身代わり吸魔が暴君騎士に思うこと

鹿音二号

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苦しいのもうれしいのも一緒

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いやーどうにかなるもんだねー『出られない部屋』!
俺はそのネタ知らなかったんだけど、オタク松田くんの叡智が炸裂。
モチーフ?というか明らかに出られない部屋だと言って、色々教えてくれた……2時間くらい話してたな。
いらん知識ばっかり増えたよ!

第六の災禍の見た目はカッコいいよね、元の世界の昔の天使ってああいう感じらしい。
出られない部屋――亜空間に閉じ込められて、陵辱され放題プラスアルファの章。
バッドエンドがここでひとつ用意されていた。ダインにアエリアーナがヤリ殺される。まあ、不思議ではないエンドよな……
もうひとつ、ものすごく珍しいシーンがある。
ラブラブえっちだ。
……冷静に考えたら、なんで今まで散々な目に遭ってきた相手にだいしゅきホールド(これも教えてもらった)かますんだと……あれ?松田、その目はなんだ?
ともかく、さんざんフラグも折ってきたし、選択肢の発生(は今までなかったけどね)を防ぐためにアエリアーナは極力似た会話を避けた。だから、スチルみたいなことはいっさい起こらないだろうと仮定して――

問題は、セオリーでは、それでは出られないってことだ。
じゃあ、どうしたら出られるか――どんな魔法なのか。
この世界、魔法以外の超常現象はごく少数で、分かってるものに亜空間に閉じ込められるようなものはない。
災禍が瘴気を媒体にして発動するなら、その魔法が発動するのは第六の瘴気があるところでしかない。
なぜ、対象を閉じ込めようとするのか――セオリーならえっちさせるためなんだよ……
それだ!って言い出した松田くんを、思わず半眼で見てしまった俺は悪くない。
だが、本当にまじめな話だった。つーか俺の得意分野だった……
ドレインだ。
俺は瘴気でもなんでも吸うが、第六は生体エネルギー……精気、なのでは。
同輩かよ第六ぅ!
なんか同輩がすいまっせん!
……冗談はともかく。

話し合ったのをまとめると、第六の災禍は……
ドレインするために獲物を亜空間に閉じ込める。
獲物を亜空間に捕まえた際、ドレインするエネルギーの通り道が必要。これは魔法。
ドレインの魔法の維持のためには、第六はその場から動けない。
大前提、亜空間は、通り道が健全じゃないと意味がない。
つまり、部屋のどこかにある通り道を作る魔法を壊してしまえば、自動的に脱出できるのでは……と。

もし閉じ込められたままだったら?という俺の質問は、シナリオの強制力があるから問題ないって。
ゲームでシナリオが進行する以上、絶対に第六を倒せるということが証明されている、だって。バッドエンド以外は空間から出られてるんだ。
第六は、獲物を捕まえている間は動けない。だから、俺たちが粘ればおそらくどこにも逃げない。理性がないから、判断力もない。
……行けそうだな。

だが、倒し方を考えないとな。
けど、これも魔法が瘴気と結びついているなら、瘴気をどうにかすればいいんだ。
最悪、亜空間に捕まり脱出を繰り返せば、魔力切れを起こして自滅するのではっていう話まで出た。
あ、ありえるぅ~ドレイン型の弱いところ!補給できなければただの雑魚!
あー虚し。
事前準備は、『通り道』の魔法を壊すための魔道具を買い溜めて、全員装備(魔法使える人と俺はいらないけどね)。こまかい動きを打ち合わせして……

結果……大勝。
予想された範囲でトラブルはあったけど、それは言い出したらきりがないね。俺ももうちょっと判断力をつけなきゃ第六を笑えない。
クリスティナは魔法の改良に熱意を燃やしていたぞ。防壁が壊れた理由は、目撃したフレェイいわく、頭突きで破壊された……と。勢い余ってすこーんと空を飛んでいく第六の頭……ちょっと見たかったな。

俺的には、一度話してみたかったコンラートとサシで話せてよかったよ。色々言ってみたけど、少しは考え直してくれたのか、俺への当たりは少し丸くなった。
……松田に言われたとおり、もうひとつのやつの任務については言わなかったよ。寝た子を起こすつもりはないってな。

ただ……アエリアーナとダインが、仲が悪くなってしまった。
どうしたんだ?って聞いても全然答えてくれない……
最近相談役が板についてきたフレェイに聞いてみても、知らないって……ただ予想はついてるみたい。
まさか、ダインがアエリアーナに手を出したんじゃ……それは、ない、よな?
だったら俺、泣くぞ。



第六も片付いたし、次は第七の災禍――つまり、最後。
締めくくりにふさわしいシナリオ……まあ、厄介ってことだ。
封印の場所が遠くて、けっこう気合い入れて移動しなきゃならないし、作戦ももちろん立てなきゃ……でも、前から松田と話してるし、なんとなく作戦は決まってきてる。
……あとは、まあ、覚悟が必要なのかな、おもに、俺が。
不安がっていても、始まらないんだけど。

第六討伐後、忙しなく旅を再開したその数日後。
野営の場所も決まって準備もし終わった。
じゃあ、あとはなにするかなって、夕暮れの空を見上げてたら――
とつぜん、ぶわっ!って、肌がざわめくような感覚!

「なんだ!?」
「……きゃ!?」

クリスティナが向こうで転がるように尻もちをついた。
その、さらに、向こう――

「……ダイン!?」

と、フレェイだ。
フレェイが、魔法を使っている。彼の前に、あわい光みたいなものが集まっている。魔法防御、だっけ!?
それに向かって、ダインが……拳を振り上げている。

「ダイン!」

俺はとっさに髪を彼の腕に巻きつけた。間に誰もいなくてよかったー当たったらもう無事じゃすまないくらいの威力になってるんだ、髪。
で、その髪を伝って……お、おいしい!?
腰が砕けそう。
え、かなり濃い……瘴気。
よだれを拭いながら、ダインに駆け寄った。
その間に、ダインもふらりと、俺の方に身体を向けた。
……なんで!?目が完全にイッちゃってますが!?

「ダイン!どうし……ぐえっ」

……第四の時のボキボキを思い出す。
ダインの腕が完全に俺の背に回って、ものすごい、力で……い、ぐっ!
……やりやがったぁ!
あ、アエリアーナの浄化魔法だ。うう、今の俺には痛い……っ
っていうか、ほんとに第四のとおりでよくないか!?どうせ無事じゃないだろ、これ。
それくらい、ダインは久しぶりに暴走している。はい!地面に!転がされて!

俺たちふたりを髪で巻いて隔離する。
ドレインも……ふへ、おっと。効果があるし、何より人目につかなくなるからな!
骨折られたところは一箇所だけで、回復済み。すぐに、びりびり服をむしられて……

「……ぁ、ぐ、ぅう!?」

……ってー!?こんな痛かったっけ?
さいきん、ちゃんと、準備待ってくれて、あ、最初からっ、多すぎ……っ!
がんがんうしろから、く、ふぁああ、濃いの!こんな……

「あ、ぁんっ!だ、いんんんぁぁああ!」

ああああおいしいー!
おいしい、ねえ、おいしい!
おなか、すごいっ、いっぱい、しあわせ、あああ……
…………えっ、もうおれ、トんだっ、ふあ、あ、おいしい、うまいぃぃ!
どちゅっ、どちゅっ、ってすごい音……ごんごん、あ、おくに……っ、たたきつけられるみたい、な。
目の前ばちばちって、白っぽくなって、んんん……
きもちいい、こんな、されてもっ、きもちいんだな、おれ。
これが、ダインの叫び?みたいなもんだから……俺が助けてやれるのは、うれしいんだよ、あとごはん……
……
…………
……んあ、あれ、トんで……あふ、ごりゅって、はらんなかあつい……
ん、ダインに抱き締められてる?あ、膝の上乗っ……て、ああ、ダインの顔見れた。すごいかっこだな、ダインにまたがってら。
あんまり、こうやって正面で抱き合えないから……新鮮……ってあれ?

「泣……いて……」

る?
ダイン、泣いてるの?
無表情だけど、汗も流してて、だから見間違え……じゃない。

「ど、した……っ?」

まだがんがん突き上げてくるから、おいしいのも来ちゃって、俺ははふはふ言ってる。

「んあ、だ、いん、なにが………ぁんっ」

止まってー!って言いたいけど、俺も腰ウズウズしちゃって、う、だめ……

「ダイン……!」

気持ちいいのと美味しいのと、あと心配で、グラグラする頭後ろにひっくり返らないように、踏ん張って。

「……っつらいの?苦しい……?」

ダインが泣くところなんて初めて見た。
……泣けるようになったのか。
あんまり悲しすぎると、泣けなくなるって聞いたことある。ダインの場合、そのラインになる前にすでに暴走してただろうし。

手を伸ばしてダインの顔に触る。
相変わらず、美味しいの流れてくるけど……
表情はないけど、目尻から涙が出てきてる。
俺が指で払っても……流れてくる。
あ、でも、目がチカチカ色を変えてる。ほんとにダインの目はちょっと色が変わるんだ。
今は落ち着いた、金色。

「……つらいなら、はいって言ってくれ」
「……はい」
「そっかあ」

ちょっと暴走が収まってるのかな。
素直に答えてくれて、こんな時なのに笑いたくなる。これって、たぶん、愛おしいってやつだな。

「なにが、つらいんだ……?」
「……」

おお、すりって、俺の肩のところに顔をこすりつけてくる。
きゅんって、俺の胸が。

「……お前に、苦しいことを、俺がした」
「うん?」
「時間、途切れて……その間に、俺はお前の同意をもらっていない」
「……?うん?」

えっと、どういうことかな。
俺に、苦しいことをした……ダインが?
……あ!最初のか!?
苦しいっていうかショックはさすがに受けたけど、また懐かしいことを……!
あ、同意って、そういう……ん、ちょっと、腰うごかさないでほしいなーって……はぅ。

「う、うん……っ、そんなこともあった、な」
「俺は……苦しい」

必死な声。こんな声聞いたことない。
俺も苦しくなってくるよ。

「お前に、苦しいことをした、これは、悪いことをしたんだと……」
「ん、うん……っ」

おいしいのが、腹んなかでぶわって。
正直今のほうがつらいよ……!おいしいのが来ててもはっちゃけられない。
ここが正念場だぞ、龍兎!
ダインがせっかく話してくれてるのに!

「そう、だね……じゃあ、ダインは、俺に、どうすればいいと思う……?」
「わ……からない」

そっか?じゃあ、教えてあげような。

「ごめんなさい、って言って」
「……ごめんなさい」

ふ、ほんとに素直だな。

「悪いことしたなーって思ったら、ごめんなさい、すまない、すみません……あーっと、どれか相手に言って」
「……すまない、すみません」
「うん、じゃあ、許してやろう」
「……っ」
「って!あぁん!ちがうけどちがって、な……!ひぃん!」

あう、ぎゅうーって!息できな、!
腰、こしとけるう……!
おなか、ふぁあああしあわせぇ!

「ごめんなさい、すまない、……すまない、」

ずっとブツブツ言ってるけどぉ!お前ほんとに正気っ?
すっご、すっごいのくる!
あ、だめひさびさにおなかいっぱい……
って、このあと3回?くらい、ダインの膝の上でアンアン言ってたけど……
いやほんと、ごちそうさま。

「ぁ……ん、ダイン、ぬいて……」

お腹パンパンだよ……気分的に。
ぐったりダインのおっきい体にもたれてたら、腰掴まれて、ぐいって持ち上げられた。
……んん、もったいない、中のこぼれ……んく。
これは物質です。いっぱい瘴気とか精気とかのエネルギー詰まってて……ほっといても俺完全吸収するみたい。
なんか……俺がエロゲ仕様になってない?まあ、いいけど。

「ん、ダイン、おさまった……?」

……ちょっと瘴気残ってるな。髪で吸っとこ。
抜いてもまだダインは、俺を膝に乗せて抱き締めてる。

「……フレェイに、何か言われたの?」

それしか思いつかない。
っていっても、けっこう真面目にダインの教育に取り組んでるらしいフレェイが、変なことを言ったとは思わないけど。
っていうか、最初のをいけないことだと思って、暴走するくらいはショック受けたってことだよな。成功はしたけど、失敗の結果って……
でも、俺、うれしいんだ。
ダインの中で俺はどうでもよくないやつなんだって分かるからさ。

で、たぶんダインは今、フレェイに何を言われたかという質問をちゃんと理解してる。
そう、別にフレェイはお前におかしなことを言っていない。頭は悪くないんだ、ダイン。

「最初のはよくないけど……でも、俺は……お前のこと、好き、だから」

うおー!言っちゃったー!
顔熱いけど、まあ、いいや。ちゃんと目を見とこ。

「ちゃんとしていいかって、聞いてくれたら俺は大歓迎だよ」

ぽかんって顔してる。
うん、そんな気がしたよ。好きってなんだか分からないんだろ。
だって、お前をちゃんと好きって言ってくれる人、いなかったんだろ。
お母さんは、たぶんちゃんとダインのことを愛してた。でも、ダインがそれを理解して覚えてるかは分からない。
その後なんて……可哀想すぎる人生だったもんな。
目が丸くなってるな、かわいい。

「ダインとこういうことして俺はうれしい。おいしいだけじゃないよ」
「……うれしい?」
「ダインは、俺とこれして、うれしい?」
「……分からない」
「そっか。じゃあ、嫌じゃない?」

ぶんぶんっ、て首を振る。
そうかそうか、アエリアーナより俺って言ったもんな。
ニヤけちまう。

「じゃあ、これは?」

えいっ、って前からしたかったことを、やっちまった。
キス、してやった。
ふうん、ダインの唇、やわらかい。
驚いたのか?ちょっと隙間あいちゃってる……ええい、もう一段階!
舌を入れたら、びくってダインが、震えた。首に腕巻きつけて、閉じちゃった目を開けてみたら、やっぱりびっくりしてるダイン。
あ、舌、触ったな。ちゅーって少し吸ったら(物理的にね)、ぴくぴくって。かわいいじゃん。

「ふ、……なあ、これは嫌だった?」

不思議そうな顔してる。
でも、嫌じゃないのかな、まあもうもっとディープなやつやっちゃってるもんな。
もう一回、確認的にキスしたら……ほお、ダインの舌、俺のに触った。
で、ちゅうちゅう吸ってる……はわ、とろんって金色の目が。
……よかったのか、そっか。
ダインの分身も、なんかまた元気になってる?
ああもう、かわいいな!
いいよ、もう一回な。

「……お前が妊婦になったら、俺が世話する」

……まて、どうして、そうなった。

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