戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
上 下
489 / 566
お留守番

41日目 珍味

しおりを挟む
「あら、レインちゃん。今日はどうしたんだい?」
「こんにちは、おばさま。えっと、おすすめとかありますか?」
「そうねぇ、これなんてどうかしら。採れたてよ」
「じゃあ、それをお願いします」

今日も今日とて買い出しです。
リブレさんはけっこう食事にはうるさかったですが、量はあまり食べていませんでした。
むしろオーシリアさんの方が食べてましたね、杖なのに。
しかし、プリンセちゃんが放っておくといくらでも食べるのであまり食材の量は変わっていないかもしれません。

野菜は私が買い出しに行っているのですが、お肉はプリンセちゃんが森に出かけていって捌いて持ってきてくれます。
少々部位がなかったりしますが、本人にお腹は大丈夫か聞いたところ、

「……生肉、おいしいよ……?」

との事だったので大丈夫でしょう。

ちょっと前からキラさんもどこかに行ってしまっていますし、懲りたのかエルフの方も動きがありません。
リブレさんがいたころは何か起こっていないとおかしいみたいなものでしたが、流石にそうそうあんなに起こりません。
これでリブレさんがトラブルを引き寄せてしまう体質であるという事が判明しましたね。
ただ、リブレさんは今回はちゃんと寝ていてここにいるのに何も起こらないという事は、夢の中でなにかやってるかもしれませんね。

「よぉ、嬢ちゃん! こっちでも何か買ってかないかい?」
「? こちらのお店は……?」
「ドルガバの方から仕入れが入ってな! 俺に話が回ってきたんだよな!」

見たことのないお店があります。

「うわぁ……」

お魚さんがいっぱいです……。
リブレさんが好んでどこかから持ってきていましたが、そもそも私たちにはお魚を食べる習慣がありません。
プリンセちゃんは気に入っていましたが、私は生の状態のぬるぬる感が苦手です。
というか、プリンセちゃんは苦手なものがありませんからね。

「これは?」
「いや、俺も名前は知らないんだけどな」
「知らないんですか!?」

店主が売ってるもの知らないとか本当にヤバくないですか!?
こういう時にリブレさんがいたらもっとしっかりツッコんでくれるんでしょうけど。
さらに言えば、魚の説明までしてくれるんでしょうけど。

「お、珍しいものおいてんな!」
「わ! びっくりしましたよ、ケインさん……。目の調子はどうですか?」
「がはは! それがな! 見えない以外は何の問題も無いぞ!」
「いや、それが一番の問題だと思うんですけど……」

本人がこんな感じだからあまり気にしてる人がいませんが、リブレさん以外で幻想級ファンタズマルの影響を受けているのはケインさんだけなのです。
だから、私としてはケインさんの病状も気にしておきたいのですが、色々と規格外すぎて参考になりません。

「あ、そうだ。レイン嬢。王が呼んでたぞ」
「エルランド王ですか? なぜです?」
「そこまでは知らねぇな。あ、店主! これ箱1杯貰えるか?」
「! はい、ただいま!」

リブレさんじゃないですけど、私何か怒られることしましたっけ?
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。 次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。 時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く―― ――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。 ※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。 ※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

処理中です...