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旅路〜デザリア・王宮〜
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子供達の笑い声が昨日の事が夢でなかったのだと教えてくれる。
「先程からずっと走っているのですよ。
バシラもルビシアも見違えるように明るくなりました。」
嬉しそうなティエナ妃に、デザリア王も優しく微笑んだ。
「これも、其方のお陰だな。
国を救ってくれたばかりか、娘との絆を取り戻させてくれた。
それなのに息子まで・・・。」
感無量とばかりに涙する王にイオリは笑みを見せた。
「トルトルとポルポルが言っていました。
アーマッド・デザリアさんは良い人だったって、だからアーマッドさんの家系には《人に好かれる加護》を与えたのだそうです。
最初から姫様の噂話には懐疑的でした。
大人と違い、5歳の子供の行いに悪意などあるはずがないと考えるからです。
何か理由があるんだろうなと思っていました。
ダンジョンでシモンさんの話を聞いて、やっぱりと思いました。
本当は優しい子なんじゃないかなって。」
「“願いを叶える鳥”・・・守護神様がおっしゃられたのか?
我らに加護を・・・有り難い事だ。」
光り輝いた夜に現れた“願いを叶える鳥”トルトルとポルポルの姿を見た街の人間達は驚き慄いたそうだ。
始めは大型魔獣に襲われているのかと慌てた人間達もいるそうだが、多くの市民が2匹の楽しそうな笑い声と歌声に心癒されたとか・・・。
その後、《バシラ・フレール王女の願いに答えた“願いを叶える鳥”のお陰で王子ルビシアの病が治った》と国から発表されれば、国中で喜びが溢れ、我儘姫と言われていたバシラ・フレールへの風当たりも弱まってきたという。
「あの子の悪い噂は私の責任だ。
娘に酷い仕打ちをしたものだ。
謝る私に、あの子は微笑んで許してくれた。
あの大人びた表情をさせたのも私の所為であるのだな。」
眉を下げるデザリア王にティエナ王妃が手を添えた。
「イオリ様もおっしゃっていたではないですか。
時間はあります。
間違いを正して参りましょう。
あの子の深い優しさに私達が愛を注ぎましょう。
ご覧下さい。
今のあの子の笑顔を。」
走り疲れた弟を抱きしめた姫がよろけ2人揃って地面に倒れ込むと、顔を見合わせて笑い合っている。
その笑顔は、本来の子供が持ち合わせる輝きだった。
そんな王女に寄り添う侍従と侍女の姿がある。
心配そうな2人であったが、王女の笑顔に安堵したように己達も微笑んでいた。
王の命令によって生涯を国に捧げる事を誓った彼らにとって、此度の事は許されたのか罰だったのか・・・。
それは彼らがこれから長い時間をかけて証明していかなければならない事だった。
カルダイン侯爵家。
デザリア国で優秀な文官を輩出する一族は、あの日より一層国に身を捧げて生きる事になった。
《王家が愚の道を選びし時、剣を持って制す。》
そんな日が訪れない事を願って・・・。
「それにしても・・・ウフフ。
守護神様がトルトル様・ポルポル様と、なんとも可愛らしい御名前とは知りませんでした。」
楽しげに話すティエナ妃にイオリは苦笑した。
「そうなんですよ。
他の名前を考えようとしたんですが、彼らが気に入ってしまって。」
恥ずかしそうなイオリに一気に視線が集まった。
「イオリっ!」
「あ・・・。」
慌てるヒューゴの顔を見てイオリは口を抑えた。
「・・・まさか。
まさかとは思うけど・・・
“願いを叶える鳥”に名付けたのがイオリだなんて事はないよね?」
愕然とする一同を代表してディビットが問いかけた。
目を逸らしたイオリであったが、すぐさま慌てふためく大人達に囲まれる羽目になるのだった。
「先程からずっと走っているのですよ。
バシラもルビシアも見違えるように明るくなりました。」
嬉しそうなティエナ妃に、デザリア王も優しく微笑んだ。
「これも、其方のお陰だな。
国を救ってくれたばかりか、娘との絆を取り戻させてくれた。
それなのに息子まで・・・。」
感無量とばかりに涙する王にイオリは笑みを見せた。
「トルトルとポルポルが言っていました。
アーマッド・デザリアさんは良い人だったって、だからアーマッドさんの家系には《人に好かれる加護》を与えたのだそうです。
最初から姫様の噂話には懐疑的でした。
大人と違い、5歳の子供の行いに悪意などあるはずがないと考えるからです。
何か理由があるんだろうなと思っていました。
ダンジョンでシモンさんの話を聞いて、やっぱりと思いました。
本当は優しい子なんじゃないかなって。」
「“願いを叶える鳥”・・・守護神様がおっしゃられたのか?
我らに加護を・・・有り難い事だ。」
光り輝いた夜に現れた“願いを叶える鳥”トルトルとポルポルの姿を見た街の人間達は驚き慄いたそうだ。
始めは大型魔獣に襲われているのかと慌てた人間達もいるそうだが、多くの市民が2匹の楽しそうな笑い声と歌声に心癒されたとか・・・。
その後、《バシラ・フレール王女の願いに答えた“願いを叶える鳥”のお陰で王子ルビシアの病が治った》と国から発表されれば、国中で喜びが溢れ、我儘姫と言われていたバシラ・フレールへの風当たりも弱まってきたという。
「あの子の悪い噂は私の責任だ。
娘に酷い仕打ちをしたものだ。
謝る私に、あの子は微笑んで許してくれた。
あの大人びた表情をさせたのも私の所為であるのだな。」
眉を下げるデザリア王にティエナ王妃が手を添えた。
「イオリ様もおっしゃっていたではないですか。
時間はあります。
間違いを正して参りましょう。
あの子の深い優しさに私達が愛を注ぎましょう。
ご覧下さい。
今のあの子の笑顔を。」
走り疲れた弟を抱きしめた姫がよろけ2人揃って地面に倒れ込むと、顔を見合わせて笑い合っている。
その笑顔は、本来の子供が持ち合わせる輝きだった。
そんな王女に寄り添う侍従と侍女の姿がある。
心配そうな2人であったが、王女の笑顔に安堵したように己達も微笑んでいた。
王の命令によって生涯を国に捧げる事を誓った彼らにとって、此度の事は許されたのか罰だったのか・・・。
それは彼らがこれから長い時間をかけて証明していかなければならない事だった。
カルダイン侯爵家。
デザリア国で優秀な文官を輩出する一族は、あの日より一層国に身を捧げて生きる事になった。
《王家が愚の道を選びし時、剣を持って制す。》
そんな日が訪れない事を願って・・・。
「それにしても・・・ウフフ。
守護神様がトルトル様・ポルポル様と、なんとも可愛らしい御名前とは知りませんでした。」
楽しげに話すティエナ妃にイオリは苦笑した。
「そうなんですよ。
他の名前を考えようとしたんですが、彼らが気に入ってしまって。」
恥ずかしそうなイオリに一気に視線が集まった。
「イオリっ!」
「あ・・・。」
慌てるヒューゴの顔を見てイオリは口を抑えた。
「・・・まさか。
まさかとは思うけど・・・
“願いを叶える鳥”に名付けたのがイオリだなんて事はないよね?」
愕然とする一同を代表してディビットが問いかけた。
目を逸らしたイオリであったが、すぐさま慌てふためく大人達に囲まれる羽目になるのだった。
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