男爵令嬢が『無能』だなんて一体誰か言ったのか。 〜誰も無視できない小国を作りましょう。〜

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第三章:あの国の状況を聞きました。

第27話 隠された手腕 〜国王side〜

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 そこにあったのは、臣下達が慌てて掻き集めてきたかの国の交友関係リストだ。
 そしてそこには我が国に隣接している4つの国は勿論の事、その他の周辺国家にも満遍なく交友が記されていた。
 しかもその大半が、国の中枢にある人材やその子女達と言うのだから驚かずにはいられない。

「たかが男爵令嬢だぞ……」

 そう、いくら今は独立して一国の王女になったとは言え、元々対人スキルを秘めていたとは言え、だ。
 当時の彼女の爵位は男爵令嬢。
 だというのに、その身分では到底話すことさえもままならない相手の名がズラリと並んでいるのだから、「一体どうしてそうなった」と言わずにはいられない。

「ロザリアにクーベル、イント……」

 どれも大国の名だ。
 同じ『国の中枢に』と一口に言っても、国の大きさによって相手の自負も変わってくる。
 そこに底辺貴族たる男爵家の令嬢が食い込むなど、一体どういう手を使ったのか。

 それに、だ。

「なっ?! ダルドン、だと?!」

 かの国の王は気難しく、私でさえまだ立場的な縁以上の物を結べていない。
 だというのに、どうしてかの家と繋がりが……。
 これだけよ社交手腕があるならば、王太子妃にもなれただろうに。
 
「もしかして、だから私達には隠してきたのか……!」

 ハッとして顔を上げる。

 かの国の王女には、男爵令嬢であった時代に遡っても婚約者が居なかった。
 年齢からすれば居ない方がおかしい筈なのに。

「我が国から元々独立する気があったのならば王太子妃などという地位は邪魔にしかならなかっただろうし、未来の国王となる人材を選ぶとなれば、それなりの人物を選ばねばならない。少なくとも男爵令嬢という地位に寄ってくるような男は、力の無い同格か蔑む上くらいだろう」

 という事は、だ。
 ここまでかの国、否、男爵家はとても上手く振る舞っていたという事になる。

 もしかすると、恐ろしいほど予定通りに事を進めているのではなかろうか。

「本当に……本当に、独占交易品が無くて良かった」

 でなければ、何だかんだで理由を付けて交易を掻っ攫われていたかもしれない。
 この時私は、そんな風に思ったのだった。
 
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