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第28話 陽動潜入作戦
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森の外まで伸ばしてもらったダンジョンの出口へ向かいながら、ウィルはタツトにどうしても聞こうと思っていた事が有った。
「ねえタツト、リーンのお母さんが生きているって情報をどこから入手したんだい?」
「それは、言わないといけない事かい?」
「今後のお互いの信頼関係の為でも有るよ、信用出来ないと判断したら完全にダンジョンを壊さないとならないからね」
ウィルが斬光の柄に手を伸ばそうとすると、タツトはわざとらしく降参のポーズをしながら話し出してくれた。
「お~怖い怖い、軽い冗談すら真に受けられそうだ。本来は話すべきじゃないんだが今回は特別だ、ダンジョンには人工的に作り出された物と天上の神が色んな種族の者が新たなる力を得る為に命を賭けて挑む試練の場として作られた物の2種類がある」
「ダンジョンが2種類ある?」
「何者かの手によって作られたか、神の手によって作られたかって意味で捉えても良いかもな。ただし、報酬は後者の方が遥かに良い物が出る」
「イスタブのダンジョンはどちらになるの?」
「イスタブは前者だ、神殿内の迷宮の様な造りを利用して高位の魔族が試しにサイクロプスをダンジョンボスに設定して生み出された物だ。失敗すれば魔脈の暴走を引き起こし暴走が収まるまでモンスターが無限に沸き続ける災厄を招く恐れも有ったから、成功して何よりだった」
なんて恐ろしい事を試す魔族が居たものだ、失敗すれば自分の命も危うかったかもしれないのに。
「まったくだ、そして俺がダンジョンボスを勤めているこのダンジョンは後者になる。神が来る時まで解けない封印を掛けていたのだが、崖崩れで通路の一部が露出した所為で封印が解けてしまった。けれども神が崖崩れ程度で解ける封印を掛けていたとも思えないから、もしかしたらお前が近くに立ち寄った際に封印が解ける様に細工されていたのかもしれないな。そう考えると、俺がウィルの仲間として同行する事になったのは神によって決められた運命だったのかもしれない」
「それじゃあ、ダンジョンの近くの温泉でリーンと一緒に裸の付き合いをしたのも神に決められた運命だったって事なの!?」
スパァァァァン!! リーンに早速ハリセンで頭を叩かれてしまった。
「ウィル・・・そういう事は仲間内でも言うものじゃないわ。分かった?」
「分かりました、ごめんなさい」
「話が逸れてしまったから元に戻すぞ、情報に関する報酬が前者と後者でどれだけ違うかを分かり易く説明すると前者の場合はダンジョン内で起きた出来事に限られる、しかし後者の場合は天上から神が見た事柄の中で許される範囲で有れば何でも与える事が出来るんだ。リーンに関する事で神に与える事を許された情報が母親の生存だったって訳だ」
「なるほど」
リーンの報酬としてタツトが与える事を許した情報がお母さんの生存だったとすれば、俺がもしも情報の報酬を望んだとすればどこまで許されるのだろう?
「ウィル、今自分が報酬で情報を望んだらどこまで教えてくれるのか?っとか考えなかったか?」
「え、何で分かっちゃったの?」
「今、神からウィルも情報の報酬を欲しがっている様だからと思念が届いた」
もしかして神様に俺の考え読まれてる!?
「そこはお前さんの判断に任せるよ、とりあえずウィルに与えるのが許された情報はこれだ。カサッポに居る母親のミラはシェルナーグのギルド所属の冒険者の半数近くによって守られている。指揮をしているのはエシュリーって女性だそうだ」
「え、ジェイクが母ちゃんを守る為に冒険者達を送ったって事!?」
「そういう事になるな、これでお前も心置きなく前に進めるだろう?」
神様に感謝したい気持ちになった、心のどこかでカサッポに居る母ちゃんに迷惑を掛けてしまうかもしれない不安を抱えていたからだ。だがそれも神様がくれた情報のお陰で心配はほとんど無くなった。あとは急いで首都へ向かうだけだ。
「そういえばタツト、このダンジョンの出口ってどれくらい伸ばせるのかな?」
「伸ばそうと思えば、5~6kmは簡単に伸ばせるがそれがどうかしたのか?」
「それは良かった、だったらこれを利用して首都に潜入しよう!」
それから3日後、ウィル達は首都アルストリアの西4km程の場所に在る森の中に居た。
「あれから、何とか3日でここまで来れたね」
「ウィルよ、お前は加減って物をいい加減学べ」
「何かまずい事した?」
「リーンが気を失ったままだろうが!?魔動馬にMPを注ぎ過ぎだ!」
「だって、余計な戦闘とかしたくないじゃん。あのスピードなら誰も追い付けないよ」
「確かにそうかもしれないが・・・それでも何人か検問の衛兵を弾き飛ばしていただろ?」
「ちゃんと『誰か馬を止めてくれ~!?』って叫びながら通過したから、わざとだとはきっと誰も思わないよ」
(そんな訳無いだろ!?)
タツトは思わず言いそうになった言葉を飲み込んだ。
「ねえタツト先日の情報の報酬は凄く俺にとって嬉しい物だったんだけどさ、もう1度別の情報の報酬を貰う事って可能かな?」
「おいおい、お前さんも結構欲深いじゃねえか。1度の情報だけじゃ不足かい?」
「出来ればアルストリア内に居る兵士達と戦う事も避けたいからね。だから、中にどれだけの戦力が居るのか知っておいて潜入する前にある程度の数を陽動しようと思うんだ」
「神様って奴はお前さんにはどうも甘い様だ、思念が届いたからよく聞けよ。中で駐屯している一般の兵士がおよそ5000で並の冒険者も同じく5000だ。それと王直属の騎士団が500とギルド所属の勇者レベルの冒険者は100程居るそうだ。仮に全員召集されれば1万と600が相手になる計算だ」
「ありがとう、じゃあここから近い西門に兵士達を集結してもらうとしよう」
そう言うと、ウィルは【力の写し身】を2回使うと歩兵4000と弓兵4000の計8000を呼び出し西門の手前3kmの地点に布陣させた。
「いきなりこれだけの数が現れれば、それよりも多い数を布陣させようとする筈。布陣させなくてもかなりの数を割かないといけないから首都の中の警護が手薄になるのは確実だ」
「しかし、向こうが先に手を出してきたら一瞬で殲滅してしまわないか?」
「そこは大丈夫、『俺が合図するまで絶対に手を出すな』と最初に指示を出してあるから」
「まあ何度攻撃されようと、お前の分身に傷を付けられる者がアルストリア内の兵士や冒険者の中に居る筈も無いから放っておいて時間稼ぎするには丁度良いか」
タツトはウィルの説明に一応納得した様だった。
「それじゃあ、MAPで場所を確認するからタツトにはこれから2ヶ所ダンジョンの出口を延ばしてもらうからね」
「どこにダンジョンの出口を出そうって言うんだ?」
「リーデガルド前大公のお屋敷と教会の本部の建物の中さ」
ウィルはタツトに面白い悪戯を考え付いた子供の様な笑みを見せていた。
「ラーナ殿、この様な光も射さない狭い部屋の中で過ごさせてしまい心苦しく思うが今少しの間我慢してくだされ」
「いいえ、大公殿下の御力が間に合わなければ私の命は既に失われておりました。殿下の身も危険に晒す事となってしまい私の方こそ申し訳有りません」
「ラーナさん、そんな事で気に病む必要など有りません。元は我が兄上が仕出かした事ですから取り返しが付かなくなる前に助け出す事が出来て本当に良かったわ」
「大公妃様・・・助けて頂いて本当に感謝しております」
リーンの母親ラーナが王に見つかり捕縛され処刑される運びとなった事を知ったリーデガルド前大公夫妻は、ラーナの処刑の寸前に教会の主教ニナに協力して貰い助け出す事に成功した。その場に居た者に気付かれない様に幻惑を掛けると幻のラーナが処刑される様子を見せながら秘かに城から連れ出し屋敷の中で匿ったのだ。
しかし数日前に屋敷の中の物を盗み出して暇を言い渡された使用人が逆恨みから王の側近に密告し事が発覚、明日にも王の家来達が屋敷の中を捜索するとの連絡が入り夫妻はラーナを隠し部屋に移しやり過ごそうとしていたのだった。
「旦那様、大変です!屋敷の大広間に突如ダンジョンの入り口が出現しました」
「何だと!?何でそんな物が急に!」
「ラーナさん、あなたは私と一緒にここに隠れていましょうね。何が有っても私達が守ってみせますから」
リーデガルドは執事に案内され大広間に突如現れたダンジョンの入り口の前までやってきた。
「何々?【ウィルとリーン以外の者は入る事を禁ず】何だこれは!?」
「分かりません、この看板に書かれている通りなのかこの入り口から先に入れる者は居りませんでした」
「私が来る前に危ない真似だけはしないでくれよ、私もこれでも一応騎士だったのだからお前達よりも実戦経験は豊富だ」
そんな事を執事と話していると、ダンジョンの入り口から1人の龍人が頭を出してきた。
「よいしょっと、お邪魔しま~っす」
「ド、ドラゴニュート!?」
「おっと!俺の主がリーデガルド前大公殿下と秘密裏にお会いしたくてこんな形を取らせて頂きました」
現れた龍人はリーデガルドに気付くと跪きながら事の経緯を説明した。
「龍人が主と呼ぶ様な相手に全く検討が付きませんが一体どなたなのですか?」
続いてウィルが未だに気分が悪そうなリーンを肩で支えながら入り口から現れた。
「初めましてリーデガルド前大公殿下、俺の名前はウィルと言います。殿下の人柄についてはメドルさんから伺っております」
「お~メドルの奴と会った事が有るのか!?あいつが私を紹介するのならば貴殿は悪い奴では無さそうだ。今日はどの様なご用件かな?」
「実はここに居る彼女、リーンの母親を殿下が匿っていると知りまして王の手が届く前に救おうと来た次第であります」
「なんと!?そこに居る女性がラーナ殿の娘と言うのか!」
リーデガルドが母の名を呼んだ事でリーンは思わず声を荒げてしまった。
「母さん、母さんは無事なのですか!?」
「ああ、無事だ。こちらへ来なさい」
リーデガルドがリーンを案内しようとした時、ウィルが屋敷を守る為に分身を呼び出した。
「【力の写し身】!歩兵250、弓兵250。屋敷内で分散し屋敷の中へ無理やり入ろうとする者が居れば排除せよ」
リーデガルドの目の前にいきなり現れた光の分身達が一斉に屋敷の中へ散らばっていく。
「これは一体?」
「これは俺が呼び出した分身です、1体1体がステータス最低25万以上持っているのでもう安心ですよ」
「2、25万!?」
驚くリーデガルド前大公を落ち着かせると、リーンの母親の元まで案内して貰う事にした。今まで処刑されていたと思っていたリーンと母親の再会が果たされようとしている。
「ねえタツト、リーンのお母さんが生きているって情報をどこから入手したんだい?」
「それは、言わないといけない事かい?」
「今後のお互いの信頼関係の為でも有るよ、信用出来ないと判断したら完全にダンジョンを壊さないとならないからね」
ウィルが斬光の柄に手を伸ばそうとすると、タツトはわざとらしく降参のポーズをしながら話し出してくれた。
「お~怖い怖い、軽い冗談すら真に受けられそうだ。本来は話すべきじゃないんだが今回は特別だ、ダンジョンには人工的に作り出された物と天上の神が色んな種族の者が新たなる力を得る為に命を賭けて挑む試練の場として作られた物の2種類がある」
「ダンジョンが2種類ある?」
「何者かの手によって作られたか、神の手によって作られたかって意味で捉えても良いかもな。ただし、報酬は後者の方が遥かに良い物が出る」
「イスタブのダンジョンはどちらになるの?」
「イスタブは前者だ、神殿内の迷宮の様な造りを利用して高位の魔族が試しにサイクロプスをダンジョンボスに設定して生み出された物だ。失敗すれば魔脈の暴走を引き起こし暴走が収まるまでモンスターが無限に沸き続ける災厄を招く恐れも有ったから、成功して何よりだった」
なんて恐ろしい事を試す魔族が居たものだ、失敗すれば自分の命も危うかったかもしれないのに。
「まったくだ、そして俺がダンジョンボスを勤めているこのダンジョンは後者になる。神が来る時まで解けない封印を掛けていたのだが、崖崩れで通路の一部が露出した所為で封印が解けてしまった。けれども神が崖崩れ程度で解ける封印を掛けていたとも思えないから、もしかしたらお前が近くに立ち寄った際に封印が解ける様に細工されていたのかもしれないな。そう考えると、俺がウィルの仲間として同行する事になったのは神によって決められた運命だったのかもしれない」
「それじゃあ、ダンジョンの近くの温泉でリーンと一緒に裸の付き合いをしたのも神に決められた運命だったって事なの!?」
スパァァァァン!! リーンに早速ハリセンで頭を叩かれてしまった。
「ウィル・・・そういう事は仲間内でも言うものじゃないわ。分かった?」
「分かりました、ごめんなさい」
「話が逸れてしまったから元に戻すぞ、情報に関する報酬が前者と後者でどれだけ違うかを分かり易く説明すると前者の場合はダンジョン内で起きた出来事に限られる、しかし後者の場合は天上から神が見た事柄の中で許される範囲で有れば何でも与える事が出来るんだ。リーンに関する事で神に与える事を許された情報が母親の生存だったって訳だ」
「なるほど」
リーンの報酬としてタツトが与える事を許した情報がお母さんの生存だったとすれば、俺がもしも情報の報酬を望んだとすればどこまで許されるのだろう?
「ウィル、今自分が報酬で情報を望んだらどこまで教えてくれるのか?っとか考えなかったか?」
「え、何で分かっちゃったの?」
「今、神からウィルも情報の報酬を欲しがっている様だからと思念が届いた」
もしかして神様に俺の考え読まれてる!?
「そこはお前さんの判断に任せるよ、とりあえずウィルに与えるのが許された情報はこれだ。カサッポに居る母親のミラはシェルナーグのギルド所属の冒険者の半数近くによって守られている。指揮をしているのはエシュリーって女性だそうだ」
「え、ジェイクが母ちゃんを守る為に冒険者達を送ったって事!?」
「そういう事になるな、これでお前も心置きなく前に進めるだろう?」
神様に感謝したい気持ちになった、心のどこかでカサッポに居る母ちゃんに迷惑を掛けてしまうかもしれない不安を抱えていたからだ。だがそれも神様がくれた情報のお陰で心配はほとんど無くなった。あとは急いで首都へ向かうだけだ。
「そういえばタツト、このダンジョンの出口ってどれくらい伸ばせるのかな?」
「伸ばそうと思えば、5~6kmは簡単に伸ばせるがそれがどうかしたのか?」
「それは良かった、だったらこれを利用して首都に潜入しよう!」
それから3日後、ウィル達は首都アルストリアの西4km程の場所に在る森の中に居た。
「あれから、何とか3日でここまで来れたね」
「ウィルよ、お前は加減って物をいい加減学べ」
「何かまずい事した?」
「リーンが気を失ったままだろうが!?魔動馬にMPを注ぎ過ぎだ!」
「だって、余計な戦闘とかしたくないじゃん。あのスピードなら誰も追い付けないよ」
「確かにそうかもしれないが・・・それでも何人か検問の衛兵を弾き飛ばしていただろ?」
「ちゃんと『誰か馬を止めてくれ~!?』って叫びながら通過したから、わざとだとはきっと誰も思わないよ」
(そんな訳無いだろ!?)
タツトは思わず言いそうになった言葉を飲み込んだ。
「ねえタツト先日の情報の報酬は凄く俺にとって嬉しい物だったんだけどさ、もう1度別の情報の報酬を貰う事って可能かな?」
「おいおい、お前さんも結構欲深いじゃねえか。1度の情報だけじゃ不足かい?」
「出来ればアルストリア内に居る兵士達と戦う事も避けたいからね。だから、中にどれだけの戦力が居るのか知っておいて潜入する前にある程度の数を陽動しようと思うんだ」
「神様って奴はお前さんにはどうも甘い様だ、思念が届いたからよく聞けよ。中で駐屯している一般の兵士がおよそ5000で並の冒険者も同じく5000だ。それと王直属の騎士団が500とギルド所属の勇者レベルの冒険者は100程居るそうだ。仮に全員召集されれば1万と600が相手になる計算だ」
「ありがとう、じゃあここから近い西門に兵士達を集結してもらうとしよう」
そう言うと、ウィルは【力の写し身】を2回使うと歩兵4000と弓兵4000の計8000を呼び出し西門の手前3kmの地点に布陣させた。
「いきなりこれだけの数が現れれば、それよりも多い数を布陣させようとする筈。布陣させなくてもかなりの数を割かないといけないから首都の中の警護が手薄になるのは確実だ」
「しかし、向こうが先に手を出してきたら一瞬で殲滅してしまわないか?」
「そこは大丈夫、『俺が合図するまで絶対に手を出すな』と最初に指示を出してあるから」
「まあ何度攻撃されようと、お前の分身に傷を付けられる者がアルストリア内の兵士や冒険者の中に居る筈も無いから放っておいて時間稼ぎするには丁度良いか」
タツトはウィルの説明に一応納得した様だった。
「それじゃあ、MAPで場所を確認するからタツトにはこれから2ヶ所ダンジョンの出口を延ばしてもらうからね」
「どこにダンジョンの出口を出そうって言うんだ?」
「リーデガルド前大公のお屋敷と教会の本部の建物の中さ」
ウィルはタツトに面白い悪戯を考え付いた子供の様な笑みを見せていた。
「ラーナ殿、この様な光も射さない狭い部屋の中で過ごさせてしまい心苦しく思うが今少しの間我慢してくだされ」
「いいえ、大公殿下の御力が間に合わなければ私の命は既に失われておりました。殿下の身も危険に晒す事となってしまい私の方こそ申し訳有りません」
「ラーナさん、そんな事で気に病む必要など有りません。元は我が兄上が仕出かした事ですから取り返しが付かなくなる前に助け出す事が出来て本当に良かったわ」
「大公妃様・・・助けて頂いて本当に感謝しております」
リーンの母親ラーナが王に見つかり捕縛され処刑される運びとなった事を知ったリーデガルド前大公夫妻は、ラーナの処刑の寸前に教会の主教ニナに協力して貰い助け出す事に成功した。その場に居た者に気付かれない様に幻惑を掛けると幻のラーナが処刑される様子を見せながら秘かに城から連れ出し屋敷の中で匿ったのだ。
しかし数日前に屋敷の中の物を盗み出して暇を言い渡された使用人が逆恨みから王の側近に密告し事が発覚、明日にも王の家来達が屋敷の中を捜索するとの連絡が入り夫妻はラーナを隠し部屋に移しやり過ごそうとしていたのだった。
「旦那様、大変です!屋敷の大広間に突如ダンジョンの入り口が出現しました」
「何だと!?何でそんな物が急に!」
「ラーナさん、あなたは私と一緒にここに隠れていましょうね。何が有っても私達が守ってみせますから」
リーデガルドは執事に案内され大広間に突如現れたダンジョンの入り口の前までやってきた。
「何々?【ウィルとリーン以外の者は入る事を禁ず】何だこれは!?」
「分かりません、この看板に書かれている通りなのかこの入り口から先に入れる者は居りませんでした」
「私が来る前に危ない真似だけはしないでくれよ、私もこれでも一応騎士だったのだからお前達よりも実戦経験は豊富だ」
そんな事を執事と話していると、ダンジョンの入り口から1人の龍人が頭を出してきた。
「よいしょっと、お邪魔しま~っす」
「ド、ドラゴニュート!?」
「おっと!俺の主がリーデガルド前大公殿下と秘密裏にお会いしたくてこんな形を取らせて頂きました」
現れた龍人はリーデガルドに気付くと跪きながら事の経緯を説明した。
「龍人が主と呼ぶ様な相手に全く検討が付きませんが一体どなたなのですか?」
続いてウィルが未だに気分が悪そうなリーンを肩で支えながら入り口から現れた。
「初めましてリーデガルド前大公殿下、俺の名前はウィルと言います。殿下の人柄についてはメドルさんから伺っております」
「お~メドルの奴と会った事が有るのか!?あいつが私を紹介するのならば貴殿は悪い奴では無さそうだ。今日はどの様なご用件かな?」
「実はここに居る彼女、リーンの母親を殿下が匿っていると知りまして王の手が届く前に救おうと来た次第であります」
「なんと!?そこに居る女性がラーナ殿の娘と言うのか!」
リーデガルドが母の名を呼んだ事でリーンは思わず声を荒げてしまった。
「母さん、母さんは無事なのですか!?」
「ああ、無事だ。こちらへ来なさい」
リーデガルドがリーンを案内しようとした時、ウィルが屋敷を守る為に分身を呼び出した。
「【力の写し身】!歩兵250、弓兵250。屋敷内で分散し屋敷の中へ無理やり入ろうとする者が居れば排除せよ」
リーデガルドの目の前にいきなり現れた光の分身達が一斉に屋敷の中へ散らばっていく。
「これは一体?」
「これは俺が呼び出した分身です、1体1体がステータス最低25万以上持っているのでもう安心ですよ」
「2、25万!?」
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