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第二章

6話

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 簡単に傷薬が出来た……私はすぐにステータス画面を開いて調合レシピを開いた。レベル20の解毒薬とは違い、傷薬はレベル1だった。

(レベル1なら調合壺に入れるだけで、調合ができるんだ)

「エルバ、そのキズ薬をアウドラムのオスに塗ってくれ、ワタシは森で狩ってきた魔物を捌くから、ナイフをよろしく」

「うん、わかった」

 サタ様にナイフを渡して、私は大きなアウドラムに近付いた。大きさがファミリーカー位のアウドラム君……コレのお腹周りに傷薬は濡れそうだけど、背中は手が届かず無理。ここはホウキに乗ろうと、アイテムボックスから取り出した。

 そして、近くで肉を捌くサタ様の近くに居る、アール君を呼んだ。

「アール君、ホウキに乗ってアウドラム君の背中に、傷薬塗るから手伝って」

「かしこまりました」

 ピョンと私の肩に乗るアール君、それを見て私は魔力を操りホウキに乗る。ふわりと浮いた体はアウドラムの背中の上を飛んだ――これなら、アウドラム君の背中に手が届きそうだ。

「アウドラム君、今から薬を塗るね。傷薬が少し染みるかもしれないけど、我慢してね」

[……少女よ、わかった]

「ん? いまアウドラム君の言葉がわかった?」
 
「はい、わかりますね。サタ様は知能が高いモンスターと会話が出来ますから」

(あ、そうだ、使い魔契約だ。そういや、サタ様ともしていたの……忘れてたよ)

[どうした、薬を塗らないのか?]
[とーちゃんガンバレ!]
[ガンバ]
[ウウ]
[あなた頑張って]

「じゃ、塗るね」

 ガラスの器を開けて、緑色をした傷薬を指に取り塗った。
 キズに傷薬が染みて痛むのか、アウドラム君がプルプル体を震わした。

[ウッ]
[[とーちゃん?]]
[あなた?]
 
 その下で、妻と子供ちゃん達がお父さんを見ていた。
 彼は弱いお父さんを見せたくないのかな、アウドラム君は子供達と妻に[大丈夫だと]微笑んだ。

「どんどん塗るね」

[……よろしく頼む]

 塗り塗り……しかし、この傷薬よく効く。キズに薬を塗るそばから、キズが一瞬で治っていく。それは大きなキズ、小さなキズも一瞬だった。

(もしかして、あの壺で作ると傷薬も神様仕様になっちゃうとか? そんなわけないっか!)

 ――でも、キズが治る事はいいことだ!

 アール君に魔力を安定をしてもらい、私は大きなアウドラム君の傷に薬を塗って全てのキズを治した。その横でサタ様は大蛇をルンルン楽しそうに、スパスパ解体していた。

 この蛇、この森の奥にいたの?
 ここって、スライムとかゴブリン? 初心者向けじゃないの? いや、アウドラム君のケガが物語っているかも。

「……あ、あのサタ様、その大蛇を今から食べるんだよね」
 
「あぁ食べるぞ、こう硬い皮を剥いで中の肉を食う。癖がなくて美味い。森の奥でコーブラを見つけてな、アールと狩ってきた」

「中々、手強いコーブラでしたね」
「ああ、楽しかったな」

 サタ様はハハハッと笑い、どんなものでも切れる神様仕様のダマスカスナイフで硬い鱗を剥ぎ、中の肉を取り出していく。コーブラのお肉はピンク色をしていて美味しそうだけど、その近くに蛇の顔がゴロンと落ちていて……ゾッとした。

「このコーブラの頭が一番美味い!!」
「えぇ、今から焼肉ですね」

 と、喜ぶ、二人に困惑する。

 アウドラム君もサタ様が捌く、コーブラを見て、

[おお! サタナス様がワガ、天敵を倒してくださった。此奴とは十月十日戦っても勝負がつかなかった好敵手。それを倒すとは――流石、サタナス様だ!!]

 と、サタ様を褒め称えた。

 ちょっと待って、十月十日もコーブラと戦う?

 このアウドラム君も、ただ物じゃない⁉︎
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