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第一章
75話
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私たちが食いついたのを見て、キキはウキウキと魔導具の説明をはじめた。これが『ふれると明かりがついたり消えたりするランタン』から始まり。
「腕につけるだけで別人になれる変化の腕輪」
「魔物呼び笛」
「守りの指輪、鈴」
よく眠れる枕、これで食事を取れば太らないお皿、匂い石、歯痛を抑える石などなど……闘技場でヌヌにつけられていた首輪もモサモサ君作だけど。騎士団は彼に許可をとらず、魔物を捕まえるために使用しているらしい。
都市でも魔導具は見てきたけど、よく眠れる枕、ダイエットができる皿(持った料理が倍に見える仕組みらしい)モサモサ君作の魔導具おもしろい。
「みんなはこの中で欲しいのある?」
「はい、私はよく眠れる枕もいいけど……別人になれる変化の腕輪が欲しいです」
「この笛を吹けば簡単に魔物を呼べるのか? ワタシはこの魔物呼び笛がいい」
「ボクは守りの鈴がいいです。これにリボンをつけて首につければ側にいるだけでエルバ様、サタ様を守れる」
ヌヌは? ……フフ、静かだと思ったらお腹いっぱいで、サタ様のそばで寝ていた。サタ様、アール君もモフモフ、モコモコで可愛いが……魔犬、犬もモフモフで大きくていい。
(眼福、眼福)
「じゃ、エルバちゃん達が私のお願いを聞いてくれるのなら、ひとつずつ持っていってもいいわよ」
「ほんと? お願いを聞けば、この魔道具を貰っていいの?」
キキさんはコクリと頷く。
「私のお願いは、あの子の友達になってほしい……あの子からみんなの側に来たのは……初めてのことなの」
お願いと、グイッときたキキさん。
「…………」
(おう、モサモサ君と友達になるのはいいけど……学園は無理、無理、ムリ)
「僕はすみませんが無理です……苦手な方がいます」
「うむ、ワタシもだ。それにあの子と友になっても、ワタシ達とあの子は種族が違うぞ」
「私だってそうだもの、分かってる。だけど、私はあの子にこの世の中には酷い人ばかりじゃないって、知って欲しい。腹の底から笑って欲しいの」
悲しげな瞳をしてキキさんは『側にいることが無理なら……私の話を聞いて』と話しをはじめた。
❀
モサモサ君は第1王子と言われているけど、実際は側室の子供。長年、国王陛下と王妃に子ができなかった。
『これでは勇者の血が耐えます!』周りに言われて国王は国の公爵家から側室を数人迎え、2年後にモサモサ君が生まれた。
しかし――その1年後に王妃も妊娠して双子を産んだ。
序列でモサモサ君は第一王子になるが。
王妃が産んだ第二王子が、次の国王となることは決まっていた。だが、モサモサ君の能力は初代勇者に匹敵していて、勇者が持っていたとされる『善悪を見破る瞳』をモサモサ君は持って生まれた。
周りは勇者の生まれ変わりだとモサモサ君をはやしたてた。それが兄弟の仲を悪くしたのだ。
双子が周りの言葉を理解するようになってから、モサモサ君をいじめるようになった。年をかさね、いじめが悪意に満ち、モサモサ君の12歳の誕生日に事件は起こる。
誕生会の最中(さなか)モサモサ君の母親が何者かに毒を飲まされ殺された。その犯人が『王妃』なのか『王妃の手のもの』か、はたまた『双子なのか』は『善悪の瞳』を持つモサモサ君しか知らない。
その時から、モサモサ君は言葉を話さなくなったと、キキさんは話した。
「うむ、人の世は何年、いや何百年経っても……変わらないな」
「はい、変わりませんね。僕は魔族に生まれてよかった……」
人に捕まり、300年ものあいだ鳥籠につかまっていた、サタ様は、キキさんの話で当時を思い出したのか……モコモコの体を震え上がられせた。アール君も震えている。
私はどちらかと言うとモサモサ君側だ、規模はちがうけど……どこにでも同じ様な話はあるのだと、ため息をついた。
(モサモサ君が酷い目にあった事はわかるけど、学園はムリ――!)
無責任かもしれないけど……嫌なら前世の私のように時期をみて『逃げてしまえ!』と言いたい。私はそうして、前世1人の城(アパート)を手に入れた。
今はここ世界にいるけど、自分の時間が持てたし、好きなキャンプにもいけた。
モサモサ君だって、魔導具を作る力と勇者の力もある。
行動に移せば違う国に行けるし、冒険者にだってなれる……なんとかなるはず。
本人が『こんなところ嫌だ!』『逃げたい』と言えば手を貸すし、魔法都市にいるママとパパにも相談する。
(学園だけはマジ勘弁です!)
「腕につけるだけで別人になれる変化の腕輪」
「魔物呼び笛」
「守りの指輪、鈴」
よく眠れる枕、これで食事を取れば太らないお皿、匂い石、歯痛を抑える石などなど……闘技場でヌヌにつけられていた首輪もモサモサ君作だけど。騎士団は彼に許可をとらず、魔物を捕まえるために使用しているらしい。
都市でも魔導具は見てきたけど、よく眠れる枕、ダイエットができる皿(持った料理が倍に見える仕組みらしい)モサモサ君作の魔導具おもしろい。
「みんなはこの中で欲しいのある?」
「はい、私はよく眠れる枕もいいけど……別人になれる変化の腕輪が欲しいです」
「この笛を吹けば簡単に魔物を呼べるのか? ワタシはこの魔物呼び笛がいい」
「ボクは守りの鈴がいいです。これにリボンをつけて首につければ側にいるだけでエルバ様、サタ様を守れる」
ヌヌは? ……フフ、静かだと思ったらお腹いっぱいで、サタ様のそばで寝ていた。サタ様、アール君もモフモフ、モコモコで可愛いが……魔犬、犬もモフモフで大きくていい。
(眼福、眼福)
「じゃ、エルバちゃん達が私のお願いを聞いてくれるのなら、ひとつずつ持っていってもいいわよ」
「ほんと? お願いを聞けば、この魔道具を貰っていいの?」
キキさんはコクリと頷く。
「私のお願いは、あの子の友達になってほしい……あの子からみんなの側に来たのは……初めてのことなの」
お願いと、グイッときたキキさん。
「…………」
(おう、モサモサ君と友達になるのはいいけど……学園は無理、無理、ムリ)
「僕はすみませんが無理です……苦手な方がいます」
「うむ、ワタシもだ。それにあの子と友になっても、ワタシ達とあの子は種族が違うぞ」
「私だってそうだもの、分かってる。だけど、私はあの子にこの世の中には酷い人ばかりじゃないって、知って欲しい。腹の底から笑って欲しいの」
悲しげな瞳をしてキキさんは『側にいることが無理なら……私の話を聞いて』と話しをはじめた。
❀
モサモサ君は第1王子と言われているけど、実際は側室の子供。長年、国王陛下と王妃に子ができなかった。
『これでは勇者の血が耐えます!』周りに言われて国王は国の公爵家から側室を数人迎え、2年後にモサモサ君が生まれた。
しかし――その1年後に王妃も妊娠して双子を産んだ。
序列でモサモサ君は第一王子になるが。
王妃が産んだ第二王子が、次の国王となることは決まっていた。だが、モサモサ君の能力は初代勇者に匹敵していて、勇者が持っていたとされる『善悪を見破る瞳』をモサモサ君は持って生まれた。
周りは勇者の生まれ変わりだとモサモサ君をはやしたてた。それが兄弟の仲を悪くしたのだ。
双子が周りの言葉を理解するようになってから、モサモサ君をいじめるようになった。年をかさね、いじめが悪意に満ち、モサモサ君の12歳の誕生日に事件は起こる。
誕生会の最中(さなか)モサモサ君の母親が何者かに毒を飲まされ殺された。その犯人が『王妃』なのか『王妃の手のもの』か、はたまた『双子なのか』は『善悪の瞳』を持つモサモサ君しか知らない。
その時から、モサモサ君は言葉を話さなくなったと、キキさんは話した。
「うむ、人の世は何年、いや何百年経っても……変わらないな」
「はい、変わりませんね。僕は魔族に生まれてよかった……」
人に捕まり、300年ものあいだ鳥籠につかまっていた、サタ様は、キキさんの話で当時を思い出したのか……モコモコの体を震え上がられせた。アール君も震えている。
私はどちらかと言うとモサモサ君側だ、規模はちがうけど……どこにでも同じ様な話はあるのだと、ため息をついた。
(モサモサ君が酷い目にあった事はわかるけど、学園はムリ――!)
無責任かもしれないけど……嫌なら前世の私のように時期をみて『逃げてしまえ!』と言いたい。私はそうして、前世1人の城(アパート)を手に入れた。
今はここ世界にいるけど、自分の時間が持てたし、好きなキャンプにもいけた。
モサモサ君だって、魔導具を作る力と勇者の力もある。
行動に移せば違う国に行けるし、冒険者にだってなれる……なんとかなるはず。
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