異世界に飛ばされたら守護霊として八百万の神々も何故か付いてきた。

いけお

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第1話 守護霊として付いてきた八百万の神々

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仕事の帰りに歩いていたら突然足元に穴が出来て落ちた、これが元の世界から異世界に飛ばされた経緯である。

「ふざけんな!!そんな理由で異世界に飛ばされてたまるか!?」

神守 護(かんもり まもる)は異世界の門番から飛ばされた経緯を聞いて憤慨した。門番はこの件の当事者では無いが、事の発端は異世界より訪れる者を出迎える門を改修しようとした際に掘った穴がうっかり自分の世界に繋がり埋めようとしてる最中に俺が落ちてきた・・・だそうだ。

「それで改修作業をしていた奴はどこへ行った?1発位殴らせろ」

『今回の件の始末書を書きに戻りました』

「今すぐ呼び戻せ、そして一刻も早く元の世界に帰らせろ」

『私もそうしたいのですが、申し訳有りません。もう元の世界に帰る事は出来ません』

「はい!?」

『あなたが落ちてきたショックで気を失っている間に元の世界に通じていた穴を埋めて塞いでしまっているのです」

「なら、もう1度穴を掘れ。そして元の世界と繋げろ」

『あなたの世界と繋がったのも本当に偶然で方法も不明です、完全にイレギュラーの形となりますがこちらの世界で残りの人生を過ごしてもらえませんか?』

「そんな簡単に元の世界に帰る選択を捨てられると思っているのか?」

『不手際のお詫びとしてこちらの世界で生きていく為に少しでも助けになる様、あなたが落ちてきた際に一緒に付いてきた守護霊の方々と会話したりその力を借りる事が出来る様に致します』

「それって本当に役に立つのか!?ちなみにこちらの世界ではどんな生き物が居るんだ?」

門番はどう言って良いものか悩んでいたが、しばらく考えた末にようやく口を開いた。

『こちらの世界では、人族・獣族・妖精族・神族・魔族・竜族の6つが大まかな種族として存在しています。そして、それぞれの種族の者達の混血として亜種の子らも大勢居ます。先程あなたの知識に触れさせて頂きましたが、そちらの世界でいうモンスターと呼ばれている者はこちらの世界でも先に述べた6つの種族を無差別に襲い掛かる為共通の敵として認識されています』

「ファンタジーの世界は遠慮したかったんだがモンスターも当然存在するのか。なら、やっぱり魔法とかも有る訳?」

『呼び名はバラバラですが同じ様な物が有りますね、身体の中で眠っている気を使い火を起こしたり風を吹かせたりしています。人族は操気術・獣族は獣気法・妖精族は妖術・神族は神術・魔族は魔術・竜族は龍気と呼ぶのが一般的ですが結局やっている事は一緒なので気にしなくて大丈夫ですよ』

「いや、気にするよ。それは俺でも覚えて使える代物なのか?」

『はい使えますよ、気はどの世界に住む住人でも持つ生命の根源。持つ量に多少の差は有りますが普通に生活する分には何の支障も無い筈です』

「あとは言葉が通じるか心配なんだよな・・・」

『今、私と普通に会話しているから問題無いと思いますよ。こちらの世界の標準語はそちらの世界でいう日本語にかなり似ていますので』

「こういう場合だと、よく言語理解とか万能言語みたいなスキルが身に付いたりするんだがそれ以上のご都合主義だな」

『会話が成立せずに何も出来ず、この門の前で餓死する結果にならなかっただけ良かったと思いましょう』

「ああ、そう思う事にするよ。ところでさっき言っていた俺の守護霊とやらとは今この場で話が出来るのか?」

『この場ではまだ会話は出来ません、目の前にある門を潜りこちらの世界に立てば徐々に姿も見える様になると思います』

「こちらの世界のどこに出るんだ?」

『それは無作為に選ばれます、ただし海中とか空中に放り出される心配は無いのでご安心を』

「そんな事されたらその時点であの世行きだ!恨みながら死ぬぞ絶対に」

『おっと!出来るなら恨む等の言葉は控えてくださいね。強い負の感情を持ったまま死んだ者達がモンスターと化すので・・・』

「そうなのか、気を付ける様にするよ。じゃあ、とりあえずそこの門を潜れば良いんだな?」

『最初はウサギなどを捕らえて物々交換をしていくと良いでしょう。そして少しずつお金を得る事が出来れば家も買って生活していけると思います』

「どんな生活になるか分からないがとりあえず何とかやってみるよ、そちらも門番の仕事頑張れよ」

『はい、もう会う事は無いと思いますがお元気で』

門番に別れを済ませると門をゆっくり開け中に入る、暗闇が続く中視線の先に光が見え始めその光の中に進むと急に視界が開けて俺は1人森の中で立っていた。

「ここが・・・異世界なのか!?」

周りに話す相手など居ないのに思わず声に出してしまった。すると・・・

(その様だね、初めて見る世界だから自分もドキドキだよ)

隣で声がするので振り向こうとすると、右肩の辺りに神主みたいな格好をした半透明の青年が浮かんでいた。

「誰だお前は!?」

(誰だとは失礼だな、ボクの名は天照。八百万の神々をまとめている者だ)

「天照ってもしかして天照大神の事?」

(そうだよ。君がこちらの世界に落ちたので心配になって皆で様子を見にきたら穴を塞がれて自分達まで帰れなくなっちゃったし仕方ないから君の守護霊として生きていく事にした)

「皆で?」

(お~い!みんな~!彼、ボクの話を信用してない様だから1度姿を見せてあげてくれないか?)

天照を名乗る青年が呼びかけると、目の前に尋常ではない数の半透明の方々が姿を現した。もしかして、もしかしなくてもこの人達全員が俺の守護霊になったの!?

(改めて初めまして、神守 護君。我々も元の世界に帰れなくなったので君の守護霊として一緒にいさせて欲しい)

突然目の前に現れた神々を見て、俺はショックで気を失いそのまま森の中で倒れてしまうのだった。
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