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Scene18 スペース刑事見習いキャンディーと俺の地下通路

第109話

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通路は長く続く。
俺の感覚では大分下に降りて来ている。
おかしなことに下に行くにつれ通路はしっかりして来ている様だ。

入り口ではボロイ急拵えのような石段だった。
周りの壁も歪んで洞窟の様だった。
今は立派な階段。
周りの壁もしっかりした白い石で出来ている。
神殿のような雰囲気。

地底神殿。
いや通路は方角的に海の方向へ下っていた。
海底神殿。

神殿をしっかりと造り上げ、地上への階段は急拵え。
つまりこの通路を使わず元から海底に神殿を造っていた。
海底に神殿を造り上げる何かが存在する。
地上への通路は後から造られた。

インスマス人。
奴らの言うDeep Ones様か。
ウツは水棲人と言っていた。

「どうやら階段は終わりだな」
「もう足の裏が痛いわよ」

ゲンとキャンディーが言う。
キャンディーは水着から伸びた生足を抱え込み、足の裏をさすってる。
この女は裸足。
裸足で石段を降りて来たのだ。
そりゃ痛いだろう。
二人きりなら俺も足をさすってあげたいところだが。
今は敵の本拠地。
そうもいかない。


「キサマラ、ナゼココヘ」
「オノレ神聖ナ海底神殿ヘ入リ込ムトハ」

不気味な輩が俺を見て声を上げる。
見張りだろうか。
4人の男。


「超電磁原子核融合殺戮剣!」

物騒なセリフとともにスペース刑事ゲンが剣を閃かせる。
光の剣。
アメリカ映画では『ライトセイバー』。
日本のアニメでは『ビームサーベル』。
特撮ヒーローでは『レーザーブレード』だったか。
ウツは『プラズマソード』くらいに思っとけばいいんじゃないと言っていたな。

大した攻撃力だ。
軽く振っただけに見えるのに、男の上半身を切り裂く。
ゲンは光る剣を構え気取ったポーズ。
『プラズマソード』を振るう銀の鎧の戦士。
スペース刑事ゲン。

相手は一人では無い。
俺も黒いバットを振って加勢する。
目が離れ両生類を思わす面相の男。
男の身体にバットを叩きつける。

「グガァッ」

バットの攻撃だ。
致命傷では無いだろうが、相手は倒れる。

キャンディーは俺の後ろに隠れてる。

「お前、高電磁熱線殺傷銃はどうしたんだ?」
「この服装じゃ隠せないでしょ。
 持って来て無いわよ」

キャンディーはどうやら武装して無いらしい。
にしても武器の名前が物騒だな。
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