31 / 33
30話目 ステラ VS 七海(2)
しおりを挟む
「拓真ッ!」
俺に詰め寄ってくる七海。
そして、俺の肩を掴むと前後に強く揺さぶってくる。
「ステラ! あまり、妹を焚きつけないでくれ」
「そんなこと、私の知った事ではありませんわ。そもそも妹ですよね? 妹が兄に対して恋情を抱くことこそ、そもそも間違いではありませんこと?」
「拓真と私は、血は繋がっていないもの! 他人だからっ!」
「――た、他人……」
思わずショックを受ける。
「――ち、違うの! 拓真っ! えっと血は繋がってないからって! そうじゃなくて――。あー、もうっ! ねええ! 戻ってきてよ!」
「それは出来ない」
「どうして!」
「どうしても何も、叔父さんと叔母さんに、何て言えばいいんだ? 散々、世話になったんだから。もう少し、兄妹として生きてきたことを考慮に入れてくれ」
「絶対に嫌ッ!」
「本当に我儘な子ですね」
ステラが、深く溜息をつく。
そんなステラを見ながらも、俺はステラが静かにしておいてくれれば、ここまで七海が暴走する事はなかったのにと、心の中で思わす毒づく。
「貴女には言われたくないわ」
七海が噛みつく。
物理的ではなく言動的に。
「まったく、仕方ない人ね。好きな人に迷惑をかけるなんて」
その発言、完全にブーメランだぞ? ステラ。
まぁ、ステラが俺を本当に好きかどうかは分からないが。
「――と、とにかくだ! ステラは、隣に戻ってってくれ。これ以上、ややこしくなるとあれだから」
「……どうして?」
「――いや、だから……。こういうのは兄と妹で会話して解決するのが良いと――」
「それが出来ないから、彼女は旦那様を追いかけてきたのではなくて?」
「――うっ」
あまりにも的を射た発言に俺は言葉に詰まるが――、ステラは立ち上がると流し台にティーカップを戻したあと、「それじゃ、また来るわね」と、ベランダから隣の部屋に戻っていく。
「え? え? え?」
俺の部屋のベランダから出ていくステラの後ろ姿。
それを見ていた七海と言えば困惑した表情。
ステラが出ていき、しばらく固まっていた七海は、
「ど、どどどど、どういうことなの? 拓真!」
「どういうことと言われても――」
「どうして! あんな女が、拓真の部屋のベランダから出ていくのよ!」
「あんな女とか言うな。ステラって名前がある」
「ステラって……。どうして名前で呼ぶのよ! どうして……、どうして……」
なんで、そんなに泣きそうな目で上目遣いに俺を見てくるんだ。
「拓真のことを旦那様って呼ぶのよ!」
「まぁ、それは色々とあって――」
本当のことを言ったら社会的に死亡してしまうので、そのことを口にすることはできないし、説明もできない。
「そんなに私に言えないことなの?」
「……」
無言になる俺。
なんて説明していいのか分からないので、無言になるのは仕方ない。
俺に詰め寄ってくる七海。
そして、俺の肩を掴むと前後に強く揺さぶってくる。
「ステラ! あまり、妹を焚きつけないでくれ」
「そんなこと、私の知った事ではありませんわ。そもそも妹ですよね? 妹が兄に対して恋情を抱くことこそ、そもそも間違いではありませんこと?」
「拓真と私は、血は繋がっていないもの! 他人だからっ!」
「――た、他人……」
思わずショックを受ける。
「――ち、違うの! 拓真っ! えっと血は繋がってないからって! そうじゃなくて――。あー、もうっ! ねええ! 戻ってきてよ!」
「それは出来ない」
「どうして!」
「どうしても何も、叔父さんと叔母さんに、何て言えばいいんだ? 散々、世話になったんだから。もう少し、兄妹として生きてきたことを考慮に入れてくれ」
「絶対に嫌ッ!」
「本当に我儘な子ですね」
ステラが、深く溜息をつく。
そんなステラを見ながらも、俺はステラが静かにしておいてくれれば、ここまで七海が暴走する事はなかったのにと、心の中で思わす毒づく。
「貴女には言われたくないわ」
七海が噛みつく。
物理的ではなく言動的に。
「まったく、仕方ない人ね。好きな人に迷惑をかけるなんて」
その発言、完全にブーメランだぞ? ステラ。
まぁ、ステラが俺を本当に好きかどうかは分からないが。
「――と、とにかくだ! ステラは、隣に戻ってってくれ。これ以上、ややこしくなるとあれだから」
「……どうして?」
「――いや、だから……。こういうのは兄と妹で会話して解決するのが良いと――」
「それが出来ないから、彼女は旦那様を追いかけてきたのではなくて?」
「――うっ」
あまりにも的を射た発言に俺は言葉に詰まるが――、ステラは立ち上がると流し台にティーカップを戻したあと、「それじゃ、また来るわね」と、ベランダから隣の部屋に戻っていく。
「え? え? え?」
俺の部屋のベランダから出ていくステラの後ろ姿。
それを見ていた七海と言えば困惑した表情。
ステラが出ていき、しばらく固まっていた七海は、
「ど、どどどど、どういうことなの? 拓真!」
「どういうことと言われても――」
「どうして! あんな女が、拓真の部屋のベランダから出ていくのよ!」
「あんな女とか言うな。ステラって名前がある」
「ステラって……。どうして名前で呼ぶのよ! どうして……、どうして……」
なんで、そんなに泣きそうな目で上目遣いに俺を見てくるんだ。
「拓真のことを旦那様って呼ぶのよ!」
「まぁ、それは色々とあって――」
本当のことを言ったら社会的に死亡してしまうので、そのことを口にすることはできないし、説明もできない。
「そんなに私に言えないことなの?」
「……」
無言になる俺。
なんて説明していいのか分からないので、無言になるのは仕方ない。
応援ありがとうございます!
20
お気に入りに追加
23
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる