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開拓とは一大事業である。
『大地を拓く』と簡単に言っても、未開の地においては並大抵の事では無い。
悠久の年月を過酷な自然の中で鍛えられた大地は石のように固い。
また山野にはそんな世界を生き抜いて来た屈強な野獣、魔物が潜んでいる。
まず第一に、切り拓くに値する場所を慎重に見定めなければならない。
それが終わってからようやく家や畑の作成だ。
時間は有限であり、余裕など無い。
最初の数か月の間に、その冬を越せるだけの準備を整えねばならないのである。
最初の年度は畑の下準備が出来れば上々というものだ。
作物の植え付け時期など過ぎているし、始めたばかりの畑は土の状態も悪い。
限られた物資を切り崩し、幾人かを犠牲にしながら数年を過ごすのである。
エレノアが押し込められた開拓地、ヴァイス村の事情は更に劣悪だった。
悪女に対する罰としての性質が強く、碌な支援が期待できない。
物資は通常よりも少なく、何があっても誰の助けも訪れない。
今年の冬はまず乗り切れないであろう死地である、とすら言えた。
それが現実――な筈だった。
だが今実際にヴァイス村の人々の目に映るのは、そんな灰色の現実などでは無く、黄金色に輝く一面の畑。
まだ春先になったばかり、それも開拓一年目だというのに。
そんな信じられない光景が、村中の畑に広がっていた。
「よいしょ、っと!」
そしてそんな黄金色の現実は、今なお増殖中である。
その大本となっているのは一人の少女。
王子ビョルンに婚約を破棄され、貴族籍すら奪われたエレノアだった。
「お嬢さまぁ! 今度はこちらの方をお願いします!」
「はぁい。すぐに行きますわ」
エレノアと開拓村の農夫は気安い感じでそんなやり取りを交わす。
ひと月ほど経った今では、もう彼らの間のエレノアに対する余所余所しい隔意など消え去っていた。
開拓においてこの上なく有用な能力をエレノアが持っている事が知れたし、それを十分に使えばヴァイス村の行方はバラ色だという事は分かり切っている。
そして何より、エレノア自身がよく働く。
彼らと同じく朝早くに目覚め、誰よりも懸命に仕事をする。
それは仲間としての連帯感を育むのには十分な証だった。
エレノアの持つ不思議な力は、容易く大地を耕すだけでは無かった。
そこにエレノア自身が種を撒き、水を与えると驚異的な速度で作物が育つのだ。
早い物なら三日、遅い物でも数週間。
カブや豆から畑を慣らし、小麦を植えられるようになるまでそう時間は掛からなかった。
「これで畑の方は一段落ですわね」
「お疲れ様でございます」
牧歌的な村娘が敬意を払いながら、しかし慣れ親しんだ様子で差し出した杯に、エレノアは唇を湿らせながら話を続ける。
「刈り入れが終わったら今度は牧草でも植えましょうか」
つい先日近隣から様子を見に来た旅商人が居た。
口をあんぐりと開けてしばし呆けた後、持ってきた食料品が無駄になった事をしきりに嘆いていた。
きっと今頃は街に戻り、この村の状況も伝わっている事だろう。
「ああ、あの商人ですか。最初はこちらの足元を見て、相当吹っ掛けて来たって聞きましたよ」
村娘は眉を顰め、不機嫌な顔を作っている。
元貴族がいる、と聞いて貴金属の一つくらいはある筈だとタカリに来たのだ。
「商人ってそういうものじゃありませんの? 当ては外れたようですが」
「私たち相手ならそれも良いですけど、お嬢様相手にそれはダメですよぉ!」
「別に今は平民なんだから良いじゃない」
「それでもやっぱり、ダメなんです!」
頬を膨らませる村娘に、エレノアは困ったような笑みを向けた。
気持ちは有難いが、これからはそんな事があっても伝手を大事に使わなければならないのだ。
あの商人にしても、ありもしないお目当ての宝石など与えられなかったが、損失が埋められる程度の取引はしてやったのはその為だ。
「次は家畜を持ってくるようにお願いしたのよ」
だからこそ、次は家畜の飼料としての牧草。
冬場でも卵や乳が取れれば、食料供給の幅がぐっと広がるというもの。
それに畑もこのまま肥料無しで続けて問題が無いのか分からない、という事情もあった。
「一番近くの町、と言っても相当遠いですからねぇ。夏まで掛かるんじゃないですか?」
そう言われてエレノアはしばし考え込んだが、やはり家畜を求めるべきだと結論付けた。
冬入り前に飼料が揃えられなくなって家畜を処分する家などザラだ。
どんなに遅くとも、秋口には家畜を手に入れる機会は訪れる。
「うーん、それじゃあ売却用の作物を蓄えますか」
「ええっ? もうこれだけあれば十分じゃありませんか」
「今後の取引まで視野に入れれば、まだまだ足りません」
黄金色の畑を見ながら、村娘は苦笑いをしている。
確かに、そう考えるのが普通だろう。
普通の村一つが食べていくのには十分な作物があるし、此処は開拓村。
まだ数年は税も免除される。
余裕は今の状態でも十分だと言えた。
しかしエレノアからすれば足りない。
これでも、全くもって足りてはいないのである。
その理由は前世の記憶、『リスティ・ワールド』の知識にあった。
もうじき『魔神』と呼ばれる存在が完全に復活する。
その前兆である今の段階でも、世に魔物が溢れて人々は四苦八苦している。
此処に更なる混乱が加われば、辺境の小さな村が悲惨な目に見舞う事など想像に難くない。
――それに、王子。
(これで溜飲が下がる事は無いでしょうしねえ……)
『ゲーム』とはこの現実は、色々と状況が違っている。
エレノアは苦境など跳ねのけているし、陰で王子たちの強引な振る舞いを揶揄する声も少なからずあるという。
エレノアの母方の実家をはじめ、あの婚約破棄騒動で割を食った貴族は多い。
ここで『魔神』などが顕れれば、さぞ混沌とした状況へ陥る事は必至だ。
その時、限界が来た王子が何をしでかすか。
(何としても蓄えを作らないと)
実弾は多ければ多いほど良い。
食料や金の他にも、鉄や防御施設の構築も必要だ。
「魔物も多いですからね。畑以外にもやる事は沢山あります」
エレノアは村娘にそう告げると、休憩を切り上げた。
つるはしを持ち、他の作業をしている農夫たちの方へと足を向ける。
「お嬢様? そちらは畑では無く家の予定地ですよ」
「クワで小突いた後の方が地ならしも楽でしょう。ほどほどにしておきますから」
せめて今の内に村の基礎だけでも整えよう。
エレノアはそう心に決めて、今後の予定を切り詰める算段を付けていく。
王子に魔物、エレノアを脅かす存在はまだいくらでも存在しているのだから。
◆
エレノアはまだ知らない。
自分が真実村人たちにどう思われているかという事を。
当初こそエレノアは神の御使いと呼べる聖女を害した悪だった。
ヴァイスの村人がそれでもエレノアに対する姿勢を崩さなかったのは、それが自分たちの誇りとする血だったからだ。
民の心が向く先は、顔も知らない遠くの王族などでは無い。
その誇りが罪を犯して、傷がついた。
ヴァイスの村人たちは、自らの手で更に打ち砕くのを善しとしなかったのである。
言ってしまえば、ただ己が為の意地。
騎士のような滅私の崇拝などではなく、もっと意地汚くて切実なものの為だった。
だがエレノアはそんな事を知ってか知らずか、村人たちの為に土で汚れる事を厭わなかった。
そしてその献身は、黄金色の奇跡として現実に実を結んでいる。
これに村人たちは感激し、そして強く己を恥じた。
エレノアの献身もさることながら、傍から見ればこれは神の奇跡と言っても過言ではない。
己の罪を認めなかったエレノアに、神話の如き豊穣の力が宿っているのである。
であれば、あの強引な王子たちの騒動は何だったのか。
聖女を擁するとは言っても、彼女が具体的に何か偉業を成し遂げた事など無い。
「父ちゃん、お嬢様がまた……」
「少しはオレ達に任せてお休みになって欲しいんだが……」
「村の為にはやっぱり家畜が必要なんだってさ」
「そうか」
農夫はそう小さく呟くと、覚悟を決めた。
お嬢様がそう決めたのなら、とことんまで付き合う覚悟だ。
非礼を詫びて、頭を下げるのは簡単だ。
だがそんな事だけでは気が収まらない。
黙して汗を掻き、行動で示さなければならない。
「そうなると、でっかい倉庫も必要だなぁ」
「……どう考えても、ここまで急ぐのは魔物のせいだけじゃあないよね?」
「そりゃな」
王子をはじめ、国が動く事を念頭に置いている。
村人たちからしても、そんな事は明らかだった。
「お嬢様のお力の事も、すぐ知れ渡るだろうしな」
「それであっちがお嬢様を引き渡せって言ってきたらどうする?」
「そりゃ、おめえ……」
二人の親子は明るい日差しの元、昏い顔で微笑み会うのだった。
『大地を拓く』と簡単に言っても、未開の地においては並大抵の事では無い。
悠久の年月を過酷な自然の中で鍛えられた大地は石のように固い。
また山野にはそんな世界を生き抜いて来た屈強な野獣、魔物が潜んでいる。
まず第一に、切り拓くに値する場所を慎重に見定めなければならない。
それが終わってからようやく家や畑の作成だ。
時間は有限であり、余裕など無い。
最初の数か月の間に、その冬を越せるだけの準備を整えねばならないのである。
最初の年度は畑の下準備が出来れば上々というものだ。
作物の植え付け時期など過ぎているし、始めたばかりの畑は土の状態も悪い。
限られた物資を切り崩し、幾人かを犠牲にしながら数年を過ごすのである。
エレノアが押し込められた開拓地、ヴァイス村の事情は更に劣悪だった。
悪女に対する罰としての性質が強く、碌な支援が期待できない。
物資は通常よりも少なく、何があっても誰の助けも訪れない。
今年の冬はまず乗り切れないであろう死地である、とすら言えた。
それが現実――な筈だった。
だが今実際にヴァイス村の人々の目に映るのは、そんな灰色の現実などでは無く、黄金色に輝く一面の畑。
まだ春先になったばかり、それも開拓一年目だというのに。
そんな信じられない光景が、村中の畑に広がっていた。
「よいしょ、っと!」
そしてそんな黄金色の現実は、今なお増殖中である。
その大本となっているのは一人の少女。
王子ビョルンに婚約を破棄され、貴族籍すら奪われたエレノアだった。
「お嬢さまぁ! 今度はこちらの方をお願いします!」
「はぁい。すぐに行きますわ」
エレノアと開拓村の農夫は気安い感じでそんなやり取りを交わす。
ひと月ほど経った今では、もう彼らの間のエレノアに対する余所余所しい隔意など消え去っていた。
開拓においてこの上なく有用な能力をエレノアが持っている事が知れたし、それを十分に使えばヴァイス村の行方はバラ色だという事は分かり切っている。
そして何より、エレノア自身がよく働く。
彼らと同じく朝早くに目覚め、誰よりも懸命に仕事をする。
それは仲間としての連帯感を育むのには十分な証だった。
エレノアの持つ不思議な力は、容易く大地を耕すだけでは無かった。
そこにエレノア自身が種を撒き、水を与えると驚異的な速度で作物が育つのだ。
早い物なら三日、遅い物でも数週間。
カブや豆から畑を慣らし、小麦を植えられるようになるまでそう時間は掛からなかった。
「これで畑の方は一段落ですわね」
「お疲れ様でございます」
牧歌的な村娘が敬意を払いながら、しかし慣れ親しんだ様子で差し出した杯に、エレノアは唇を湿らせながら話を続ける。
「刈り入れが終わったら今度は牧草でも植えましょうか」
つい先日近隣から様子を見に来た旅商人が居た。
口をあんぐりと開けてしばし呆けた後、持ってきた食料品が無駄になった事をしきりに嘆いていた。
きっと今頃は街に戻り、この村の状況も伝わっている事だろう。
「ああ、あの商人ですか。最初はこちらの足元を見て、相当吹っ掛けて来たって聞きましたよ」
村娘は眉を顰め、不機嫌な顔を作っている。
元貴族がいる、と聞いて貴金属の一つくらいはある筈だとタカリに来たのだ。
「商人ってそういうものじゃありませんの? 当ては外れたようですが」
「私たち相手ならそれも良いですけど、お嬢様相手にそれはダメですよぉ!」
「別に今は平民なんだから良いじゃない」
「それでもやっぱり、ダメなんです!」
頬を膨らませる村娘に、エレノアは困ったような笑みを向けた。
気持ちは有難いが、これからはそんな事があっても伝手を大事に使わなければならないのだ。
あの商人にしても、ありもしないお目当ての宝石など与えられなかったが、損失が埋められる程度の取引はしてやったのはその為だ。
「次は家畜を持ってくるようにお願いしたのよ」
だからこそ、次は家畜の飼料としての牧草。
冬場でも卵や乳が取れれば、食料供給の幅がぐっと広がるというもの。
それに畑もこのまま肥料無しで続けて問題が無いのか分からない、という事情もあった。
「一番近くの町、と言っても相当遠いですからねぇ。夏まで掛かるんじゃないですか?」
そう言われてエレノアはしばし考え込んだが、やはり家畜を求めるべきだと結論付けた。
冬入り前に飼料が揃えられなくなって家畜を処分する家などザラだ。
どんなに遅くとも、秋口には家畜を手に入れる機会は訪れる。
「うーん、それじゃあ売却用の作物を蓄えますか」
「ええっ? もうこれだけあれば十分じゃありませんか」
「今後の取引まで視野に入れれば、まだまだ足りません」
黄金色の畑を見ながら、村娘は苦笑いをしている。
確かに、そう考えるのが普通だろう。
普通の村一つが食べていくのには十分な作物があるし、此処は開拓村。
まだ数年は税も免除される。
余裕は今の状態でも十分だと言えた。
しかしエレノアからすれば足りない。
これでも、全くもって足りてはいないのである。
その理由は前世の記憶、『リスティ・ワールド』の知識にあった。
もうじき『魔神』と呼ばれる存在が完全に復活する。
その前兆である今の段階でも、世に魔物が溢れて人々は四苦八苦している。
此処に更なる混乱が加われば、辺境の小さな村が悲惨な目に見舞う事など想像に難くない。
――それに、王子。
(これで溜飲が下がる事は無いでしょうしねえ……)
『ゲーム』とはこの現実は、色々と状況が違っている。
エレノアは苦境など跳ねのけているし、陰で王子たちの強引な振る舞いを揶揄する声も少なからずあるという。
エレノアの母方の実家をはじめ、あの婚約破棄騒動で割を食った貴族は多い。
ここで『魔神』などが顕れれば、さぞ混沌とした状況へ陥る事は必至だ。
その時、限界が来た王子が何をしでかすか。
(何としても蓄えを作らないと)
実弾は多ければ多いほど良い。
食料や金の他にも、鉄や防御施設の構築も必要だ。
「魔物も多いですからね。畑以外にもやる事は沢山あります」
エレノアは村娘にそう告げると、休憩を切り上げた。
つるはしを持ち、他の作業をしている農夫たちの方へと足を向ける。
「お嬢様? そちらは畑では無く家の予定地ですよ」
「クワで小突いた後の方が地ならしも楽でしょう。ほどほどにしておきますから」
せめて今の内に村の基礎だけでも整えよう。
エレノアはそう心に決めて、今後の予定を切り詰める算段を付けていく。
王子に魔物、エレノアを脅かす存在はまだいくらでも存在しているのだから。
◆
エレノアはまだ知らない。
自分が真実村人たちにどう思われているかという事を。
当初こそエレノアは神の御使いと呼べる聖女を害した悪だった。
ヴァイスの村人がそれでもエレノアに対する姿勢を崩さなかったのは、それが自分たちの誇りとする血だったからだ。
民の心が向く先は、顔も知らない遠くの王族などでは無い。
その誇りが罪を犯して、傷がついた。
ヴァイスの村人たちは、自らの手で更に打ち砕くのを善しとしなかったのである。
言ってしまえば、ただ己が為の意地。
騎士のような滅私の崇拝などではなく、もっと意地汚くて切実なものの為だった。
だがエレノアはそんな事を知ってか知らずか、村人たちの為に土で汚れる事を厭わなかった。
そしてその献身は、黄金色の奇跡として現実に実を結んでいる。
これに村人たちは感激し、そして強く己を恥じた。
エレノアの献身もさることながら、傍から見ればこれは神の奇跡と言っても過言ではない。
己の罪を認めなかったエレノアに、神話の如き豊穣の力が宿っているのである。
であれば、あの強引な王子たちの騒動は何だったのか。
聖女を擁するとは言っても、彼女が具体的に何か偉業を成し遂げた事など無い。
「父ちゃん、お嬢様がまた……」
「少しはオレ達に任せてお休みになって欲しいんだが……」
「村の為にはやっぱり家畜が必要なんだってさ」
「そうか」
農夫はそう小さく呟くと、覚悟を決めた。
お嬢様がそう決めたのなら、とことんまで付き合う覚悟だ。
非礼を詫びて、頭を下げるのは簡単だ。
だがそんな事だけでは気が収まらない。
黙して汗を掻き、行動で示さなければならない。
「そうなると、でっかい倉庫も必要だなぁ」
「……どう考えても、ここまで急ぐのは魔物のせいだけじゃあないよね?」
「そりゃな」
王子をはじめ、国が動く事を念頭に置いている。
村人たちからしても、そんな事は明らかだった。
「お嬢様のお力の事も、すぐ知れ渡るだろうしな」
「それであっちがお嬢様を引き渡せって言ってきたらどうする?」
「そりゃ、おめえ……」
二人の親子は明るい日差しの元、昏い顔で微笑み会うのだった。
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