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3月11日(水)
*3*
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「アメリカ!?梨衣乃が!?」
「あれ、友達なのに知らないの?ダンスの夢、もう一度追いかけるんだって。」
「それって、今回のことがあったからだよね?」
「前からモヤモヤしながら働いてたらしいよ。自分の人生、このままでいいのかって。異動になって決心がついたって。」
「それ、梨衣乃がミコトくんに話したの?」
そう聞いた途端ミコトくんの笑顔が弾けた。
「そうなんだよ!連休の間に緊急で会議あって僕たちの異動が決まって僕は昨日言われたから、彼女も言われただろうと思って、トイレから出てきたとこ捕まえて話したんだ。勢いで告白したらその瞬間きっぱり振られたけど、僕は諦めないよ!」
ミコトくんは帰国子女で英語が堪能なので、海外の取引先とのWeb会議では彼が中心となって話し合いを進めていた。
「カナとはお互い十分楽しんだけど、アリサには申し訳ないことしたなと思うよ。けど、僕らは結婚するべきじゃなかったんだよね。」
その言葉に怒りが湧き上がる。
───それはその通り、ミコトくんはアリサにふさわしくない。でも梨衣乃とのことがなければ、彼は何食わぬ顔でアリサと結婚して、その後も私との関係を続けるつもりだったんだ・・・!
元々わかっていたことなのに拳どころではなく全身が怒りでぷるぷると震える。でもここで何かを言ったところでどうにもならない。このミコトくんにとって私は共に自分の欲の為に恋人を裏切っていた同士でしかないし、もう終わったことなのだ。これからそれぞれの新しい毎日が始まる。
そう思い直して顔を上げると、突然ミコトくんが倒れた。
「あれ、友達なのに知らないの?ダンスの夢、もう一度追いかけるんだって。」
「それって、今回のことがあったからだよね?」
「前からモヤモヤしながら働いてたらしいよ。自分の人生、このままでいいのかって。異動になって決心がついたって。」
「それ、梨衣乃がミコトくんに話したの?」
そう聞いた途端ミコトくんの笑顔が弾けた。
「そうなんだよ!連休の間に緊急で会議あって僕たちの異動が決まって僕は昨日言われたから、彼女も言われただろうと思って、トイレから出てきたとこ捕まえて話したんだ。勢いで告白したらその瞬間きっぱり振られたけど、僕は諦めないよ!」
ミコトくんは帰国子女で英語が堪能なので、海外の取引先とのWeb会議では彼が中心となって話し合いを進めていた。
「カナとはお互い十分楽しんだけど、アリサには申し訳ないことしたなと思うよ。けど、僕らは結婚するべきじゃなかったんだよね。」
その言葉に怒りが湧き上がる。
───それはその通り、ミコトくんはアリサにふさわしくない。でも梨衣乃とのことがなければ、彼は何食わぬ顔でアリサと結婚して、その後も私との関係を続けるつもりだったんだ・・・!
元々わかっていたことなのに拳どころではなく全身が怒りでぷるぷると震える。でもここで何かを言ったところでどうにもならない。このミコトくんにとって私は共に自分の欲の為に恋人を裏切っていた同士でしかないし、もう終わったことなのだ。これからそれぞれの新しい毎日が始まる。
そう思い直して顔を上げると、突然ミコトくんが倒れた。
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