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龍の姫巫女の嗜み
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「だぁぁぁぁぁ!!
終わったぁ。」
吹き抜けの書庫を関係させたリリィが淑女らしくない雄叫びを上げた。
壁一面に作り上げた本棚は今は空っぽだ。
窓枠を避けて作ってあるので、太陽の日差しも差し込んでくる。
満足のいく出来に微笑むリリィは概要が出来上がってきた執務室を見渡した。
「あとは、ミニキッチンと装飾ね。
ルーチェ達の拠り所も用意しないと。」
執務室を楽しそうにフヨフヨと観察しているルーチェとカシャに目をやるとリリィは目を細めて微笑んだ。
「言われた物は用意してきたぞ。
休憩だ。
降りておいで。」
声をかけられ下を覗くとコテツが手招きをしている。
「はーい!
今日は色んなお菓子を用意してあるのよ。」
「もう、ジュディにガトーショコラを頼んでおいた。」
「本当にコテツはチョコレートが好きね。
まぁ、良いわ。」
リリィが笑いながら降りていくと、丁度良くワゴンを運ぶジュディが離宮に繋がる扉を潜り抜けてくるところだった。
「お待たせ致しました。
ご用意してきました。
テーブルを片付けて下さい。」
今だに主人を前に緊張するロメオと違いジュディは慣れたもので、先輩であるコテツも主人であるリリィも使う。
そんなジュディには2人も満足していて、設計図などで散らかったテーブルをそそくさと片付け始めた。
「ロメオ。
紅茶の淹れ方は教えてもらいましたね?」
「練習中です。」
「いらっしゃい。
リリィ様に淹れて差し上げて。」
「えっ?僕がですか?」
ジュディの提案に驚くロメオはワタワタとした。
「だって、実践での練習が1番身につくんだから。
リリィ様、良いですよね?」
淡々と準備を進めるジュディに苦笑しながらもリリィは頷いた。
「良いよ。
ロメオ。何事も経験よ。
失敗したっていいの。
いつか美味しい紅茶を淹れるられる様になる為に今があるのだから。」
「はい!」
ロメオはジュディの元に行くと、習った様に紅茶の準備をしていく。
それをジュディが助言している光景にリリィは楽しそうに見守った。
「ジュディは適応してきたか。」
「そうね。
それでも一度、扉を出て人前に出れば普通の侍女に戻るから優秀よね。」
「頭の良い子だ。
アリスは?」
「ローラと一緒に装飾の手配をしてくれてるわ。
執務机はハクヤが選んでくれたの。
クレイも一緒に手伝ってくれているわ。」
姿の見えない相棒の仕事を聞き、コテツは頷いた。
「ガルシア宰相が皇妃に必要な書物や書簡を、この部屋に入れる時期を教えて欲しいと言っていたぞ。
重要書類もあるから、しっかりと準備したいんだそうだ。」
「分かったわ。
書庫は出来上がったから、後は家具と装飾、それと龍の拠り所を準備するくらいね。
ミニキッチンなんていつでも出来るから問題ないわ。」
がらんとした部屋であるが、徐々に完成に近づいている。
「龍の拠り所なんだがな。
頼まれていた物が届いたぞ。」
コテツが指差す先にあった木箱を見てリリィはニッコリとした。
終わったぁ。」
吹き抜けの書庫を関係させたリリィが淑女らしくない雄叫びを上げた。
壁一面に作り上げた本棚は今は空っぽだ。
窓枠を避けて作ってあるので、太陽の日差しも差し込んでくる。
満足のいく出来に微笑むリリィは概要が出来上がってきた執務室を見渡した。
「あとは、ミニキッチンと装飾ね。
ルーチェ達の拠り所も用意しないと。」
執務室を楽しそうにフヨフヨと観察しているルーチェとカシャに目をやるとリリィは目を細めて微笑んだ。
「言われた物は用意してきたぞ。
休憩だ。
降りておいで。」
声をかけられ下を覗くとコテツが手招きをしている。
「はーい!
今日は色んなお菓子を用意してあるのよ。」
「もう、ジュディにガトーショコラを頼んでおいた。」
「本当にコテツはチョコレートが好きね。
まぁ、良いわ。」
リリィが笑いながら降りていくと、丁度良くワゴンを運ぶジュディが離宮に繋がる扉を潜り抜けてくるところだった。
「お待たせ致しました。
ご用意してきました。
テーブルを片付けて下さい。」
今だに主人を前に緊張するロメオと違いジュディは慣れたもので、先輩であるコテツも主人であるリリィも使う。
そんなジュディには2人も満足していて、設計図などで散らかったテーブルをそそくさと片付け始めた。
「ロメオ。
紅茶の淹れ方は教えてもらいましたね?」
「練習中です。」
「いらっしゃい。
リリィ様に淹れて差し上げて。」
「えっ?僕がですか?」
ジュディの提案に驚くロメオはワタワタとした。
「だって、実践での練習が1番身につくんだから。
リリィ様、良いですよね?」
淡々と準備を進めるジュディに苦笑しながらもリリィは頷いた。
「良いよ。
ロメオ。何事も経験よ。
失敗したっていいの。
いつか美味しい紅茶を淹れるられる様になる為に今があるのだから。」
「はい!」
ロメオはジュディの元に行くと、習った様に紅茶の準備をしていく。
それをジュディが助言している光景にリリィは楽しそうに見守った。
「ジュディは適応してきたか。」
「そうね。
それでも一度、扉を出て人前に出れば普通の侍女に戻るから優秀よね。」
「頭の良い子だ。
アリスは?」
「ローラと一緒に装飾の手配をしてくれてるわ。
執務机はハクヤが選んでくれたの。
クレイも一緒に手伝ってくれているわ。」
姿の見えない相棒の仕事を聞き、コテツは頷いた。
「ガルシア宰相が皇妃に必要な書物や書簡を、この部屋に入れる時期を教えて欲しいと言っていたぞ。
重要書類もあるから、しっかりと準備したいんだそうだ。」
「分かったわ。
書庫は出来上がったから、後は家具と装飾、それと龍の拠り所を準備するくらいね。
ミニキッチンなんていつでも出来るから問題ないわ。」
がらんとした部屋であるが、徐々に完成に近づいている。
「龍の拠り所なんだがな。
頼まれていた物が届いたぞ。」
コテツが指差す先にあった木箱を見てリリィはニッコリとした。
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