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一話おまけ話
元通りの日常
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「いつか、今すぐ氷を溶かすからね!」
僕はクロおじいちゃんと一緒にラキタの病院にいた。
おじいちゃんがくれた青い炎で作った弾を氷に撃ち込むとみるみる氷が溶けていく。
よかった、成功だ!
しばらくして、いつかが気が付いた。
「クー?」
「いつかぁぁ!!」
僕は彼女に駆け寄った。いつかに抱きつくと優しく頭を撫でられる。
「クー、解決できたんだね。
ありがとう」
「いつかが邪魔をしてくれたからだよ」
僕はしばらくいつかにべったりしていた。
もう15歳にもなるのに、僕はこうやってトキやいつかにべったりで恥ずかしくなる気持ちもある。
自立という言葉もわかっていたけど、そのステップに進むのが、すごく怖かった。
トキもいつかも早いうちから仕事をしているし、僕なんか到底敵わない。
「クー、お医者様を呼んでくれる?」
いつかにそう言われて、僕は気が付いた。
いつかはさっき起きたばかりだった。
ナースステーションに向かうと看護師さんたちが慌ただしく働いている。
「あのう、すみません」
声をかけると、一人の看護師さんが気が付いてくれた。
「逸花さまね」
彼女はウインクをして受話器に耳を当てる。
先生を呼んでくれているようだ。
よかった。
診察の結果、逸花は点滴を受けてから帰ることになった。ずっとご飯も食べられていなかったし無理もない。
「トキはもうすぐ来るよ」
確か、端末にそんなメッセージが来ていた。
「ねぇ、クー。ラキタではどうしていたの?
僕にお話して?」
まだ点滴が終わるまでに時間がかかりそうだ。
僕はラキタでのことをいつかとクロおじいちゃんに話した。
「クー、大活躍だったね」
「よくやったな」
二人に褒められて僕は照れた。
ガララ、とドアが開く。トキだ。
「逸花」
「トキ」
二人が見つめ合っている。
あ、これいちゃいちゃするやつだ。
「クロおじいちゃん、ジュース買ってよー!」
「ほほ。そうするかの」
いつかを独り占めにしたいのは僕だけじゃない。たまにはトキに譲ってあげないとね。
「クー、お前さん、青い炎を習得したいか?」
ジュースを飲んでいたら、クロおじいちゃんが突然言った。
「僕にもできるの?」
「ふむ、まだ季節は先じゃが、ドラゴンには試練があるのよ」
今は廃れている方法らしい。
でも僕はやってみたくなった。
「おじいちゃん、それ、僕やりたい!」
「わかった。毎日鍛錬を怠らぬようにな」
「はーい!」
もっと強くなりたい。僕は走り続けよう。
一話完
僕はクロおじいちゃんと一緒にラキタの病院にいた。
おじいちゃんがくれた青い炎で作った弾を氷に撃ち込むとみるみる氷が溶けていく。
よかった、成功だ!
しばらくして、いつかが気が付いた。
「クー?」
「いつかぁぁ!!」
僕は彼女に駆け寄った。いつかに抱きつくと優しく頭を撫でられる。
「クー、解決できたんだね。
ありがとう」
「いつかが邪魔をしてくれたからだよ」
僕はしばらくいつかにべったりしていた。
もう15歳にもなるのに、僕はこうやってトキやいつかにべったりで恥ずかしくなる気持ちもある。
自立という言葉もわかっていたけど、そのステップに進むのが、すごく怖かった。
トキもいつかも早いうちから仕事をしているし、僕なんか到底敵わない。
「クー、お医者様を呼んでくれる?」
いつかにそう言われて、僕は気が付いた。
いつかはさっき起きたばかりだった。
ナースステーションに向かうと看護師さんたちが慌ただしく働いている。
「あのう、すみません」
声をかけると、一人の看護師さんが気が付いてくれた。
「逸花さまね」
彼女はウインクをして受話器に耳を当てる。
先生を呼んでくれているようだ。
よかった。
診察の結果、逸花は点滴を受けてから帰ることになった。ずっとご飯も食べられていなかったし無理もない。
「トキはもうすぐ来るよ」
確か、端末にそんなメッセージが来ていた。
「ねぇ、クー。ラキタではどうしていたの?
僕にお話して?」
まだ点滴が終わるまでに時間がかかりそうだ。
僕はラキタでのことをいつかとクロおじいちゃんに話した。
「クー、大活躍だったね」
「よくやったな」
二人に褒められて僕は照れた。
ガララ、とドアが開く。トキだ。
「逸花」
「トキ」
二人が見つめ合っている。
あ、これいちゃいちゃするやつだ。
「クロおじいちゃん、ジュース買ってよー!」
「ほほ。そうするかの」
いつかを独り占めにしたいのは僕だけじゃない。たまにはトキに譲ってあげないとね。
「クー、お前さん、青い炎を習得したいか?」
ジュースを飲んでいたら、クロおじいちゃんが突然言った。
「僕にもできるの?」
「ふむ、まだ季節は先じゃが、ドラゴンには試練があるのよ」
今は廃れている方法らしい。
でも僕はやってみたくなった。
「おじいちゃん、それ、僕やりたい!」
「わかった。毎日鍛錬を怠らぬようにな」
「はーい!」
もっと強くなりたい。僕は走り続けよう。
一話完
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