29 / 37
番外編
放課後
しおりを挟む
中学時代。
俺の友人で、サッカーをしている奴がいる。竹波健一という。その友人に声をかけられた。
「なあ、今度の試合見にきてよ!」
「南嵐中学だっけ?」
健一は、北斗中学サッカー部のエースストライカーだ。
「ああ、ハルキも俺の勇姿を見に来いよな!」
友人の頼みなら断れないよな。
「ああ、行くよ。俺が応援するんだから勝てよな!」
「よっしゃっ!絶対勝つからな!」
そうして誘われて行ったその試合は、相手チームに凄い奴が何人もいて、頑張ったが得点に差が開き、相手チームの勝利に終わった。
「ああ!くそっ!彼処でパスを出せていたらっ!」
悔しい。と呟く彼を、俺はその時どの様に慰めたっけ。
「‥‥。」
懐かしい夢を見ていた様な、そんな心地で目が覚めた。因みに今は授業中だ。
昼休憩後の午後の授業は眠気を誘う。
目を擦り、先生にバレない様にあくびを噛み殺す。
授業の内容と黒板に書き込まれる音が心地良くまた眠気へと誘われる。
そんな午後の風景。
俺は微睡みながらも、夢で見たその当時の記憶を思い出した。
その相手チームに、大上がいた様な気がする。
(いや、いくら何でも気の所為だろ‥。)
気の所為だと思えば思う程に、その人物が大上であると思う程に似ている。
(大上の出身中学って、何処だっけ‥?)
そんな感じで、授業中は上の空だった。
ー放課後ー
授業が終わり、帰りのホームルームも終わり、教室には部活に行く者、帰り支度をしている者や友人と談笑している者もいる。
そんな中、俺は後ろの席の大上に声を掛けようか悩んでいた。
(まさか、出身中学が気になって仕方ないなんて言えないよな‥。)
大上は、春樹を番にしようとしている。そんな奴に、剰え声を掛けるのは躊躇われる。
(うー‥ん、でも気になるし‥?でも
な~‥。)
そうやって、うんうん悩んでいるのは、周りから見ればとても滑稽に映るだろう。
「どうした?」
「んえっ?!」
大上から声をかけられ変な声が出てしまった。
「いや、いやいやなんでもない!」
「何でもないは無いだろ。」
思い切り手を振り何でも無いとアピールをするが、大上には効かなかった。溜息までされてしまう。
「‥そんな顔して見つめられると襲いたくなるだろう。」
「そんな顔ってどんな顔だよ。」
思わずツッコミを入れてしまう。大上は変な奴だと思う。何時も愛を囁いてくるし距離も近い。今も、俺は机と大上に挟まれている状態だ。
「近い近い!」
ぐいぐい来る大上を押して退かそうとするが更に机と挟まれた状態になった。
「ん、照れてる?可愛い‥。」
「‥頭湧いてんの?」
何時も愛を囁かれ、臭い台詞を聞かされて動じなくなってきた。
「なんだ。何時もの照れた反応はないんだな。」
残念そうに言う大上に蹴りをお見舞いしたい。
「もう、帰るんだから退けよ。」
相手をするのも疲れてくる。
「ん。」
大上は、退くと同時に俺の唇に軽くキスをした。
「じゃあな、また明日。」
「~~っ!」
言い逃げの様に去っていく大上に、俺は何も言えずにそのまま、机にしがみ付いてしまった。
「~なんなんだよ、もう‥。」
恥ずかしくて、顔を机から離せない。
そうして俺は、顔の紅みが引くまで、そのままの姿勢になっていた。
俺の友人で、サッカーをしている奴がいる。竹波健一という。その友人に声をかけられた。
「なあ、今度の試合見にきてよ!」
「南嵐中学だっけ?」
健一は、北斗中学サッカー部のエースストライカーだ。
「ああ、ハルキも俺の勇姿を見に来いよな!」
友人の頼みなら断れないよな。
「ああ、行くよ。俺が応援するんだから勝てよな!」
「よっしゃっ!絶対勝つからな!」
そうして誘われて行ったその試合は、相手チームに凄い奴が何人もいて、頑張ったが得点に差が開き、相手チームの勝利に終わった。
「ああ!くそっ!彼処でパスを出せていたらっ!」
悔しい。と呟く彼を、俺はその時どの様に慰めたっけ。
「‥‥。」
懐かしい夢を見ていた様な、そんな心地で目が覚めた。因みに今は授業中だ。
昼休憩後の午後の授業は眠気を誘う。
目を擦り、先生にバレない様にあくびを噛み殺す。
授業の内容と黒板に書き込まれる音が心地良くまた眠気へと誘われる。
そんな午後の風景。
俺は微睡みながらも、夢で見たその当時の記憶を思い出した。
その相手チームに、大上がいた様な気がする。
(いや、いくら何でも気の所為だろ‥。)
気の所為だと思えば思う程に、その人物が大上であると思う程に似ている。
(大上の出身中学って、何処だっけ‥?)
そんな感じで、授業中は上の空だった。
ー放課後ー
授業が終わり、帰りのホームルームも終わり、教室には部活に行く者、帰り支度をしている者や友人と談笑している者もいる。
そんな中、俺は後ろの席の大上に声を掛けようか悩んでいた。
(まさか、出身中学が気になって仕方ないなんて言えないよな‥。)
大上は、春樹を番にしようとしている。そんな奴に、剰え声を掛けるのは躊躇われる。
(うー‥ん、でも気になるし‥?でも
な~‥。)
そうやって、うんうん悩んでいるのは、周りから見ればとても滑稽に映るだろう。
「どうした?」
「んえっ?!」
大上から声をかけられ変な声が出てしまった。
「いや、いやいやなんでもない!」
「何でもないは無いだろ。」
思い切り手を振り何でも無いとアピールをするが、大上には効かなかった。溜息までされてしまう。
「‥そんな顔して見つめられると襲いたくなるだろう。」
「そんな顔ってどんな顔だよ。」
思わずツッコミを入れてしまう。大上は変な奴だと思う。何時も愛を囁いてくるし距離も近い。今も、俺は机と大上に挟まれている状態だ。
「近い近い!」
ぐいぐい来る大上を押して退かそうとするが更に机と挟まれた状態になった。
「ん、照れてる?可愛い‥。」
「‥頭湧いてんの?」
何時も愛を囁かれ、臭い台詞を聞かされて動じなくなってきた。
「なんだ。何時もの照れた反応はないんだな。」
残念そうに言う大上に蹴りをお見舞いしたい。
「もう、帰るんだから退けよ。」
相手をするのも疲れてくる。
「ん。」
大上は、退くと同時に俺の唇に軽くキスをした。
「じゃあな、また明日。」
「~~っ!」
言い逃げの様に去っていく大上に、俺は何も言えずにそのまま、机にしがみ付いてしまった。
「~なんなんだよ、もう‥。」
恥ずかしくて、顔を机から離せない。
そうして俺は、顔の紅みが引くまで、そのままの姿勢になっていた。
34
あなたにおすすめの小説
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】αに不倫されて離婚を突き付けられているけど別れたくない男Ωの話
雷尾
BL
本人が別れたくないって言うんなら仕方ないですよね。
一旦本編完結、気力があればその後か番外編を少しだけ書こうかと思ってます。
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
運命よりも先に、愛してしまった
AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。
しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、
2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。
その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。
オメガの復讐
riiko
BL
幸せな結婚式、二人のこれからを祝福するかのように参列者からは祝いの声。
しかしこの結婚式にはとてつもない野望が隠されていた。
とっても短いお話ですが、物語お楽しみいただけたら幸いです☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる