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73話
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その日は朝から秋星は一人で出掛けていた。邦一の血を飲むようになってからは珍しいことかもしれない。
その邦一は「ついていく」と何度も言ってきたが「花、生けるのにちょっと気分転換したいねん」と断った。
「おはようございます、あと初めまして」
佐和がマスクを外してニッコリと微笑んでくる。秋星も笑みを見せた。
「一応初めまして、センセェ。招待してくれてありがとうやで」
秋星たちヴァンパイアは招かれていない家には入られない。基本的には悪魔もそうだが、そこに住む者に許可を貰わなければならない。
「いえ。このビルの持ち主が居住もここに構えているの、面接もここだった俺は特に意識してませんでした」
いくつかの店舗が入ったビルなら、そこに勤める者の招待でも大丈夫なようだ。現に秋星はビル内の歯科医院に入り、こうして佐和と会っている。ちなみに一度でも招待するとその場所はそこからヴァンパイアに対して門戸を開いたこととなり、いくらでも入ることが出来る。
今回、あらかじめ秋星は古典的ではあるがコウモリを使って佐和に連絡を入れていた。そのため、佐和の依頼により花を届ける形で秋星は足を踏み入れている。ついでに診察しましょうと佐和に言われ、今は診察室にいる。
「今度は良かったら俺の家においでください」
「招いてな」
「もちろん。ところでお話って何でしょうか。俺の親から何か言われました?」
「ちゃうよ」
ふふ、と笑いながら秋星は首を振った。
「招いてくれるセンセェの家ってな、どの辺にあんの?」
「え? あぁ」
何の話だろうといった表情をした後に、それはそうかと佐和は簡単な地名や最寄り駅を教えてきた。
「ふーん。ほんでな、今は決まったお相手、おるらしぃけどや、おらんかった時って必要な時にお相手、どの辺で探してた? 家の近所? それともこの辺?」
すると佐和が複雑そうな顔をしてくる。
「……あの、小声で話して下さってるのわかりますしぼかして下さってるのもわかるんですが……言い方……」
「言い方? 変やった?」
秋星はニコニコと聞く。佐和以外には聞こえないであろうとわかっていて、あえて先ほどのようなまるでセックスの相手を探しているかのような言い方をしている。第一印象の通り、からかったら少し面白い。邦一とは違った面白さがある。
そう思った後でふと嫌なことに気づいた。セクハラまがいなことをして反応を楽しむなど、まるで柳ではないか。笑みを引っ込めると秋星は真顔になった。
「ごめんなぁ。で、どうなん?」
「……以前は職場からも自宅からも離れた所を選んでましたが……何故そんなことを?」
「ちょっと把握しときたいことあってな。ちなみにどの辺か聞いてもえぇ?」
「構いませんが……」
教えてくれた場所は確かに全然違うビジネス街だった。
「飲み屋はあまり多くなくて、丁度ある程度の時間になるとひっそりと人気がなくなる場所があったんです」
「なるほどなぁ。でもそうやったらあんま女性見つけられんかったんちゃうの」
「はい……ただ俺、何て言うかほんの少しの精力や体液貰うのすら申し訳なさがあって……女性には尚更で……なので男性から頂いてました。男性だけに、大抵は精力でしたけども……」
申し訳なさは秋星にはわからないが、男相手だけにというのはわかる。
秋星が外部で摂取していた時はいつだって女相手だった。柳が言っていたように、確かに魔物は悪魔にしてもその他の魔物にしても性別に拘りを持つ者は少ないだろう。だが栄養の糧にするなら話は違う。体内に入るのだ。好みの味を啜りたい。そして生物学上なのか、例外もあるがどうしたって異性の味が美味しく感じられるのだ。
以前他の魔物と話す機会があった時に「肉を食うのに、いちいちこの肉は雄だ雌だなんて考えないものだが」と言われたことがある。それを言うなら血を飲むのも血液パックから飲むならさほど拘らないかもしれない。だが秋星のように覚醒して以来ほぼ直接人間から摂取していると違う。だから聞いた。
「あんたの好みはウェルダン? レア?」
「は? レアだが……」
「ちょっとちゃうけどな、似たよぉなもんや。あんたかてどぉせ食べるなら完全に火が通ってる肉より、血が滴るよぉな肉のがえぇってことやろ? 俺はどぉせ飲むんやったら大抵色気もへったくれもないごつい硬い男よりな、可愛いらしかったり色っぽかったり、もしくは柔らかそうってだけでもえぇわ、そぉいう女の血が飲みたかったねん」
相手は辛うじて納得したようだった。実際、性対象の性別を拘らないのならあまりわからないのかもしれない。
……ほんまに飲みたいのはクニの血やけどな……。
以前のことを思い出しつつ、秋星はひりつく喉にコクリと自分の唾液を流して誤魔化す。
血が欲しい。
血が──
「教えてくれてありがとぉな。こぉいう内容やから電話で言うんもなぁて思って出向いたねん。それに会ってみたかったしな」
話が聞きたかったのは月梨が言っていたヴァンパイア絡みでだ。もちろん、佐和を疑っているのではない。
そして会ってみたかったのは邦一に来て欲しくない理由のためだ。
以前、佐和と会った邦一が男である佐和を「綺麗」だと言っていた。だから結構興味があった。
女相手ですらあまり興味を抱かないであろう邦一は男に全く興味がない。そんな邦一が綺麗だという相手を見てみたかった。
「俺もお会いしたいと思っていました」
優しい声に秋星はハッとなり佐和を見た。穏やかで優しげな笑みを浮かべる佐和は、確かに綺麗だった。
佐和は更に優しく微笑む。
「……ところで、そろそろ口、ちゃんと開けません?」
「……やっぱ治療、止めへん?」
「治療じゃなくて検診ですよ」
「やっぱ検診、止めへん?」
その邦一は「ついていく」と何度も言ってきたが「花、生けるのにちょっと気分転換したいねん」と断った。
「おはようございます、あと初めまして」
佐和がマスクを外してニッコリと微笑んでくる。秋星も笑みを見せた。
「一応初めまして、センセェ。招待してくれてありがとうやで」
秋星たちヴァンパイアは招かれていない家には入られない。基本的には悪魔もそうだが、そこに住む者に許可を貰わなければならない。
「いえ。このビルの持ち主が居住もここに構えているの、面接もここだった俺は特に意識してませんでした」
いくつかの店舗が入ったビルなら、そこに勤める者の招待でも大丈夫なようだ。現に秋星はビル内の歯科医院に入り、こうして佐和と会っている。ちなみに一度でも招待するとその場所はそこからヴァンパイアに対して門戸を開いたこととなり、いくらでも入ることが出来る。
今回、あらかじめ秋星は古典的ではあるがコウモリを使って佐和に連絡を入れていた。そのため、佐和の依頼により花を届ける形で秋星は足を踏み入れている。ついでに診察しましょうと佐和に言われ、今は診察室にいる。
「今度は良かったら俺の家においでください」
「招いてな」
「もちろん。ところでお話って何でしょうか。俺の親から何か言われました?」
「ちゃうよ」
ふふ、と笑いながら秋星は首を振った。
「招いてくれるセンセェの家ってな、どの辺にあんの?」
「え? あぁ」
何の話だろうといった表情をした後に、それはそうかと佐和は簡単な地名や最寄り駅を教えてきた。
「ふーん。ほんでな、今は決まったお相手、おるらしぃけどや、おらんかった時って必要な時にお相手、どの辺で探してた? 家の近所? それともこの辺?」
すると佐和が複雑そうな顔をしてくる。
「……あの、小声で話して下さってるのわかりますしぼかして下さってるのもわかるんですが……言い方……」
「言い方? 変やった?」
秋星はニコニコと聞く。佐和以外には聞こえないであろうとわかっていて、あえて先ほどのようなまるでセックスの相手を探しているかのような言い方をしている。第一印象の通り、からかったら少し面白い。邦一とは違った面白さがある。
そう思った後でふと嫌なことに気づいた。セクハラまがいなことをして反応を楽しむなど、まるで柳ではないか。笑みを引っ込めると秋星は真顔になった。
「ごめんなぁ。で、どうなん?」
「……以前は職場からも自宅からも離れた所を選んでましたが……何故そんなことを?」
「ちょっと把握しときたいことあってな。ちなみにどの辺か聞いてもえぇ?」
「構いませんが……」
教えてくれた場所は確かに全然違うビジネス街だった。
「飲み屋はあまり多くなくて、丁度ある程度の時間になるとひっそりと人気がなくなる場所があったんです」
「なるほどなぁ。でもそうやったらあんま女性見つけられんかったんちゃうの」
「はい……ただ俺、何て言うかほんの少しの精力や体液貰うのすら申し訳なさがあって……女性には尚更で……なので男性から頂いてました。男性だけに、大抵は精力でしたけども……」
申し訳なさは秋星にはわからないが、男相手だけにというのはわかる。
秋星が外部で摂取していた時はいつだって女相手だった。柳が言っていたように、確かに魔物は悪魔にしてもその他の魔物にしても性別に拘りを持つ者は少ないだろう。だが栄養の糧にするなら話は違う。体内に入るのだ。好みの味を啜りたい。そして生物学上なのか、例外もあるがどうしたって異性の味が美味しく感じられるのだ。
以前他の魔物と話す機会があった時に「肉を食うのに、いちいちこの肉は雄だ雌だなんて考えないものだが」と言われたことがある。それを言うなら血を飲むのも血液パックから飲むならさほど拘らないかもしれない。だが秋星のように覚醒して以来ほぼ直接人間から摂取していると違う。だから聞いた。
「あんたの好みはウェルダン? レア?」
「は? レアだが……」
「ちょっとちゃうけどな、似たよぉなもんや。あんたかてどぉせ食べるなら完全に火が通ってる肉より、血が滴るよぉな肉のがえぇってことやろ? 俺はどぉせ飲むんやったら大抵色気もへったくれもないごつい硬い男よりな、可愛いらしかったり色っぽかったり、もしくは柔らかそうってだけでもえぇわ、そぉいう女の血が飲みたかったねん」
相手は辛うじて納得したようだった。実際、性対象の性別を拘らないのならあまりわからないのかもしれない。
……ほんまに飲みたいのはクニの血やけどな……。
以前のことを思い出しつつ、秋星はひりつく喉にコクリと自分の唾液を流して誤魔化す。
血が欲しい。
血が──
「教えてくれてありがとぉな。こぉいう内容やから電話で言うんもなぁて思って出向いたねん。それに会ってみたかったしな」
話が聞きたかったのは月梨が言っていたヴァンパイア絡みでだ。もちろん、佐和を疑っているのではない。
そして会ってみたかったのは邦一に来て欲しくない理由のためだ。
以前、佐和と会った邦一が男である佐和を「綺麗」だと言っていた。だから結構興味があった。
女相手ですらあまり興味を抱かないであろう邦一は男に全く興味がない。そんな邦一が綺麗だという相手を見てみたかった。
「俺もお会いしたいと思っていました」
優しい声に秋星はハッとなり佐和を見た。穏やかで優しげな笑みを浮かべる佐和は、確かに綺麗だった。
佐和は更に優しく微笑む。
「……ところで、そろそろ口、ちゃんと開けません?」
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「やっぱ検診、止めへん?」
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