488 / 566
お留守番
34日目 魔境
しおりを挟む
「で、ちょっと体を動かそうと外に出たが衛兵に見つかって追いかけられたので全力で部屋に戻ったと」
「そうなるね」
「はぁ……」
カイル殿が呆れたように頭をガシガシかく。
「お前は今うちの国賓なんだから堂々としてれば良かっただろうが。獣人族の衛兵が一晩中探しても見つからなかった侵入者としてめちゃくちゃ噂になってんじゃねぇか」
「僕としては事を荒立てたくないと思った結果だったんですけどね。申し訳ない」
「まぁいい。俺が見て、問題ないと判断したことにしておく。じゃあ、行くか」
「お願いします」
遂に初の協会か。
緊張するね。
「よぉー、爺さん! 久しぶりに顔を見せたなぁ!」
「お前は俺がくるときは毎回絡んでくるのをやめれんのか」
「そう悲しいことを言うなよなー!」
山を越え、そびえ立つ凄く高い建築物に辿り着いた。
ランガルから行くには必ずドルガバ付近を通らねばならないから、国交がないうちは難しかっただろうね。
「で、お前は?」
カイル殿に絡んでいた僕と同じくらいの年の青年が声をかけてきた。
「申し遅れました。私はランガル王国の特使であり、エルランド王の……」
「あぁ、そういうのは他のやつにやってくれ。俺は興味ないから。で、お前は誰なんだ?」
「……キラと申します」
「ふーん、キラ。キラねぇ……」
少し思い出すような素振りをした後。
「あー! あいつか! ずっと98位から序列変動がない奴!」
「あ、はい、それが私ですね」
「そうかそうか! よく来たな! 歓迎するぜ!」
バシバシと肩を叩いてくるけど、まず誰なのかな?
カイル殿とは知り合いのようだけど。
「悪いな、キラ。そいつはリュート。序列は18位だ」
まさかのカイル殿より上!
一気に緊張感が増すね。
「おいおい、そう固くなんなって。俺は喧嘩とか割と嫌いだからさ!」
「どの口が言うんだお前は。毎回俺に挑んでくるくせによ」
「あんたは別だって」
序列18位が26位に挑むのか……。
「あぁ、気にすんな。とりあえずお前は来るのが初めてだからな。受付だけ済ませてしまおうぜ」
「受付?」
そんなものが?
「ようこそ協会へ。リュート様とカイル様。そちらは?」
「98位のキラ君だ。登録頼む」
「かしこまりました」
この受付の人からも強そうな気配を感じるなぁ。
「はい、登録が完了いたしました。これでいつ来てくださっても構いません」
「もうかい? 何か証明するようなものは?」
「必要ございません」
「そうか。ありがとう」
先に歩いて行っていたリュート殿とカイル殿に追い付く。
「カイル殿。あの受付の方は……」
「ん? あぁ、あいつは今何位だったっけか。56?」
「いや、54だな。この前上がってたぞ」
「まぁ、そんなところだ。物好きだよな。それで受付なんてやってるんだからな」
会う人会う人二つ名持ちの序列持ち。
凄いところだ。
「そうなるね」
「はぁ……」
カイル殿が呆れたように頭をガシガシかく。
「お前は今うちの国賓なんだから堂々としてれば良かっただろうが。獣人族の衛兵が一晩中探しても見つからなかった侵入者としてめちゃくちゃ噂になってんじゃねぇか」
「僕としては事を荒立てたくないと思った結果だったんですけどね。申し訳ない」
「まぁいい。俺が見て、問題ないと判断したことにしておく。じゃあ、行くか」
「お願いします」
遂に初の協会か。
緊張するね。
「よぉー、爺さん! 久しぶりに顔を見せたなぁ!」
「お前は俺がくるときは毎回絡んでくるのをやめれんのか」
「そう悲しいことを言うなよなー!」
山を越え、そびえ立つ凄く高い建築物に辿り着いた。
ランガルから行くには必ずドルガバ付近を通らねばならないから、国交がないうちは難しかっただろうね。
「で、お前は?」
カイル殿に絡んでいた僕と同じくらいの年の青年が声をかけてきた。
「申し遅れました。私はランガル王国の特使であり、エルランド王の……」
「あぁ、そういうのは他のやつにやってくれ。俺は興味ないから。で、お前は誰なんだ?」
「……キラと申します」
「ふーん、キラ。キラねぇ……」
少し思い出すような素振りをした後。
「あー! あいつか! ずっと98位から序列変動がない奴!」
「あ、はい、それが私ですね」
「そうかそうか! よく来たな! 歓迎するぜ!」
バシバシと肩を叩いてくるけど、まず誰なのかな?
カイル殿とは知り合いのようだけど。
「悪いな、キラ。そいつはリュート。序列は18位だ」
まさかのカイル殿より上!
一気に緊張感が増すね。
「おいおい、そう固くなんなって。俺は喧嘩とか割と嫌いだからさ!」
「どの口が言うんだお前は。毎回俺に挑んでくるくせによ」
「あんたは別だって」
序列18位が26位に挑むのか……。
「あぁ、気にすんな。とりあえずお前は来るのが初めてだからな。受付だけ済ませてしまおうぜ」
「受付?」
そんなものが?
「ようこそ協会へ。リュート様とカイル様。そちらは?」
「98位のキラ君だ。登録頼む」
「かしこまりました」
この受付の人からも強そうな気配を感じるなぁ。
「はい、登録が完了いたしました。これでいつ来てくださっても構いません」
「もうかい? 何か証明するようなものは?」
「必要ございません」
「そうか。ありがとう」
先に歩いて行っていたリュート殿とカイル殿に追い付く。
「カイル殿。あの受付の方は……」
「ん? あぁ、あいつは今何位だったっけか。56?」
「いや、54だな。この前上がってたぞ」
「まぁ、そんなところだ。物好きだよな。それで受付なんてやってるんだからな」
会う人会う人二つ名持ちの序列持ち。
凄いところだ。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる