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旅路〜デザリア・王宮〜
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「一体、何がどうなって、そうなるだ!」
「本当に、其方が神鳥様に名付けたのか?!」
「あっ・・・いや。
その・・・。」
迫り来る大人達にイオリは言い淀んだ。
視界の端にヒューゴが頭を抱えているのが見えたが手を貸してくれる様子はない。
「トルトル様とポルポル様はデザリアにとって、大切な守護神だ。
他国の冒険者が名付けたと知られれば大騒ぎになるぞ。
本当に其方が名付けをしたのだな?」
ダマン・デザリア王が鼻がくっつきそうなくらい近づいてきた。
「・・・・はい。」
ーーーハァァァァ。
幾人もの大きな溜息が重なった。
「すみません!!
名前を聞いたら付けろと言われて・・・。」
最終の部屋から1人別れてからの話を報告すると、デザリア王を始めとした面々は疲れた顔をした。
「守護神様達が気に入ってしまわれたのなら、もう仕方ない。
ご自身達で名乗りをあげられたのだ。
現場にいた騎士達だけでなく、多くの市民が聞いていた事だろう。
出来るだけ、イオリ殿の事を隠して周知させるほかあるまい。」
「ご迷惑おかけします。」
「何卒、よしなにお願いします。」
イオリが頭を下げると、ディビットやヒューゴ達まで頭を下げていた。
「それで?
なんで、トルトル様とポルポル様なんだ?
他になかったのか?」
堪えきれなかったのだろう。
呆れたようなアレックスの言葉にディビット王子が噴き出した。
「確かにね。
どうしてだい?」
「俺だって、知っていた双子の名前の中でカッコイイ名前を貰おうとしたんですよ!
でも、長いから略していたら、その中から気に入ったのを2匹が選んじゃったんです・・・。」
イオリが不貞腐れると、テーブルが笑いで包まれた。
デザリアの歴史に刻まれるであろう、奇跡の名にしては実に締まらない。
「なんだそれ!」
「お前も“願いを叶える鳥”には振り回されているな。」
「もっと、考えてつけたのかと思ったぞ。」
「あら、私は可愛らしいと思いますわ。」
フフフと微笑むティエナ王妃にイオリは苦笑した。
「まぁ、本人達が気に入ってくれたから良いんですけどね。」
一笑いするとデザリア王がバシラ・フレールを見ながら真面目な顔をした。
「火の国は・・・“グランヌス”はバシラを危険に晒すだろうか?」
間接的にも砂の国デザリアを混乱に貶めたのだ。
それが失敗となった今、父王が心配するのも当然の事だった。
「目的の全容が分からない内は注視するべきでしょう。」
“エルフの里”が暗躍し始めた昨今、“火の国グランヌス”の動向は世界を揺るがす可能性がある。
ディビットも眉間に皺を寄せていた。
「火の国には俺達も行く予定なんです。
この目で何が起こっているか見てきます。」
イオリの言葉にデザリア王は静かに頷いた。
「其方らを信頼している。
よろしく頼む。」
デザリア王は父として優しい顔で子供達を見守っていた。
「イオリ。
次は“山の国・ルーシュピケ”だな。」
「ルーシュピケ?」
微笑むディビットにイオリは首を傾げた。
「あぁ、“ルーシュピケ”は山の峰に築かれた自然が溢れた国だ。
そして、その先には“パライソの森”がある。」
「“パライソの森”・・・。」
懐かしい名の響きにイオリはニッコリとした。
「本当に、其方が神鳥様に名付けたのか?!」
「あっ・・・いや。
その・・・。」
迫り来る大人達にイオリは言い淀んだ。
視界の端にヒューゴが頭を抱えているのが見えたが手を貸してくれる様子はない。
「トルトル様とポルポル様はデザリアにとって、大切な守護神だ。
他国の冒険者が名付けたと知られれば大騒ぎになるぞ。
本当に其方が名付けをしたのだな?」
ダマン・デザリア王が鼻がくっつきそうなくらい近づいてきた。
「・・・・はい。」
ーーーハァァァァ。
幾人もの大きな溜息が重なった。
「すみません!!
名前を聞いたら付けろと言われて・・・。」
最終の部屋から1人別れてからの話を報告すると、デザリア王を始めとした面々は疲れた顔をした。
「守護神様達が気に入ってしまわれたのなら、もう仕方ない。
ご自身達で名乗りをあげられたのだ。
現場にいた騎士達だけでなく、多くの市民が聞いていた事だろう。
出来るだけ、イオリ殿の事を隠して周知させるほかあるまい。」
「ご迷惑おかけします。」
「何卒、よしなにお願いします。」
イオリが頭を下げると、ディビットやヒューゴ達まで頭を下げていた。
「それで?
なんで、トルトル様とポルポル様なんだ?
他になかったのか?」
堪えきれなかったのだろう。
呆れたようなアレックスの言葉にディビット王子が噴き出した。
「確かにね。
どうしてだい?」
「俺だって、知っていた双子の名前の中でカッコイイ名前を貰おうとしたんですよ!
でも、長いから略していたら、その中から気に入ったのを2匹が選んじゃったんです・・・。」
イオリが不貞腐れると、テーブルが笑いで包まれた。
デザリアの歴史に刻まれるであろう、奇跡の名にしては実に締まらない。
「なんだそれ!」
「お前も“願いを叶える鳥”には振り回されているな。」
「もっと、考えてつけたのかと思ったぞ。」
「あら、私は可愛らしいと思いますわ。」
フフフと微笑むティエナ王妃にイオリは苦笑した。
「まぁ、本人達が気に入ってくれたから良いんですけどね。」
一笑いするとデザリア王がバシラ・フレールを見ながら真面目な顔をした。
「火の国は・・・“グランヌス”はバシラを危険に晒すだろうか?」
間接的にも砂の国デザリアを混乱に貶めたのだ。
それが失敗となった今、父王が心配するのも当然の事だった。
「目的の全容が分からない内は注視するべきでしょう。」
“エルフの里”が暗躍し始めた昨今、“火の国グランヌス”の動向は世界を揺るがす可能性がある。
ディビットも眉間に皺を寄せていた。
「火の国には俺達も行く予定なんです。
この目で何が起こっているか見てきます。」
イオリの言葉にデザリア王は静かに頷いた。
「其方らを信頼している。
よろしく頼む。」
デザリア王は父として優しい顔で子供達を見守っていた。
「イオリ。
次は“山の国・ルーシュピケ”だな。」
「ルーシュピケ?」
微笑むディビットにイオリは首を傾げた。
「あぁ、“ルーシュピケ”は山の峰に築かれた自然が溢れた国だ。
そして、その先には“パライソの森”がある。」
「“パライソの森”・・・。」
懐かしい名の響きにイオリはニッコリとした。
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