男爵令嬢が『無能』だなんて一体誰か言ったのか。 〜誰も無視できない小国を作りましょう。〜

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第五章:お見合いの季節(?)がどうやらやってきたようです。

第51話 様子がおかしいから何かと思えば。

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 お父様から任された一部執務を片付けて、私は「ふぅ」と小さく息を吐きました。

 執務が嫌いという訳ではありません。
 が、それと疲れるか否かはまた別問題でもあります。

 そんな私の気持ちを悟ったリズがすかさず、私に紅茶を淹れてくれました。

「ありがとう、リズ」
「いいえお嬢様、お嬢様の日々の暮らしを陰ながらサポートする事、それが私の仕事ですから」

 私の言葉にリズはそう言い使用人としての礼をしてきます。


 彼女が仕事に熱心で私のことを大切に思ってくれている事は、もちろん私も知っています。
 が、それはあくまでも彼女にとって「至極当たり前の事」なのです。
 今更こうして口にするような事でもなければ、まさかリズが「お嬢様は理解していない」と思っている筈もありません。

 だから私はこの時少し、違和感のようなものを覚えました。


 しかしその答えは思いの外、すぐに見えることとなります。

「建国してそろそろ一年。お嬢様はこの国に多大なる貢献をしていただきました。使用人として、これほど誇らしい事はありません」
「え、えぇありがとう」
「最近は特にお嬢様の美しさにも磨きがかかってこられて」
「そう、かしら」
「えぇそれはもう! だからコレも――」

 そう言って、リズは私が座る目の前の机に何かをドンッと出してきました。
 そのうちの一つを手に取り開いてみると、そこには男性の肖像画が。
 これはもしかして……。

「私は常にお嬢様の幸せを願っているのです。ですからそろそろ『結婚』を致しましょう」




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