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8話目 同居人との夕飯の買い出し
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後ろ姿は、女性特有の身体つきのラインであり、妹以外と殆ど女性との接点が無かった俺としては思うところがあった。
「結構、綺麗にしているのね」
部屋の中に入ってきたエトワールさんは、室内を見渡すと、そう口にすると俺の折りたたみベッドの上に座った。
「綺麗というか、掃除したばかりだからな。昨日」
「そうなの?」
まぁ、作家をしていると色々とあるからな。
ほら、締め切りが近いと思わず部屋の掃除をするみたいな。
「まぁ、色々とあってな。それよりもエトワールさんは、夕食は食べたのか?」
「ステラでいいわ。一週間、この部屋でお世話になるから。エトワールだとファミリーネームだし、名前長いから」
「そっか。――なら俺のことは――」
「星空君ね」
「――お、おう……」
「夕食は、まだ食べてないわ。警察署? みたいなところで色々と聞かれたし、花道さんと話をしていたから」
「そっか」
そうなると、テキトーに何か作るか。
買い置きしている食い物ならあるし。
「ステラさん? そしたら、カップラーメンとか食べられますか?」
「カップラーメンって、インスタントのことよね?」
「そうですね」
「あっ! そしたら私! 何か作ります!」
「何か?」
「こう見えても料理は花嫁修業してきましたので!」
「はなよ?」
「――い、いえ! 何でもありません! それよりも冷蔵庫の中を見せてもらってもいいですか?」
「構いませんけど?」
ステラさんは、台所にいくと冷蔵庫の中を確認し一瞬固まったかと思うとジト目で俺の方へと視線を向けてくる。
「星空君」
「はい」
「食材は?」
「ないですね」
カップラーメンのトッピングのメンマとか、半熟卵なら入っているが。
「そしたら何か買いに行きますか」
「はい!」
時間をチラリと見る。
午後7時半。
時間的には、まだ営業しているか。
「それなら、勝浦駅前のドラッグストアに行きますか」
もう、この時間帯だと残っているのはコンビニくらいなモノだ。
そしてコンビニは高い。
なので、とりあえずドラッグストアに行くとしよう。
「あ!」
玄関へと向かおうとしたステラが足を止めて俺の方へと向き直る。
「少し待っていてください! あと、ベランダお借りします!」
部屋を通り抜け、ベランダに出るステラ。
そして姿を消し――、隣のアパート部屋から何かガサゴソと音が聞こえてくる。
それからしばらくして、ステラが姿を見せた。
黒いワンピースを着たステラ。
それはさながらお人形のように綺麗であった。
「星空さん、お待たせしました!」
「……」
「星空さん?」
「ごほっ! ごほっ!」
思わず咳き込む。
容姿が整っていると思ってはいたが、ロリータのようなワンピースを着ると本当に凄まじく美少女になるなとシミジミと思う。
「えっと、すいません。ちょっと――」
綺麗過ぎて驚きました! とは言えないので、言葉尻りは濁す。
「いえ、それよりも買い物に――」
「そうですね」
そこでハッ! と、なって時間を確認する。
時刻は午後8時少し過ぎ。
アパートからだと勝浦駅前までは15分くらいかかるから、急いで出た方がいいだろう。
ステラさんと一緒にアパートを出る。
外は、夜の帳が落ちていてすっかり闇夜に包まれていた。
彼女と共に無言で歩き、勝浦駅前のドラッグストアに着く。
「日本は、スーパーが遅くまでやっているのですね」
ステラが興味深々と言った様子で、ドラッグストアの照らされている看板を見て呟いている。
「結構、綺麗にしているのね」
部屋の中に入ってきたエトワールさんは、室内を見渡すと、そう口にすると俺の折りたたみベッドの上に座った。
「綺麗というか、掃除したばかりだからな。昨日」
「そうなの?」
まぁ、作家をしていると色々とあるからな。
ほら、締め切りが近いと思わず部屋の掃除をするみたいな。
「まぁ、色々とあってな。それよりもエトワールさんは、夕食は食べたのか?」
「ステラでいいわ。一週間、この部屋でお世話になるから。エトワールだとファミリーネームだし、名前長いから」
「そっか。――なら俺のことは――」
「星空君ね」
「――お、おう……」
「夕食は、まだ食べてないわ。警察署? みたいなところで色々と聞かれたし、花道さんと話をしていたから」
「そっか」
そうなると、テキトーに何か作るか。
買い置きしている食い物ならあるし。
「ステラさん? そしたら、カップラーメンとか食べられますか?」
「カップラーメンって、インスタントのことよね?」
「そうですね」
「あっ! そしたら私! 何か作ります!」
「何か?」
「こう見えても料理は花嫁修業してきましたので!」
「はなよ?」
「――い、いえ! 何でもありません! それよりも冷蔵庫の中を見せてもらってもいいですか?」
「構いませんけど?」
ステラさんは、台所にいくと冷蔵庫の中を確認し一瞬固まったかと思うとジト目で俺の方へと視線を向けてくる。
「星空君」
「はい」
「食材は?」
「ないですね」
カップラーメンのトッピングのメンマとか、半熟卵なら入っているが。
「そしたら何か買いに行きますか」
「はい!」
時間をチラリと見る。
午後7時半。
時間的には、まだ営業しているか。
「それなら、勝浦駅前のドラッグストアに行きますか」
もう、この時間帯だと残っているのはコンビニくらいなモノだ。
そしてコンビニは高い。
なので、とりあえずドラッグストアに行くとしよう。
「あ!」
玄関へと向かおうとしたステラが足を止めて俺の方へと向き直る。
「少し待っていてください! あと、ベランダお借りします!」
部屋を通り抜け、ベランダに出るステラ。
そして姿を消し――、隣のアパート部屋から何かガサゴソと音が聞こえてくる。
それからしばらくして、ステラが姿を見せた。
黒いワンピースを着たステラ。
それはさながらお人形のように綺麗であった。
「星空さん、お待たせしました!」
「……」
「星空さん?」
「ごほっ! ごほっ!」
思わず咳き込む。
容姿が整っていると思ってはいたが、ロリータのようなワンピースを着ると本当に凄まじく美少女になるなとシミジミと思う。
「えっと、すいません。ちょっと――」
綺麗過ぎて驚きました! とは言えないので、言葉尻りは濁す。
「いえ、それよりも買い物に――」
「そうですね」
そこでハッ! と、なって時間を確認する。
時刻は午後8時少し過ぎ。
アパートからだと勝浦駅前までは15分くらいかかるから、急いで出た方がいいだろう。
ステラさんと一緒にアパートを出る。
外は、夜の帳が落ちていてすっかり闇夜に包まれていた。
彼女と共に無言で歩き、勝浦駅前のドラッグストアに着く。
「日本は、スーパーが遅くまでやっているのですね」
ステラが興味深々と言った様子で、ドラッグストアの照らされている看板を見て呟いている。
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