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後宮にも新たな風が吹く
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「朝顔の毒がバレるとはな・・・。
検出されないほどの微量の筈だったが。」
表情のないグラバル・オンブロー伯爵がブツブツと呟いている。
「腹痛と嘔吐?
この時は発熱までには至らなかったか・・・なるほど。」
まるで商品の実験結果を検証しているような口振りの息子に前オンブロー伯爵は君悪い物を見ているような顔をした。
「グラバル・・・お前が・・・お前が。」
「えぇ。
どうやら、目論見は外れてしまったようです。」
肩を竦めて残念がるグラバルに反省の色はない。
「お前がっ!ロザンナを唆したのか!!」
息子の襟元を掴み上げて激昂するピエールにグラバルは迷惑そうに溜息を吐いた。
「俺は頼まれたから薬や毒を送っただけですよ。
皇姫殿下や皇子殿下を傷つけたのはロザンナ自身です。
何でも、娘と息子が弱っていると皇帝が顔を見せに来るんだとか・・・馬鹿ですよね。
決してロザンナに会いに来ている訳じゃないのに・・・。
送り込んだ侍女の話によれば、双子殿下が具合が悪くなると鬼気迫る勢いで美しいドレスに着替え出すんだとか、メイクや髪型にも気を使っていた様ですよ。
目の前で子供が苦しんでいるのに・・・皇帝の寵愛ばかりを欲していたんですよ。
うちのロザンナは!」
あまりの衝撃で父ピエールはフラフラとソファーに座り込んでしまった。
「その様子ではロザンナの気狂いの状態を理解していたのですね。
何故に王宮に届け出なかったのですか?
そして、ユニエ・アミ様とテムズ
ダン様は今も尚、危険に晒されています。
母であるロザンナが王宮から追放されたにも関わらずです。
元凶は・・・貴方ですね。」
フィリックスの言葉を受けたグラバルは観念した様に小さく笑い両手を上げた。
「えぇ、そうですよ。
その様じゃ、私が送り込んだ侍従や侍女達も捕まっているのでしょう。
答え合わせでもしたいんですか?」
「いいえ。
答えはもう分かっています。
それでも、わざわざ貴方の口から聞きたい。
何故、こんな事を?」
フィリックスの問いかけにグラバルはケラケラと笑った。
「良いでしょう。答えますよ。
私はね。大嫌いなんですよ。
オンブロー伯爵家が!」
息子の叫びを聞き、生気を失っていたピエールが目を見開き瞠目した。
「多くの男と浮名を流した、身持ちの悪い馬鹿な妹がっ!!
そんな妹ばかりを可愛がる愚かな両親も!!
皇帝の愛妾になった妹を持て囃す、使用人や領民も!
全部全部大嫌いだ!
自分の産んだ子供すら利用し、己の欲ばかりを追求する妹を悍ましいと思っていた。
こんな家・・・なくなれば良い。」
「ならば、改めてユニエ・アミ様とテムズ・ダン様を利用しようとした理由は?」
感情豊に体に溜まっていた不満を吐き出したグラバルは再び表情をなくしてフィリックスを見つめた。
「だって・・・私は妹の所為で苦労して来たんです。
妹が産んだ子供にはたっぷりとツケを払って貰わないと・・・不公平でしょう。」
無表情のグラバルの右目から一筋の涙が溢れていた。
検出されないほどの微量の筈だったが。」
表情のないグラバル・オンブロー伯爵がブツブツと呟いている。
「腹痛と嘔吐?
この時は発熱までには至らなかったか・・・なるほど。」
まるで商品の実験結果を検証しているような口振りの息子に前オンブロー伯爵は君悪い物を見ているような顔をした。
「グラバル・・・お前が・・・お前が。」
「えぇ。
どうやら、目論見は外れてしまったようです。」
肩を竦めて残念がるグラバルに反省の色はない。
「お前がっ!ロザンナを唆したのか!!」
息子の襟元を掴み上げて激昂するピエールにグラバルは迷惑そうに溜息を吐いた。
「俺は頼まれたから薬や毒を送っただけですよ。
皇姫殿下や皇子殿下を傷つけたのはロザンナ自身です。
何でも、娘と息子が弱っていると皇帝が顔を見せに来るんだとか・・・馬鹿ですよね。
決してロザンナに会いに来ている訳じゃないのに・・・。
送り込んだ侍女の話によれば、双子殿下が具合が悪くなると鬼気迫る勢いで美しいドレスに着替え出すんだとか、メイクや髪型にも気を使っていた様ですよ。
目の前で子供が苦しんでいるのに・・・皇帝の寵愛ばかりを欲していたんですよ。
うちのロザンナは!」
あまりの衝撃で父ピエールはフラフラとソファーに座り込んでしまった。
「その様子ではロザンナの気狂いの状態を理解していたのですね。
何故に王宮に届け出なかったのですか?
そして、ユニエ・アミ様とテムズ
ダン様は今も尚、危険に晒されています。
母であるロザンナが王宮から追放されたにも関わらずです。
元凶は・・・貴方ですね。」
フィリックスの言葉を受けたグラバルは観念した様に小さく笑い両手を上げた。
「えぇ、そうですよ。
その様じゃ、私が送り込んだ侍従や侍女達も捕まっているのでしょう。
答え合わせでもしたいんですか?」
「いいえ。
答えはもう分かっています。
それでも、わざわざ貴方の口から聞きたい。
何故、こんな事を?」
フィリックスの問いかけにグラバルはケラケラと笑った。
「良いでしょう。答えますよ。
私はね。大嫌いなんですよ。
オンブロー伯爵家が!」
息子の叫びを聞き、生気を失っていたピエールが目を見開き瞠目した。
「多くの男と浮名を流した、身持ちの悪い馬鹿な妹がっ!!
そんな妹ばかりを可愛がる愚かな両親も!!
皇帝の愛妾になった妹を持て囃す、使用人や領民も!
全部全部大嫌いだ!
自分の産んだ子供すら利用し、己の欲ばかりを追求する妹を悍ましいと思っていた。
こんな家・・・なくなれば良い。」
「ならば、改めてユニエ・アミ様とテムズ・ダン様を利用しようとした理由は?」
感情豊に体に溜まっていた不満を吐き出したグラバルは再び表情をなくしてフィリックスを見つめた。
「だって・・・私は妹の所為で苦労して来たんです。
妹が産んだ子供にはたっぷりとツケを払って貰わないと・・・不公平でしょう。」
無表情のグラバルの右目から一筋の涙が溢れていた。
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