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災いは何でもない事から発覚する
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ドラゴニルス
龍と人間との共存を訴えてはいるが、真実は龍の力を欲し、人間こそが龍を使役する事こそ正しいと考える、今では根強い宗教感を持っている集団である。
何よりも注意すべきは、人間が束になっても敵わない龍を使役する龍の姫巫女こそが、自分達の宗教理念の形であるとし崇拝対象として崇めている事にある。
ーーーーー
短い情報に目を通したディミトリオ・ハクヤは、大きな溜息を吐きながら書類を放り投げた。
そして気遣う様にリリィに視線を送る。
侵入者を収監していた地下牢から戻って来た一行は、皇帝の執務室に集まっていた。
侵入者の正体を見破ったラザロ・ウィットヴィルに怯えていたリリィであったが、“ドラゴニルス”の名を聞けば嫌悪感に包まれていた。
今も今とて不機嫌そうな顔で白銀の龍・ルーチェの頭を撫でている。
「ドラゴニルスは、その教義故に折に触れて帝国内で問題を起こして来ました。
まさか、王宮まで侵入を許していたとは思いませんでした。」
宰相フィリックス・ガルシアの言葉に皇帝ファヴィリエ・ルカは渋い顔で頷いた。
「恐らく、歴代の皇帝の治世が乱れた時を狙っていたのだろう。
本当に碌でもないな。我が先祖達は・・・。」
父と思っていた先帝を含めた歴代の皇帝を苦々しく思うファヴィリエ・ルカは、まだマシなのだろう。
「ドラゴニルスに後宮の情報が筒抜けだった事は明白です。
奴等らは、あくまでも犯罪集団であり、完全に我が国と関係がありません。
厳重なる抗議すら出来ないのが現状です。」
フィリックスの言葉にリリィが眉間の皺を深くした。
それに気づいたディミトリオ・ハクヤが近づき彼女の肩を優しく撫でた。
「見逃すわけじゃない。
攻撃するにも準備が必要なんだ。」
「・・・分かってるわ。
それでも、ムカつく事には変わりないもの。
ドラゴニルスって何?龍はドラゴンとは全く別なのよ。
互いに知性はあるし希少で素晴らしい存在だけれど、体型だって違うしドラゴンは翼があるけれど龍にはないもの。
それに、私は龍を使役していわけではないわ!
友達なのよ・・・。」
悲しそうにルーチェに顔を埋めるリリィの頭をディミトリオ・ハクヤは撫でた。
「分かっている。
リリィと龍が互いに大切に思っている事は私は理解しているよ。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉にリリィはルーチェに纏わり付いたまま無言で頷いた。
すると、それまで黙っていたルーチェが首をもたげて一同を見渡した。
『かつて龍が人間達に怒り、見放した事は知っているよね?
その一番のキッカケは知っている?』
ファヴィリエ・ルカは重々しく頷いた。
「龍王島より人間達が龍の子を攫い、自分達の利益の為に酷使したと聞いています。」
ルーチェは静かに頷いた。
『そう。
龍はね。神から遣わされた心清い生き物なんだ。
一度、心の器を濁らし真っ黒に染めてしまうと、心は壊れ“黒龍”として呪詛の塊となり、厄災となる。
あの時、酷使された幼い龍は“黒龍”となってしまい世界中に災禍をもたらした。
その時に龍を捕まえ使役した者達の生き残りがドラゴニルスの始まりだ。
奴等は我々にとって憎き相手なんだよ。』
ルーチェの言葉に皇帝の執務室は重苦しい空気を纏うのだった。
龍と人間との共存を訴えてはいるが、真実は龍の力を欲し、人間こそが龍を使役する事こそ正しいと考える、今では根強い宗教感を持っている集団である。
何よりも注意すべきは、人間が束になっても敵わない龍を使役する龍の姫巫女こそが、自分達の宗教理念の形であるとし崇拝対象として崇めている事にある。
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短い情報に目を通したディミトリオ・ハクヤは、大きな溜息を吐きながら書類を放り投げた。
そして気遣う様にリリィに視線を送る。
侵入者を収監していた地下牢から戻って来た一行は、皇帝の執務室に集まっていた。
侵入者の正体を見破ったラザロ・ウィットヴィルに怯えていたリリィであったが、“ドラゴニルス”の名を聞けば嫌悪感に包まれていた。
今も今とて不機嫌そうな顔で白銀の龍・ルーチェの頭を撫でている。
「ドラゴニルスは、その教義故に折に触れて帝国内で問題を起こして来ました。
まさか、王宮まで侵入を許していたとは思いませんでした。」
宰相フィリックス・ガルシアの言葉に皇帝ファヴィリエ・ルカは渋い顔で頷いた。
「恐らく、歴代の皇帝の治世が乱れた時を狙っていたのだろう。
本当に碌でもないな。我が先祖達は・・・。」
父と思っていた先帝を含めた歴代の皇帝を苦々しく思うファヴィリエ・ルカは、まだマシなのだろう。
「ドラゴニルスに後宮の情報が筒抜けだった事は明白です。
奴等らは、あくまでも犯罪集団であり、完全に我が国と関係がありません。
厳重なる抗議すら出来ないのが現状です。」
フィリックスの言葉にリリィが眉間の皺を深くした。
それに気づいたディミトリオ・ハクヤが近づき彼女の肩を優しく撫でた。
「見逃すわけじゃない。
攻撃するにも準備が必要なんだ。」
「・・・分かってるわ。
それでも、ムカつく事には変わりないもの。
ドラゴニルスって何?龍はドラゴンとは全く別なのよ。
互いに知性はあるし希少で素晴らしい存在だけれど、体型だって違うしドラゴンは翼があるけれど龍にはないもの。
それに、私は龍を使役していわけではないわ!
友達なのよ・・・。」
悲しそうにルーチェに顔を埋めるリリィの頭をディミトリオ・ハクヤは撫でた。
「分かっている。
リリィと龍が互いに大切に思っている事は私は理解しているよ。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉にリリィはルーチェに纏わり付いたまま無言で頷いた。
すると、それまで黙っていたルーチェが首をもたげて一同を見渡した。
『かつて龍が人間達に怒り、見放した事は知っているよね?
その一番のキッカケは知っている?』
ファヴィリエ・ルカは重々しく頷いた。
「龍王島より人間達が龍の子を攫い、自分達の利益の為に酷使したと聞いています。」
ルーチェは静かに頷いた。
『そう。
龍はね。神から遣わされた心清い生き物なんだ。
一度、心の器を濁らし真っ黒に染めてしまうと、心は壊れ“黒龍”として呪詛の塊となり、厄災となる。
あの時、酷使された幼い龍は“黒龍”となってしまい世界中に災禍をもたらした。
その時に龍を捕まえ使役した者達の生き残りがドラゴニルスの始まりだ。
奴等は我々にとって憎き相手なんだよ。』
ルーチェの言葉に皇帝の執務室は重苦しい空気を纏うのだった。
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