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旅路 〜グランヌス・王宮〜
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「私への用とは何でしょう?
異教の巫女よ。」
笑顔で対峙していたそれまでとは違い、ムネタカに表情は無かった。
逆に笑顔を張り付けていたのは姫巫女の方である。
「異教と認定した私に弁解か抗議がおありでしょうか?」
静かに目を閉じ紅茶を口にするムネタカに姫巫女は小首を傾げた。
「弁解?抗議?
どう言う事でしょう?
私は新たに王になられるムネタカ様にご挨拶を申し上げたく・・・。」
「今も昔もグランヌスの王は我が父トウカ・ノブタカ・ショーグンです。
私はしがない第一王子に過ぎない。」
「まぁ、それなら現在の離宮に対する命令を、しがない第一王子様が発令しているのはどうしてかしら?」
「我が国の法律をご存知はない?
王が不測の事態により政務が行えなくなった場合、王妃が全ての権利を掌握します。
私は王妃ソウビの名代として、しなければならぬ事をしているのです。」
「・・・王妃。」
笑顔のまま呟く姫巫女に宰相が眉をピクリと動かした。
「王妃様、もしくは王妃殿下です。
ムネタカ様の事も、王子ではなく殿下と呼ぶのが相応しい。
改めなさい。」
姫巫女は宰相の事などお構いなしでムネタカから目を離さなかった。
そんな彼は相手に対して、どことなく余裕のようだった。
「そういえば、随分と後宮にご配慮をいただいていたそうでお礼申し上げます。」
「まぁ。
互いに国王を支える身として当然の事をしたまでです。
ノブタカ様にお会い出来ないのが寂しいです。」
眉を下げる姫巫女にムネタカは微笑んだ。
「今は、母が側についてるのでご心配なく。」
ーーー用無し。
姫巫女の後にいたオモトは、王子の言葉に愕然としていた。
《姫巫女はグランヌスの為に、身を粉にしてこられたのに・・・。》
「お聞きしたところノブタカ様はお目覚めになられていないのですね?
私の祈りで目覚めて頂きましょう。
どうか会わせて下さい。」
優しく微笑む姫巫女をムネタカはジロリと睨みつけた。
「そして、再び父を惑わす術を使うつもりですか?」
「酷いです。
私がどれだけノブタカ様を心配しているか。
先程から“異教”など物騒な言葉を使ってらっしゃいますが、私は“神”より使命を授かりし生まれた巫女。
私・・・悲しい。」
心底傷ついたように肩を落とす姫巫女をオモトは心配し、そしてまた王子を睨みつけた。
「姫巫女様がお可哀想です!
王子殿下といえども失礼な言い方は、おやめください。」
オモトが姫巫女を庇うように前に出ると、宰相だけでなく衛兵達が剣や槍を構えた。
「なっ!」
相手の想像以上の強硬な態度にオモトは驚きを隠せなかった。
「あぁ、そうであった。
侍女オモト・・・だったな?
貴方の持ち物を預かっていたのだ。」
ムネタカが合図をすると宰相がテーブルに布を置いた。
「キャッ!」
その布をムネタカが開くと、王女が短い叫びを上げた。
真っ白の布の上には、オモトが失った指があり2人の女は血相を変えた。
「指と共にあった指輪は外させて貰った。
あれは人を巻き込み周囲を爆破させる代物らしい。
お返しするのには危険すぎる。
其方が他に何を持っているか分からぬのだ。
まぁ、警戒くらい許せ。」
静まり返る中、穏やかにティーカップに口をつけるムネタカをオモトはようやく怯えたように見つめた。
異教の巫女よ。」
笑顔で対峙していたそれまでとは違い、ムネタカに表情は無かった。
逆に笑顔を張り付けていたのは姫巫女の方である。
「異教と認定した私に弁解か抗議がおありでしょうか?」
静かに目を閉じ紅茶を口にするムネタカに姫巫女は小首を傾げた。
「弁解?抗議?
どう言う事でしょう?
私は新たに王になられるムネタカ様にご挨拶を申し上げたく・・・。」
「今も昔もグランヌスの王は我が父トウカ・ノブタカ・ショーグンです。
私はしがない第一王子に過ぎない。」
「まぁ、それなら現在の離宮に対する命令を、しがない第一王子様が発令しているのはどうしてかしら?」
「我が国の法律をご存知はない?
王が不測の事態により政務が行えなくなった場合、王妃が全ての権利を掌握します。
私は王妃ソウビの名代として、しなければならぬ事をしているのです。」
「・・・王妃。」
笑顔のまま呟く姫巫女に宰相が眉をピクリと動かした。
「王妃様、もしくは王妃殿下です。
ムネタカ様の事も、王子ではなく殿下と呼ぶのが相応しい。
改めなさい。」
姫巫女は宰相の事などお構いなしでムネタカから目を離さなかった。
そんな彼は相手に対して、どことなく余裕のようだった。
「そういえば、随分と後宮にご配慮をいただいていたそうでお礼申し上げます。」
「まぁ。
互いに国王を支える身として当然の事をしたまでです。
ノブタカ様にお会い出来ないのが寂しいです。」
眉を下げる姫巫女にムネタカは微笑んだ。
「今は、母が側についてるのでご心配なく。」
ーーー用無し。
姫巫女の後にいたオモトは、王子の言葉に愕然としていた。
《姫巫女はグランヌスの為に、身を粉にしてこられたのに・・・。》
「お聞きしたところノブタカ様はお目覚めになられていないのですね?
私の祈りで目覚めて頂きましょう。
どうか会わせて下さい。」
優しく微笑む姫巫女をムネタカはジロリと睨みつけた。
「そして、再び父を惑わす術を使うつもりですか?」
「酷いです。
私がどれだけノブタカ様を心配しているか。
先程から“異教”など物騒な言葉を使ってらっしゃいますが、私は“神”より使命を授かりし生まれた巫女。
私・・・悲しい。」
心底傷ついたように肩を落とす姫巫女をオモトは心配し、そしてまた王子を睨みつけた。
「姫巫女様がお可哀想です!
王子殿下といえども失礼な言い方は、おやめください。」
オモトが姫巫女を庇うように前に出ると、宰相だけでなく衛兵達が剣や槍を構えた。
「なっ!」
相手の想像以上の強硬な態度にオモトは驚きを隠せなかった。
「あぁ、そうであった。
侍女オモト・・・だったな?
貴方の持ち物を預かっていたのだ。」
ムネタカが合図をすると宰相がテーブルに布を置いた。
「キャッ!」
その布をムネタカが開くと、王女が短い叫びを上げた。
真っ白の布の上には、オモトが失った指があり2人の女は血相を変えた。
「指と共にあった指輪は外させて貰った。
あれは人を巻き込み周囲を爆破させる代物らしい。
お返しするのには危険すぎる。
其方が他に何を持っているか分からぬのだ。
まぁ、警戒くらい許せ。」
静まり返る中、穏やかにティーカップに口をつけるムネタカをオモトはようやく怯えたように見つめた。
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