168 / 473
新たな御代
166
しおりを挟む
キャハハハ!
シモツキ・レイの笑い声が聞こえる。
それを追いかけるアンディ少年も嬉しそうだ。
ブランチ辺境伯との話が終わると、マドレーヌ妃に手を引かれ、マムの愛娘であるシモツキ・レイが姿を見せた。
何も聞かされていなかったシモツキ・レイは母を見て目を丸くすると満面の笑みを浮かべ、次第に泣き出して駆け寄り母に縋りついた。
母であるマムも先程までの気丈な姿など、かなぐり捨てて涙を流して娘を抱きしめる手に力を込めている。
「子供とは分かりやすいですね。
驚き、喜び感情が制御できなくなれば泣く・・・。
表情がコロコロと変わり面白いです。」
何気なく口にしたリリィの感想にマドレーヌはクスクスと笑い、ガク・ブランチと息子サイラスが微笑んだ。
「大人になれば、人は感情を隠す事を学びます。
それが良いのか悪いのか・・・。
ただ、あの頃の子供を愛おしいと感じるのも正しいのだと思います。」
マドレーヌの言葉にリリィは成程と考え込むように頷いた。。
母との再会に喜び、アンディ少年と走り回るシモツキ・レイを見つめながらサイラスが、残りの報告をした。
「マム殿の御両親は引き続きブランチ辺境伯領でお預かりします。
マム殿と共に後宮で暮らす事も出来るし、王都で生活する事も出来ると伝えたのですが、娘と孫を危険し晒したくない。
二度と利用されたくないと言って残る事を決断しました。
それに、後宮で暮らすのは堅苦しいと。」
リリィは楽しそうに笑うとマムを見据えた。
「マム様は、それで良いのですか?
此処は、貴方にとって辛い思い出しかない場所です。
シモツキ・レイ様を外に出す事も新たな皇帝は考えていますよ。
貴方と共に外で暮らす方が妹には良いのかもしれないとお話されていました。」
それを聞き、マムは真剣な顔で首を横に振った。
「リリィ様とマドレーヌ様のお力になりたいのです。
そして、娘に逃げる人生を与えたいとは思いません。
私は、その為に帰ってきました。」
5つあった離宮の内、3つが主を失った。
その中の1つである“桔梗の宮”は火事により消失し無くなってしまったが、2つは健在である。
壊すという案も出たが、壊すのも出費が嵩むとして利用する事になった。
母が後宮から出る事となった皇子や皇姫は“芍薬の宮”で暮らし、“薔薇の宮”に通い教育を受ける事になっている。
その役目をマドレーヌが一身に請け負う事になった。
マムは、その手伝いをすると言っているのだ。
「此度の混乱に子供達に罪はありません。
我が娘を始め、多くの皇子や皇姫の命を助けて下された皇帝陛下の慈悲に感謝します。」
皇帝の采配1つで、子供達の運命は変わってくる。
もし、クーデターが成功しジャンヴィエ・リーンが皇帝となっていたら、多くの皇子や皇姫が命を落としていたかもしれない。
「それに、もう制約はありませんから。
いつでも娘と祖父母を会わせてやれます。
こんなに嬉しい事はありません。」
怯え暮らしていた愛妾マムは、もういない。
同じように苦悩に悩まされていたマドレーヌと共に後宮で役目を果たしてくれる事だろう。
リリィは自分の足で立ち上がると決めた女性を応援するのだった。
シモツキ・レイの笑い声が聞こえる。
それを追いかけるアンディ少年も嬉しそうだ。
ブランチ辺境伯との話が終わると、マドレーヌ妃に手を引かれ、マムの愛娘であるシモツキ・レイが姿を見せた。
何も聞かされていなかったシモツキ・レイは母を見て目を丸くすると満面の笑みを浮かべ、次第に泣き出して駆け寄り母に縋りついた。
母であるマムも先程までの気丈な姿など、かなぐり捨てて涙を流して娘を抱きしめる手に力を込めている。
「子供とは分かりやすいですね。
驚き、喜び感情が制御できなくなれば泣く・・・。
表情がコロコロと変わり面白いです。」
何気なく口にしたリリィの感想にマドレーヌはクスクスと笑い、ガク・ブランチと息子サイラスが微笑んだ。
「大人になれば、人は感情を隠す事を学びます。
それが良いのか悪いのか・・・。
ただ、あの頃の子供を愛おしいと感じるのも正しいのだと思います。」
マドレーヌの言葉にリリィは成程と考え込むように頷いた。。
母との再会に喜び、アンディ少年と走り回るシモツキ・レイを見つめながらサイラスが、残りの報告をした。
「マム殿の御両親は引き続きブランチ辺境伯領でお預かりします。
マム殿と共に後宮で暮らす事も出来るし、王都で生活する事も出来ると伝えたのですが、娘と孫を危険し晒したくない。
二度と利用されたくないと言って残る事を決断しました。
それに、後宮で暮らすのは堅苦しいと。」
リリィは楽しそうに笑うとマムを見据えた。
「マム様は、それで良いのですか?
此処は、貴方にとって辛い思い出しかない場所です。
シモツキ・レイ様を外に出す事も新たな皇帝は考えていますよ。
貴方と共に外で暮らす方が妹には良いのかもしれないとお話されていました。」
それを聞き、マムは真剣な顔で首を横に振った。
「リリィ様とマドレーヌ様のお力になりたいのです。
そして、娘に逃げる人生を与えたいとは思いません。
私は、その為に帰ってきました。」
5つあった離宮の内、3つが主を失った。
その中の1つである“桔梗の宮”は火事により消失し無くなってしまったが、2つは健在である。
壊すという案も出たが、壊すのも出費が嵩むとして利用する事になった。
母が後宮から出る事となった皇子や皇姫は“芍薬の宮”で暮らし、“薔薇の宮”に通い教育を受ける事になっている。
その役目をマドレーヌが一身に請け負う事になった。
マムは、その手伝いをすると言っているのだ。
「此度の混乱に子供達に罪はありません。
我が娘を始め、多くの皇子や皇姫の命を助けて下された皇帝陛下の慈悲に感謝します。」
皇帝の采配1つで、子供達の運命は変わってくる。
もし、クーデターが成功しジャンヴィエ・リーンが皇帝となっていたら、多くの皇子や皇姫が命を落としていたかもしれない。
「それに、もう制約はありませんから。
いつでも娘と祖父母を会わせてやれます。
こんなに嬉しい事はありません。」
怯え暮らしていた愛妾マムは、もういない。
同じように苦悩に悩まされていたマドレーヌと共に後宮で役目を果たしてくれる事だろう。
リリィは自分の足で立ち上がると決めた女性を応援するのだった。
117
あなたにおすすめの小説
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる