彼は最後に微笑んだ

エルヴィン・アルスランは、冷たい牢の中で大切だった家族を思い、打ちひしがれていた。
妹はさんざんつらい思いをした上に出産後亡くなり、弟は反逆罪で斬首刑となった。母親は悲しみのあまり亡くなり、父親は自害した。
エルヴィンも身に覚えのない反逆罪で牢に入れられていた。
せめてかわいい甥だけはどうにか救われて欲しいと願っていた。

そして結局牢の中で毒薬を飲まされ、死んだはず、だった。


だが気づけば生きている。
9歳だった頃の姿となって。

懐かしい弟妹が目の前にいる。
懐かしい両親が楽しそうに笑ってる。

記憶では、彼らは悲しい末路を辿っていたはずだ。
でも彼らも生きている。

これは神の奇跡なのだろうか?
今度は家族を救え、とチャンスを授けてくれたのだろうか?

やり直せるのだろうか。

──そう、エルヴィン・アルスランの時間は18年前に遡っていた。


(R指定の話には話数の後に※印)
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