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ライバル令嬢登場!?
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ベル・フォーサイスが去ったあと、『こっちに来て』とレイ君に手を引かれて案内されたのは、王宮の中で最も高い塔に設けられたバルコニー。
「わぁ……!」
私はそこで私は感嘆の声を上げた。
「まるで、パノラマみたい」
太陽の光は温かく、そして清々しい風が吹き抜けていく。城の下に広がる街や木々が眼下に広がっている。あまりのダイナミックさに年甲斐もなく興奮してしまう。
「この景色を貴女に見せたかったんです」
「私に?」
「“僕”が一番好きな場所だから」
私の左隣を伺うと同じように風に当たるレイ君の横顔はどこか楽しげに町並みを眺めている。風に煽られて柔らかい亜麻栗色の髪が揺れ、エメラルドグリーンの瞳が細められている。
「素敵な場所ね……」
私の思わず漏れた呟きにレイ君は『気に入ってもらえてよかったです』と微笑んだ。何故だろうか。先ほどから、レイ君の笑顔を見ると心臓が痛いほど早くなる気がする。
(さっきからどうしちゃったんだろう?)
それレイ君に気取れないように私は話題を変える。
バルコニーの景色を見ながら、あれは何の建物だとレイ君に尋ねるとレイ君は丁寧に説明をしてくれる。いくつか建物の質問を丁寧にしてもらっていると
「レイ君が見せたかったものって、もしかしてこの景色?」
ふと思い至ったことがあり、左隣を見て尋ねた。そもそも今日はレイ君に『見せたいものがある』と言われて、この場所に訪れたのだ。ベル・フォーサイスの件があり、危うく忘れかけていた。そんなことを思っていると
「半分だけ正解です」
とレイ君は口元に左手の人差し指を当て、いたずらっぽく笑う。
「半分だけ?」
「えぇ、半分だけです」
(どういうことなのだろう?)
そんなことを思いながらレイ君に尋ねようとしたときだった。
「きゃっ!」
突然ピュンと強い突風が私に直撃して、大きくふらついてしまう。
「大丈夫ですか?」
気が付くとレイ君の逞しい腕が腰辺りに添えられている。どうやら支えていてくれたらしい。
「だ、大丈夫」
図らずも近くに迫ってしまい、私はそう言って素早く離れる。
(心臓の鼓動が早い……。何でだろう。レイ君の行動一つ一つに意識しちゃう)
とにかく心臓がバクバクと煩かった。煩い心臓を宥めていると、あれ?とあることに気が付く。
「あれ?髪飾りが」
メアリーがつけてくれた花飾りが頭になかったのだ。歩くと揺れていたのに、今は左右に首を振っても揺れている気配がない。もしかして、さっきの突風で落としちゃった!?思わずバルコニーのすぐ真下を覗くと
「あった!!」
今いる場所の2階ほど下に設けられたバルコニーにメアリーがつけてくれた花飾りが落ちているのが見えた。
取りに行かなければと思い勢いよく振り向くと
「私が取りに行ってきます」
と私に言うレイ君が微笑みながら立っていた。そして、私の頭に自らの左手を乗せ安心させるようにポンポンと数度頭を撫で、しゃがんで目線を同じくする。
「貴方はそこで待っていてください」
にこりと笑う笑顔を残して、レイ君はバルコニーから出ていった。
代わりに私はスルスルと座り込んだ。
(どうしよう、顔が熱い)
3
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