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レイン捜索作戦
しおらしくされると責め辛くなります
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「さて、エルフの方から正体不明の人間がなんと大胆不敵にもエルフの長の邸宅に侵入し、エルフ秘蔵の二つ名と戦ったが、逃がしてしまったらしいのじゃ。なにか知ってることはないかのう?」
「いやー、ちょっと心当たりはございませんねー……」
俺は城に帰り着くなり流れるように正座をした。
つまり、怒られる気満々だ。
実際王様にこうして怒られているわけだが。
なにしろ、こうならないために潜入したのに結果、騒ぎを起こしてしまったのだ。
それも特大の。
その原因が特に自分でもなく!
エイグのせいであったとしても!
実際に騒ぎを起こしてしまったのは確かなので!
こうして正座するのである!
「主よ……。そのように正座などするのじゃったらもうちょっと殊勝な顔でもしたらどうじゃ。そんな『俺は悪くありません!』って顔をよくもまあ器用にできるもんじゃの」
「そりゃするさ! なぜなら俺は悪くない!」
しかし、それと結果は別だ。
これでエイグがお咎めなしとかだったら流石に全力で抵抗するが、そんなことはないだろう。
単身エルフの町に飛び込んで事態を悪化というか、もはや最悪化させておいて見逃されるなんてことはあってはならない。
というか俺が許さん!
エイグ出て来いくらぁ!
俺がしおらしくもなく正座していると項垂れたエイグが入ってきた。
「エイグよ。怪我の方はもう良いのか?」
「は! なにぶん、治癒魔法にはそれなりに自信がございますので……」
「ならよい。キラの報告によればキラ、リブレ両名がエルフの長の館に侵入中、周りを警戒した際にそちがエルフ達に捕らわれているのを発見。やむを得ず戦闘に突入。キラがそちを連れて離脱。その間、リブレはエルフの二つ名持ちと交戦。オーシリアとの連携により引き分けに持ち込み、キラが戻ってくるとすぐに離脱。相違ないか」
「ございません」
エイグは王様に跪いた状態からさらに目を伏せる。
「なんであんなことになってたんだ?」
「……リブレ殿には本当に申し訳ないことをした」
「殿!?」
敬称がついてる!
「そもそもの予定では1晩で戻ってくるはずだっただろう。しかし、一向に戻ってくる気配はない。これは何かあったのではないかと心配になってしまったのだ。もちろん、リブレ殿とキラ様の2名でそうそう捕まったりすることがないことなど承知していた。しかし、我慢できなかったのだ。結果として、計画に大きな支障をきたしてしまった。本当にすまなかった……」
「いや、計画自体にそう大きな問題はなかったんだけどさ……」
そんなことより脱出した後にキラに抱きついてて俺のところにキラが戻るのが遅くなって俺が死にかけたっていう点を怒りたかったんだが……。
こうしおらしくされると怒るに怒れない……。
「はいはい、どうもー」
エイグの謝罪によって沈んでいた謁見の間にハンネが飄々と現れる。
全くこの女は空気を読まないにもほどがある!
いや、むしろ読んでるのかこれは!?
とにかくナイス!
「ちゃんと撮ってきてくれたかい?」
「はい、これ。あと、これも」
カメラみたいなやつと取ってきてた本を一緒に渡す。
「なんでこれだけ本なのかな?」
「不測の事態によってちょっと余裕がなくなったからな。しかし、これが最後の1冊だ。キラが凄いペースで仕分けしてくれていたからな。なんとかなった。頼むぞ」
「任せなさーい」
研究対象を見つけたホクホク顔で帰っていった。
ほんとに大丈夫か、あれ。
「いやー、ちょっと心当たりはございませんねー……」
俺は城に帰り着くなり流れるように正座をした。
つまり、怒られる気満々だ。
実際王様にこうして怒られているわけだが。
なにしろ、こうならないために潜入したのに結果、騒ぎを起こしてしまったのだ。
それも特大の。
その原因が特に自分でもなく!
エイグのせいであったとしても!
実際に騒ぎを起こしてしまったのは確かなので!
こうして正座するのである!
「主よ……。そのように正座などするのじゃったらもうちょっと殊勝な顔でもしたらどうじゃ。そんな『俺は悪くありません!』って顔をよくもまあ器用にできるもんじゃの」
「そりゃするさ! なぜなら俺は悪くない!」
しかし、それと結果は別だ。
これでエイグがお咎めなしとかだったら流石に全力で抵抗するが、そんなことはないだろう。
単身エルフの町に飛び込んで事態を悪化というか、もはや最悪化させておいて見逃されるなんてことはあってはならない。
というか俺が許さん!
エイグ出て来いくらぁ!
俺がしおらしくもなく正座していると項垂れたエイグが入ってきた。
「エイグよ。怪我の方はもう良いのか?」
「は! なにぶん、治癒魔法にはそれなりに自信がございますので……」
「ならよい。キラの報告によればキラ、リブレ両名がエルフの長の館に侵入中、周りを警戒した際にそちがエルフ達に捕らわれているのを発見。やむを得ず戦闘に突入。キラがそちを連れて離脱。その間、リブレはエルフの二つ名持ちと交戦。オーシリアとの連携により引き分けに持ち込み、キラが戻ってくるとすぐに離脱。相違ないか」
「ございません」
エイグは王様に跪いた状態からさらに目を伏せる。
「なんであんなことになってたんだ?」
「……リブレ殿には本当に申し訳ないことをした」
「殿!?」
敬称がついてる!
「そもそもの予定では1晩で戻ってくるはずだっただろう。しかし、一向に戻ってくる気配はない。これは何かあったのではないかと心配になってしまったのだ。もちろん、リブレ殿とキラ様の2名でそうそう捕まったりすることがないことなど承知していた。しかし、我慢できなかったのだ。結果として、計画に大きな支障をきたしてしまった。本当にすまなかった……」
「いや、計画自体にそう大きな問題はなかったんだけどさ……」
そんなことより脱出した後にキラに抱きついてて俺のところにキラが戻るのが遅くなって俺が死にかけたっていう点を怒りたかったんだが……。
こうしおらしくされると怒るに怒れない……。
「はいはい、どうもー」
エイグの謝罪によって沈んでいた謁見の間にハンネが飄々と現れる。
全くこの女は空気を読まないにもほどがある!
いや、むしろ読んでるのかこれは!?
とにかくナイス!
「ちゃんと撮ってきてくれたかい?」
「はい、これ。あと、これも」
カメラみたいなやつと取ってきてた本を一緒に渡す。
「なんでこれだけ本なのかな?」
「不測の事態によってちょっと余裕がなくなったからな。しかし、これが最後の1冊だ。キラが凄いペースで仕分けしてくれていたからな。なんとかなった。頼むぞ」
「任せなさーい」
研究対象を見つけたホクホク顔で帰っていった。
ほんとに大丈夫か、あれ。
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