらいか。
でも他人に下着を洗ってもらうのも嫌だな。
よく考えるとメイドさん自体、必要に感じないのですが。
いくら無料だからと言っても。
雇わないと駄目ですか?
そしてそこから森の中に入る。
【スキル】鑑定サーチ発動!
どんな魔物も魔石を持っている。
鑑定サーチは鑑定眼を使い、その魔物の魔石を探すスキルだ。
だが目がチカチカして、とても疲れる技だ。
そして魔石を探している間は魔石検知に特化し、視界がぼやけてしまう。
俺達は森の奥にどんどん進んだ。
そして果物を見つけては採り、魔物が居れば狩った。
しかしドラゴンは見つけられなかった。
あの大きさだ。
山の上の方に居るのかもしれない。
今度は山脈側に行ってみようかな。
そして俺達はパメラさんの空間結合魔法でヴィラーの村の近くへ飛んだ。
この魔法は空間を繋げ、一度行ったことがある町や村へ一瞬で行けるのだ。
難点は魔力のほぼ全部を使い切るので、これから戦闘する場合は使えなかった。
ヴィラーの村にいきなり飛んだら驚かれる。
だから近くへ飛び、そこから歩いて村に帰る。
今日の南の門番は猟師のロビーさんだ。
「お疲れ様です」
「お帰りなさい。エリアス様」
「あぁ、これ少ないですがお土産です」
俺はストレージから柿、ぶどう、栗などが入った麻袋を出しロビーさんに渡した。
「ありがとうございます、エリアス様。俺達は領主様に何もしていないのに、こんなに与えて頂いて。この御恩は村の者一同必ずお返しいたしますから」
ロビーさんは何やら卑屈になっている。
「いいんですよ、ロビーさん。気にしないでください」
そう言って俺達は屋敷に戻った。
屋敷に戻りしばらくするとドアノッカーを叩く音がした。
誰だろうと思い一階に降りドアを開けた。
外に居たのはアーマン村長と見知らぬ40歳くらいの女性だった。
「戻られたばかりのところを申し訳ありません」
「いいえ、大丈夫ですよ。どうされましたか」
「折り入ってお話がございまして」
「分かりました、さあ、どうぞ中へ」
屋敷の中へ案内した時に連れの女性が中を見て『まぁ』と、言う顔をした。
そうだよね、引っ越してきたときのまま。
生活感がまるでない屋敷だよ。
俺は居間に案内し8人掛けテーブルの椅子をすすめた。
「さあ、どうぞ。お座りください」
「ありがとうございます」
すると嫁3人も居間に降りてきた。
「こんにちはアーマン村長。私達もいいかしら」
「もちろんです、奥様方」
『お、奥様方だってよ』
『そ、そうね』
『これが聞きたかっただけで、降りて来たとは言えないわよね』
そしてオルガさん達も席に着いた。
「どんなお話しでしょうか、村長」
「実は以前、お話したメイドの話ですが」
「あぁ、でも無理です」
「分かっております。ですがエリアス様には、農機具の事でお世話になり開拓も進み、みんなやる気に満ちております」
「それは良いことです。そこでせめてものお礼にと、私達で次回の春の収穫までメイドの賃金をお支払いすることに致しました」
「それは、どう言うことでしょうか?」
「皆様は自炊が出来ず毎食、外食をしていると聞いております」
ドキ!!
オルガさん達は顔を見合わせ、下を向いてしまった。
「もちろん、奥様方も男爵夫人です。自炊ができるわけがありません」
オルガさん達3人は顔を上げ、ウンウンと頷いている。
男爵夫人だから出来なくて当たり前、とばかりに。
「しかしそれでは村としては体裁が悪いのです。領主様がメイドすら雇えない様な村だと、外のものに思われたくないのです」
村の面子、ということですか。
面倒な話ですね。
「ここにいるアーネは、前の領主様の時に勤めておりまして。メイド仕事なら任せても大丈夫です」
あぁ、そう言えばこの村に来た時に聞いたな。
この屋敷に勤めていたメイドさんが何人かいたって。
そしてメイドを辞めたら畑仕事なんてできないと。
そうなると、この話は断れないと言う事だ。
「アーネと申します。誠心誠意努めますので、どうか置いてください」
「アーネさんの家はお近くなのですか」
「はい、そうですができれば住み込みでお願い致します」
「それはどうしてですか」
「家賃が掛かるからです。それに前の領主様なら住み込みは嫌ですが、エリアス様なら安心できる方だと聞きまして」
「アーネさんのご家族は」
「夫と息子がおりましたが、3年前にウォルド領へ作物を売りに行く際に野党に襲され、その時に…」
「わ、分かりました。ごめんなさい」
「いえ、構いません」
「具体的にメイドさんは何をするのでしょうか?」
「炊事、洗濯、掃除ですかね」
う~ん。
炊事は外食で済むし、掃除は俺のストレージで埃や汚れを収納している。
庭の雑草はオルガさんならウィンドスラッシュ、パメラさんのウインドカッターで刈り、俺のストレージに収納している。
することがあるとすれば、洗濯くらいか。
でも他人に下着を洗ってもらうのも嫌だな。
よく考えるとメイドさん自体、必要に感じないのですが。
いくら無料だからと言っても。
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