46 / 55
第四章:お披露目の日がやってきました。
第46話 我が国の『真実』をお教えしましょう。
しおりを挟む小競り合い程度の事でしたら、基本的に週一ペースで起こります。
そして大きな進軍は、大抵収穫期が終わってから真冬になるまでの間にあります。
こちらについては最早風物詩といった感じですね。
どちらにしろ、その手の事には良くも悪くも慣れてしまった土地柄ですが、だからといって何もしていないと思われるのは心外です。
「我が領地は防御に優れた強い兵団を持っていた、貴国の盾の一つでした。どの領地の兵や国軍よりも実戦経験が豊富であり強いと自負する兵士達です。その手腕、殿下自ら兵を率いて体験なさると言うのなら、そのお話喜んで受けさせて頂きますが……如何しますか?」
殿下は知らないのでしょうか。
我が国が過去、辺境伯の地位を返上している事を。
しかし返上したのはその地位だけで、領地も兵団も据え置きだったという事を。
少しばかり歴史書を読めば書いている筈なのに、読んでないのか、読んだ上で鼻で笑ったのか。
どちらにしてもこちらを舐めている事には変わりありません。
「ぐっ、お、俺がいつ武力による戦争をすると言った? やはり貧乏男爵家は考え方も野蛮だなぁ! 俺が言っているのは――」
「ならほど、交易制限による戦争をお望みですか。そちらは貴国にされたところで全く痛くも痒くもありませんので、その様な意味もない事は流石の殿下でもしないだろうと思いまして最初に除外したのですが……」
と、ここで言葉を切ってから、敢えて彼に「まさかそちらに舵を切るとは」と思いつつ哀れみの目を受けておきます。
だってそうでしょう。
つい今しがた、交易をしてくれる国の候補はたくさん出来ました。
殿下の国が応じてくれなくても痛くも痒くもありませんし、もしそれに追従する国があっても大した痛手にはならないでしょう。
むしろこちらは交易先が多すぎても仕入れ品目が被ってしまうと思いますので、ちょっとくらい減ってくれた方が嬉しいです。
こちらから断ると角が立ちますが、あちらから断ってくるのなら気にする必要は無いですしね。
食料品関係では、生きるために必要な成分を含んだ物もありますが、とりたてて言えば砂糖と塩くらいでしょうか。
しかし砂糖については領内でも多少栽培していますし、塩も岩塩ならば取れます。
猶予は作れそうですので、もし塩関係の仕入れ先が軒並み撤退したとしても、その間にちょっとずつ交渉していずれ手に入れられれば大丈夫でしょう。
むしろ困るのは、こちらじゃなくてそちらでしょうに。
36
あなたにおすすめの小説
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~
オレンジ方解石
ファンタジー
恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。
世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。
アウラは二年後に処刑されるキャラ。
桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる