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第四章:お披露目の日がやってきました。
第37話 対等でありたい、それだけです。
しおりを挟むこれは、敷設にムラがあったからこそ分かった事でした。
それが幸か不幸かは分かりませんが、結果としてそうなってしまった以上、可能な限り有効活用せねばなりません。
むしろこれはクーベル王国だけでなく、各国にとって大いに役立つデータになる筈です。
それを我が国にとって重要な国に事前に教えて恩を売る事は、政治的配慮になるでしょう。
その代わりに他の所で譲歩を引き出す事が、おそらくお父様の狙いです。
「下水道敷設工事は本来街の美化のために施す事だから、我が国では後回しになっている……」
そう呟いて少し考え込んだ後で、国王様はこちらを窺うように見てきます。
「因みにそれらの詳細データやノウハウなどについては、開示する用意はあるのか?」
「それについては後程ゆっくりお話ししましょう」
にっこりと微笑んだお父様は、言外に「今はここまで」と言っていました。
もし最初から上から目線な態度は取らなかったなら、今この場で何の見返りを約束させる事もなく情報提供を了承していたかもしれません。
ただそれだけで、きっと「恩を感じてくれるには十分だ」と思えたでしょうから。
しかし現実は違います。
もし今ここで簡単に了承してしまったら、相手はおそらく「上である自分が下であるコイツ相手にタダで情報を貰えるのは当たり前。否、むしろそうあるべきである」などと勘違いすることでしょう。
我が国は、なにもかの国の上に立つ事を望んでなどいません。
しかし一方的に搾取される間柄ではなく、対等で有りたいと思っています。
そもそも全てはあちらの高慢な態度が原因なのですから、精々この後全ての謁見が終わって会場に降り来てくださった方々と雑談する時間になるまで、どのカードを出して情報を引き出すかを考え込んでいれば良いでしょう。
「……分かりました。では後程、楽しみにしております」
お父様の対応に、あちらは少し悔しそうな表情を覗かせながらも結局そんな了承の言葉を残して去って行きました。
この様に、ある者からは一種の値踏みや純粋なる祝福を、またある者からは侮りを受けつつ、私とお父様はそれをバッサバッサと捌いていきました。
そして全ての挨拶を受け終わりやっと私達も会場の方に降りたところで、――事件は起こってしまったのです。
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