甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:0 塩過ぎるイケメン

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今回の案件はゲームアプリ会社が小説投稿サイト内で開催したコンテストで大賞を受賞した小説を元にした恋愛シミュレーションゲームの英訳だった。

分量が多く更に急いでいる案件であり、クライアントの希望する納期までに仕上げるのは無謀としか思えなかった。でも『翻訳界の駆け込み寺』をキャッチフレーズとしている当社では依頼を断ることは滅多になく、たとえ他の翻訳会社では断られた無理な案件であったとしても引き受ける。

今回のクライアントはお得意様で、今回も翻訳者の若泉透葵わかいずみときさんを指名してきた。以前他のゲームアプリの翻訳を彼が担当しそれがあまりに素晴らしかったからである。

若泉さんは私より二つ年上の28歳という若さで、帰国子女ではなく留学経験もなく海外旅行も修学旅行で一度行ったのみだというのに英語スキルが高く、翻訳スピードも速く表現力もずば抜けている優秀な翻訳者だった。

在宅フリーランスの翻訳者さんは複数の翻訳会社から仕事を受けていることが多いが、彼は当社では主に冒険ものや謎解きものなど様々なゲーム翻訳に携わってきて、そのゲームの魅力をそのまま他言語に置き換えることが出来た。

元々そのゲームがその言語で作られたかのような自然な翻訳であったしまるで彼がゲームの制作者であるかのように心に迫るものがあったのだ。