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閑話
青い夢の続きを見ている
しおりを挟む◆ 鮫島
「ただいまー」
「おかえり、お仕事お疲れさま」
「ふふー鮫ちゃんもお疲れ。お仕事どう?」
少し考えてから「普通」と答えると、俺の彼女は「そっかー」と笑う。
「浮気しちゃダメだよ?」
「何を今さら……」
「今さらじゃないよ、ずっと不安なの。女の子は!」
「はいはい、そうですか。お前も学生に襲われんなよ?」
「あ。襲われるのは楠木先生だから」
「楠木先生、未だに襲われてんのかよ……」
彼女のジャケットを受け取りクローゼットにしまう。彼女は俺の作った夕飯を見ると「すごーい! 金目鯛の煮つけだ! 早く結婚したい!」と喚いた。別に俺はどっちでもいいのだが彼女にとっては自分の戸籍の問題だから、重さが違うんだろう。
「うん、頑張ろうな」
「うん!」
「しんどいときはすぐ言えよ。お前に長く生きてほしいんだよ、俺は。ただでさえ年の差あんだからよ」
「ジジイ扱いしないでくれる?」
「ばーか。してないよ。じゃあ、飯食おうか」
「うん、早く食べたい!」
平和だなと思いながら、彼女の頭を撫でる。この先もこんな風にやっていきたい、この先もこんな風に生きていきたい。ハッピーエンドのその先まで、ちゃんと生きていきたい、と思いながら「大盛りだろ、米?」と聞けば「太らせないで!」と喧嘩になった。
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