続・拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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旅路〜ダグスク〜

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「イオリってアドンと知り合いだったんだね。」

 馬車をしまい、ダグスクの街を歩くイオリにロジャーが声をかけた。

「まぁ・・・ちょっと。
 終わった話なんで。」

「ククク。」

 イオリの歯切れの悪い言葉にアレックスが笑った。

「ほら、ロジャー。
 イオリが初めて来た時に怪しいと取調室に入れられたって聞いたろう。
 あれ、やったのアドンなんだ。」

「そうなの!?
 アハハハハ!
 マジかよ!
 アレックスの親父さんがキレてたアレだ。
 まぁ、話聞いた時は仕方がないと思ったね。俺は。」

 夜の闇を街灯が照らす道でロジャーは腹を抱えて笑った。

「そうですよ。
 だから、俺はもう良いんですよ。
 謝ってもらったし。
 犯人は捕まりましたからね。
 アドンさんっておっしゃるんですね。
 まだ、衛兵をやっていて良かったですよ。」

 石畳の街をイオリ達は和やかに歩いた。

「とりあえず、冒険者ギルドだな。
 まだ、もいるだろう。
 一番に行かないと、逆に煩いんだ。」

 母をギルマスと呼んだアレックスは頬を掻くと冒険者ギルドを指差した。

「はい。
 お任せします。
 ただ、この時間に宿が空いてるかどうか・・・。」

「大丈夫だろう。
 恐らく、ダグクス侯爵家で迎え入れる準備をしているはずだ。
 ギルドでも宿の紹介できるし、最悪“珊瑚の小箱”に行けば休む所をもらえるさ。」

 イオリの不安をアレックスは手を振って遮った。

「この街にはイオリを慕う人間が多いからな。
 なんとでもなるんだ。
 さぁ、ギルドだギルド。」

 2人はイオリ達を押し出すように冒険者ギルドに連れて行った。



 3年ぶりのダグスクの冒険者ギルドは夜とあって、酒場が賑やかだった。
 そこかしこから笑い声や怒号などに加え今日1日の成果を自慢する声が聞こえた。

「アレックスにロジャーじゃないか!
 帰ってきたのか?」

「こっち来て飲めよ!」

 顔見知りが多いからかアレックスとロジャーの2人は1歩進む毎に話しかけられていた。

「ギルマスに帰還の報告だ。」

「酒は後でねー。」

 横目で見ながら返事をする2人にイオリ達は着いていく。

「煩くて悪いな。
 絡まれる前に行こう。
 俺達の受付は2階だ。」

「仕事終わりで金がある分。
 タチが悪いんだ。」

 2人の案内にイオリは、3年前を記憶を探った。

「確か、高ランクの冒険者は2階の受付でしたね。
 少し思い出してきましたよ。」

 夕方の2階の受付は既に人がいなく、ロジャーはカウンターに身を乗り出して声をかけた。

「おーい。
 メイジャ!!
 いるー?」

 すると裏方から1人の綺麗な女性が顔を出した。

「あら、2人とも帰ってきたの?
 今回は思ってたより早い帰還ね。」

 シーグリーンの髪のメイジャと言われる女性がニコッと2人を出迎えた。

「メイジャ。
 友人達も一緒に来たんだ。
 ギルマスに会いたいから聞いて来てくれないか?」

 メイジャはイオリ達に気づくと目を見開いた。

「・・・貴方は。
 ・・・分かったわ。
 すぐに聞いてくるわね。
 
 ようこそ、ダグスクへ。」

 メイジャはイオリ達に笑顔を向けると、ギルマスの部屋に向かって行った。 

「メイジャは俺達が冒険者を始めた年にギルド職員になったんだ。
 同期みたいなもんさ。」

「そうそう。
 あの容姿だからメイジャ狙いの奴らも多いんだよね~。」

 紹介してくれたアレックスに続きロジャーが下を指差すと冒険者の何人かが意味ありげに見上げている事に気がついた。

「でも、めちゃめちゃキレると怖いから気をつけた方がいいよ。」

 ケラケラ笑うロジャーの背に冷たい声がかかる。

「誰が、キレると怖いのかしら?」

「あ~。・・・誰だろうね?」

 目を細めてロジャーを睨みるけるメイジャに子供達がクスクスと笑い出した。

「コホンッ。
 ギルマスがお待ちです。
 受付は開けておきますから、後でも構いませんよ。」

 メイジャの案内に感謝してイオリ達はギルマスの部屋に向かったのであった。
 
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