緋の花

Guidepost

文字の大きさ
139 / 145

139話 ※

しおりを挟む
 野良ヴァンパイアについてどうなったのかはまだ明確に聞いていない。今、聞こうかと思ったがそれこそ秋星に「色気ない」「野暮」と言われても仕方ないだろうと思い、邦一は後で聞くことにした。その秋星は一旦血を飲むのを止め、邦一を座らせて足の間に顔を沈めている。
 秋星の唾液にまみれた邦一のものは、情けないことにあっという間に白濁を吐き出した。

「悪い……。……くそ、早漏みたいな気分になる……」

 唾液のおかげか恐らく普通よりもかなり気持ちがいいのだろうが、やはり微妙な思いにも駆られる。出したものをローション代わりにするのなら、出る手前で口から離してもらわなければならなかった。情けないことに結局間に合わず、秋星の口の中に出してしまった。

「俺は気にせんで。飲めたし、まだここ硬いし。そういえばここは猫みたいにならんでほんま良かったわ……」

 秋星が、出しても尚硬いままの邦一の先を撫でてきた。ついピクリと反応しつつ邦一は怪訝な顔を向けた。

「猫みたい?」
「猫は妊娠させやすいよぉにめっちゃ刺激させるためにな、先っぽ、とげみたいになってんの知らん?」
「とげ」
「せやで。陰茎棘、言うんやけど……クニが興奮して所々猫の魔物らしーなるんはえぇけど、ここまであんなんになったら俺、嫌やで」
「……どんなのかはわからないけど俺もなんか嫌だ……」

 微妙な顔で言えば笑われた。

「クニのはデカ過ぎやけど俺、好きやなぁ」

 艶っぽさのある言い方に、邦一は照れ隠しのように顔を逸らし、自分の下腹部にまだほんのり覆い被さっている秋星のすべすべとした背中を見た。そこへ舌を這わせたいと思いつつ「俺の、使うんだろ」と呟く。

「うん。もっかい舐めよか? それとも先濡れてるしそのまま擦り付ける?」

秋星の様子に、擦り付ければ慣らす前に入れてしまいそうだと邦一はそっと思う。ふとまた背中を見た後にそして、「……順番間違えたな」と思った。

「秋星……」

 名前を呼び、邦一は秋星を一旦起き上がらせると背中を自分の方へ向けさせた。秋星は擦り付けてくるものだと思っているのかそのまま四つん這いになる。プライドが高いくせにたまに見せてくるやたら積極的な従順さに、邦一は苦笑しつつも可愛さを覚えた。
 邦一は秋星の背後に覆い被さるようにしてすべすべとした背中に舌を這わせた。

「な、に」
「舐めたくなった」
「ざりざりするんやけど」
「痛い?」
「気持ちえぇ」

 ふっと笑うと邦一はそのまま口づけたり舌を滑らせたりしていく。本当に気持ちがいいようで秋星は度々背中を反らせてきた。尻の辺りまでくると邦一は手でその間を開く。

「クニ……? ちょ、待」

 されるがままだった秋星が驚いたように抵抗を見せてきた。だが構わずに露になった蕾に舌をつけた。

「ちょお……」

 抗議しようとしてくる秋星に構わず、邦一は中へ舌をゆっくり進入させていく。

「おま……どこに舌入れてんねん……腹壊すで……」
「魔物なのに?」

 そういえば関係ないけれども魔物となってからも普通に今までと変わることのない自分の食生活が浮かんだ。味覚も特に変わった気はしない。魔物となって間もない頃に秋星に聞けば「魔物が皆、人間の食べもん気に食わん訳やない」と返ってきた。ただ、臨太郎もどちらかといえば猫の味覚に近いらしいので「ここの食べ物が何でも美味しく食べられるならいいよね、俺の眷属なのにズルい」などと言っていた。

「お前の腹ん中は絶対魔物ってより人間っぽいはずやし、壊すって!」
「その時はその時」
「クニ、普段堅くて頑固なくせに何でこーゆー時は柔軟性に溢れてんねん……!」

 文句が多いのは不満というより恐らく照れ隠しだろう、と邦一は構わず続ける。嫌悪感は全くなかった。むしろ良くしたくて堪らない。

「ひ……、嫌や、て……、ん、ん……っ」

 嫌だと言っていても秋星のものは硬いままだと邦一はそれに触れながら安心する。男同士なら少なくとも快楽を感じているかどうかわかりやすいのはありがたい。邦一としてはそろそろずいぶん慣れた行為ではあるが、それでも秋星が言うように野暮なので機微には疎いだろうと自分でもわかっている。
 中を解しつつ秋星のものを扱いて刺激させていると、秋星が「も、アカンて……またイッてまう……」と弱い口調で囁いてきた。
 前立腺を刺激したらいいだけでなく、肛門そのものが気持ちよくなれるのだと、邦一は秋星を見ていて最近知った。その秋星が普段自慰をしないのは、体の関係がなかった頃でも吸血行為で食欲だけでなく性欲も十分満たされていたからだと以前秋星が言っていた。自分の性器を弄って達することにあまり興味がない相手を手淫などで快楽の頂点に立たせることは、ただでさえ好きな相手を気持ち良くさせたいと思うだけでなく達成感のようなものが湧く。

「イッて」

 邦一はさらに舌を入れられる限りの奥まで尖らせては動かし、手の動きも速めた。

「ん、んぅ……っ」

 秋星が顔を枕に押しつけたようで、くぐもった声が聞こえた。それと同時に邦一の手にある熱がびくびくと震える。

「……お前先にイかせたん……ほんま意味なくない……?」

 少し力のない声に、顔を離した邦一は笑みを浮かべた。

「うん、順番間違えたなって思った」
「……クニ、もっかいイく?」
「……そうだな」

 のそのそと秋星が動こうとしたのでそれを留め、先ほど出したばかりだというのに激しく疼いて仕方なかった自分のものを秋星の後ろに宛がった。

「ここでイきたい」
「え、待って、その凶悪なもん、舌で慣らしただけで入れる気ぃなんっ?」
「舌だけでずいぶん柔らかくなってたけど」

 体の関係を持つようになった最初の頃は中々柔らかくならなかったし、結構指で解したつもりでも、いざ挿入すると秋星はキツそうにしていたし邦一もキツかった。
 だが最近はすぐに蕩けるように柔らかくなってくれる。
「……そぉなん……?」
 どこか居たたまれなさそうな声が聞こえ、邦一は微笑んだ。
「うん。俺の形覚えてくれてて、すぐ受け入れてくれるしな」
「……もぉ聞きたない。わかったから、そんだらはよ入れて」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと…… 帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。 生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。 そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。 そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。 もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。 「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!

処理中です...