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第66話 世界の外から見ている者
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「はははははっ!見ろよ、あいつ発情すると竜の鱗さえ素手で引き裂ける様になっているぞ」
『お戯れを、彼と最初に話す時は私も上手く騙せるか凄く心配だったのですよ」
「けど、お前も内心じゃ腹を抱えて笑いそうだったんじゃないのか?」
『それはまあ、そうですけど。付いてきている神達も元の箱庭に戻る為の方法を何度も試そうとしませんし、お人好しばかりなのか間抜け揃いなのかと呆れちゃいましたよ』
「しかし、彼らのお陰でこの箱庭もつまらない世界にならずに済みそうだ。最初から作り直すのも面倒だからな」
『この箱庭の神族達も自分達が創られた存在だとは全く気付いていませんし、だから己が最も優れた種族だと勘違いしているのでしょうね』
「最も優れた種族は、この箱庭の数々を創り出した我々創作者(メイカー)だ。だが我々も今や残るは俺とお前だけ、この箱庭の管理を託すに値する者が現れない限りいずれ全ての箱庭は崩壊するだろうな」
『ありとあらゆる物に神が宿る教えをわざと広めてあげたのに、箱庭を司る神だけは結局現れませんでした。最後の試しとして別の箱庭の者達と交わらせてみる事にしましたが、もしかすると彼は我々の想像を上回ってくれるかもしれませんよ』
それまで時折笑いながら話していた男は急に笑うのを止め、真剣な顔で神守 護を観察する。
「ぜひそうあって欲しいものだ、箱庭の管理をするという事は己の気分次第で世界その物を壊して最初から創り直す事も可能となる。神守 護が創作者の新たな仲間になれるのか、もう少し見ていようか陰?」
『ええ、陽。けれど、もしなれなかった場合は?』
「なれなかった場合は・・・全ての箱庭を結合させ管理を放棄する。我々の存在が消えた後の事まで面倒は見きれないよ」
世界の外でそんな会話がされている事など知る筈の無い、護と天照達はランベリーとの国境まで後数日の所まで近付いていた。
「後もう少しでようやくランベリーか、クロ大変だけど頑張ってくれよ」
「ダイジョウブ、マモルパパ。オレ、ケッコウチカラツイタ。アトハ、ナニカキッカケガアレバ、マタセイチョウデキル」
「クロ、更に大きくなるのか?」
「ワカラナイ、スガタモカワルノカ、ヨソウデキナイ」
(クロがこれ以上大きくなったら、家の中を動き回るのも難しくなりそうだな。もしも大きくなったら家を建て直すか)
護がそんな事を考えていると、天照が先に忠告を言ってきた。
「護、クロがもしも大きくなったら家を建て直そうか考えているようですけど今度からは私達の意見も入れて貰いますから1人で勝手に作らないでくださいね」
「うっ!?何で俺の考えが分かるかな」
「どれだけ傍に居ると思っているのですか、いい加減顔を見るだけで大体予想が付きます」
「じゃあ、今の俺が何を考えているかも分かるって事だよな?」
「ちょっと!私何も悪い事言ってないのに何でお仕置きになるんですか!?みんな、護を止めてください!」
天照は理不尽な護のお仕置きから身を守ろうと助けを求めるが、他の妻達が即答で
「ごめん、無理」
と拒否するので、そのまま寝室に連れて行かれた・・・。
「それにしても・・・レミアがあそこまで強化されるとは思いませんでしたね」
「そうだね、タケミカヅチとラメルが野獣化を護から教わり始めたのも恐ろしかったけどその2人から逆に力を搾り取り始めたレミアは本当にサキュバスそのものだと思った」
「護さんとレミアさん、どちらが強いのでしょうか?」
チィが興味本位でそんな質問をしてみたが、ヤミに注意される。
「ダメだよチィ、それって2人でW不倫するって事何だから!」
スパウダとの戦いが迫ってきているにも関わらず、護達は今日も平和そのものである。
「なあ陰、あのレミアって娘だけど本来は怪のまま死ぬ筈だったよな?」
『確かそうでした、彼に出会った事で死んだ後にラメルの子として転生する運命から外れてしまってますね』
「本来、ラメルと結ばれる筈だった娘はどうなっている?」
『これは・・・残念ながら既に死んでしまった様です、ポロフの村に住んでいたのですが住人が皆殺しに遭っています』
「それは済まない事をした、せめてもの詫びでレミアの代わりにラメルの子として転生させてあげるとしよう」
『本来、夫となる筈の男の子として産まれるのが幸せかどうか分かりませんがそうしておきますね』
陽はしばらくの間、レミアを眺めていたが急に何か思い付いた様に陰に相談し始める。
「あのレミアって娘と神守 護を試しに結ばせてみるのはどうだろうか?」
『確かに面白そうですが、それをするなら箱庭を結合させた後の方が効果的だと思います。もしかしたら、2人の子が我々が居なくなった後にこの場所まで辿り着くかもしれません』
「それよりも先に、2人でここまで来てくれた方が助かるのだがな」
『2人は既に別の相手と結ばれております、両方の相手がその場合障害になりますね』
「それなら、箱庭を結合させる前に事故を装って幾らでも離れさせる事が出来る。もしくは退場してもらう事もね」
箱庭を管理出来る同類を生み出す事に執着するあまり、多くの運命を逆に弄んでいる事に2人は気付いていない。
『そろそろ、また神守 護にとって都合の良い展開が起こる頃合ですね」
「ああ、あの犬の怪が更に成長する。悦んでくれると良いのだが・・・」
『お戯れを、彼と最初に話す時は私も上手く騙せるか凄く心配だったのですよ」
「けど、お前も内心じゃ腹を抱えて笑いそうだったんじゃないのか?」
『それはまあ、そうですけど。付いてきている神達も元の箱庭に戻る為の方法を何度も試そうとしませんし、お人好しばかりなのか間抜け揃いなのかと呆れちゃいましたよ』
「しかし、彼らのお陰でこの箱庭もつまらない世界にならずに済みそうだ。最初から作り直すのも面倒だからな」
『この箱庭の神族達も自分達が創られた存在だとは全く気付いていませんし、だから己が最も優れた種族だと勘違いしているのでしょうね』
「最も優れた種族は、この箱庭の数々を創り出した我々創作者(メイカー)だ。だが我々も今や残るは俺とお前だけ、この箱庭の管理を託すに値する者が現れない限りいずれ全ての箱庭は崩壊するだろうな」
『ありとあらゆる物に神が宿る教えをわざと広めてあげたのに、箱庭を司る神だけは結局現れませんでした。最後の試しとして別の箱庭の者達と交わらせてみる事にしましたが、もしかすると彼は我々の想像を上回ってくれるかもしれませんよ』
それまで時折笑いながら話していた男は急に笑うのを止め、真剣な顔で神守 護を観察する。
「ぜひそうあって欲しいものだ、箱庭の管理をするという事は己の気分次第で世界その物を壊して最初から創り直す事も可能となる。神守 護が創作者の新たな仲間になれるのか、もう少し見ていようか陰?」
『ええ、陽。けれど、もしなれなかった場合は?』
「なれなかった場合は・・・全ての箱庭を結合させ管理を放棄する。我々の存在が消えた後の事まで面倒は見きれないよ」
世界の外でそんな会話がされている事など知る筈の無い、護と天照達はランベリーとの国境まで後数日の所まで近付いていた。
「後もう少しでようやくランベリーか、クロ大変だけど頑張ってくれよ」
「ダイジョウブ、マモルパパ。オレ、ケッコウチカラツイタ。アトハ、ナニカキッカケガアレバ、マタセイチョウデキル」
「クロ、更に大きくなるのか?」
「ワカラナイ、スガタモカワルノカ、ヨソウデキナイ」
(クロがこれ以上大きくなったら、家の中を動き回るのも難しくなりそうだな。もしも大きくなったら家を建て直すか)
護がそんな事を考えていると、天照が先に忠告を言ってきた。
「護、クロがもしも大きくなったら家を建て直そうか考えているようですけど今度からは私達の意見も入れて貰いますから1人で勝手に作らないでくださいね」
「うっ!?何で俺の考えが分かるかな」
「どれだけ傍に居ると思っているのですか、いい加減顔を見るだけで大体予想が付きます」
「じゃあ、今の俺が何を考えているかも分かるって事だよな?」
「ちょっと!私何も悪い事言ってないのに何でお仕置きになるんですか!?みんな、護を止めてください!」
天照は理不尽な護のお仕置きから身を守ろうと助けを求めるが、他の妻達が即答で
「ごめん、無理」
と拒否するので、そのまま寝室に連れて行かれた・・・。
「それにしても・・・レミアがあそこまで強化されるとは思いませんでしたね」
「そうだね、タケミカヅチとラメルが野獣化を護から教わり始めたのも恐ろしかったけどその2人から逆に力を搾り取り始めたレミアは本当にサキュバスそのものだと思った」
「護さんとレミアさん、どちらが強いのでしょうか?」
チィが興味本位でそんな質問をしてみたが、ヤミに注意される。
「ダメだよチィ、それって2人でW不倫するって事何だから!」
スパウダとの戦いが迫ってきているにも関わらず、護達は今日も平和そのものである。
「なあ陰、あのレミアって娘だけど本来は怪のまま死ぬ筈だったよな?」
『確かそうでした、彼に出会った事で死んだ後にラメルの子として転生する運命から外れてしまってますね』
「本来、ラメルと結ばれる筈だった娘はどうなっている?」
『これは・・・残念ながら既に死んでしまった様です、ポロフの村に住んでいたのですが住人が皆殺しに遭っています』
「それは済まない事をした、せめてもの詫びでレミアの代わりにラメルの子として転生させてあげるとしよう」
『本来、夫となる筈の男の子として産まれるのが幸せかどうか分かりませんがそうしておきますね』
陽はしばらくの間、レミアを眺めていたが急に何か思い付いた様に陰に相談し始める。
「あのレミアって娘と神守 護を試しに結ばせてみるのはどうだろうか?」
『確かに面白そうですが、それをするなら箱庭を結合させた後の方が効果的だと思います。もしかしたら、2人の子が我々が居なくなった後にこの場所まで辿り着くかもしれません』
「それよりも先に、2人でここまで来てくれた方が助かるのだがな」
『2人は既に別の相手と結ばれております、両方の相手がその場合障害になりますね』
「それなら、箱庭を結合させる前に事故を装って幾らでも離れさせる事が出来る。もしくは退場してもらう事もね」
箱庭を管理出来る同類を生み出す事に執着するあまり、多くの運命を逆に弄んでいる事に2人は気付いていない。
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