甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:0 塩過ぎるイケメン

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ゲーム翻訳に限らず納期が逼迫ひっぱくしている案件は高速で仕上げてくれる彼にお願いすることが多かった。またそのような案件のチェック作業は在宅フリーランスの翻訳チェッカーさんに回すのが難しかったりする為アシスタント兼社内チェッカーである私が担当していたので、面識はないものの自然とコンビを組むことが多かった。

チェックで彼の翻訳文を見る時には『こういう風に訳すのか。』と感動してしまうことが多かった。彼の訳文をチェックするのは私の密かな楽しみだったのだ。

通常この案件くらいの分量があれば複数の翻訳者さんにお願いして分業するのだがその場合訳にずれが生じることもある。その為『クロスチェック』といって翻訳者さん達が他の人の翻訳箇所をチェックして適宜修正を行い整合性を高めるという作業が行われるのだが、それでも統一感はどうしても一人の翻訳者が担当した方が勝る。『翻訳料金が上がってもいいので若泉さんお一人にお願いしたい。』というのがクライアントからの強い要望だった。

そんな要望を叶える為、『翻訳者若泉さんとチェッカー私を同じ家に缶詰にして効率的に作業を進める。』というめちゃくちゃな進捗方法が編み出されたのだった。