詩集『刺繡』

新帯 繭

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山桜桃梅

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山桜桃梅
ヤマザクラに
モモに
ウメと書いて
『ユスラウメ』
何と贅沢な名前だろう

花も3つの良いとこ取り
はっきりとした桃色に
ウメの雄蕊と雌蕊が映え
サクラのように
美しい形の花弁が散る

実も大変美味らしく
それは色も可愛らしい
それは春の風物詩で
実は夏の味覚となり
余すことなく楽しめる

そんな可憐な山桜桃梅
意外と知る人はいない
知る人ぞ知る花木なのだ
俳句の季語では五音を彩り
日本人を楽しませる

そんな知名度が無くても
誰かを楽しませるような
そんな人物になりたくて
ついつい憧れる
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