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Scene09 五古河逆と俺の夜の保健室
第54話
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「そいで魔法陣から現れたゴーレムと魔術師はどうしたのかな」
ウツが楽しそうに言う。
たかが、ゴーレムだろう。
何をはしゃいでいるのだ。
モニターには大きいウインドウが二つ。
同時進行してる。
一つは十数分前のもの、一つは現在。
現在の画面では逆とネコらしき死体が戦っている。
こちらは心配する必要は無さそうだ。
逆は死体を圧倒している。
下着のみでしなやかな肉体を晒している五古河逆。
筋肉が付き引き締まった身体。
身体が躍動する。
跳ね上げる蹴り。
ハイキック。
回し蹴り。
死体が近付くたびに逆は蹴り飛ばしている。
ゾンビと戦っていたネコは拳銃を使っていた。
拳銃を持たない死体は逆の敵ではない。
問題なのは円花の方。
ネコらしき死体を見て動揺している。
「ネコ、ネコ!」と必死で叫んでいる。
子供の頃から面倒を見て貰ったと言っていた。
そんな女性が死体となって自分を襲ってくる。
ショックを受けているのだ。
馬鹿だな。
それはただの死体だ。
ネコだった物、今はネコでは無い。
あの愉快な人物だった猫屋敷三毛寝子はもういない。
目の前に在るのはただの物体。
そう割り切るんだ。
俺はそう思うが円花はまだ17歳の少女だ。
俺の様に簡単にはいかないのだろう。
後で慰めてやるとしよう。
そう言えば俺も先程まで少しイラだっていた気がする。
今の俺は平静を取り戻している。
ふむ。
ウツのおかげかもしれないな。
正確に言うとウツの肉体に好き勝手させて貰ったおかげ。
「見てみて、真悟くん。
魔術師ってば魔法陣を使ってるよ」
十数分前の映像では黒いローブを着た人影がネコだった死体に近付く。
先程のゴーレムと似たような象形文字が空中に浮かぶ。
ネコだったモノに象形文字が幾何学的文様が貼りつく。
「骸よ。我に従え。偽りの生命を与えよう。
我の名はミクトランテクゥト。死霊術師ミクトランテクゥト。
闇夜に蠢く亡霊。魔王様の栄えある四将の一員。
其方は我の操り人形となるのだ」
現在の映像。
そこでは逆が何度もネコだったモノを蹴り飛ばす。
しかしメイド服を着た物体は起き上がり、円花を襲う。
「無駄な事よ。幾らやろうとも、そんな攻撃は効かぬ。
そやつは我の操り人形。
このミクトランテクゥトの操り人形なのだから」
メイド服の後ろに隠れた黒い人影が叫んでいた。
ウツが楽しそうに言う。
たかが、ゴーレムだろう。
何をはしゃいでいるのだ。
モニターには大きいウインドウが二つ。
同時進行してる。
一つは十数分前のもの、一つは現在。
現在の画面では逆とネコらしき死体が戦っている。
こちらは心配する必要は無さそうだ。
逆は死体を圧倒している。
下着のみでしなやかな肉体を晒している五古河逆。
筋肉が付き引き締まった身体。
身体が躍動する。
跳ね上げる蹴り。
ハイキック。
回し蹴り。
死体が近付くたびに逆は蹴り飛ばしている。
ゾンビと戦っていたネコは拳銃を使っていた。
拳銃を持たない死体は逆の敵ではない。
問題なのは円花の方。
ネコらしき死体を見て動揺している。
「ネコ、ネコ!」と必死で叫んでいる。
子供の頃から面倒を見て貰ったと言っていた。
そんな女性が死体となって自分を襲ってくる。
ショックを受けているのだ。
馬鹿だな。
それはただの死体だ。
ネコだった物、今はネコでは無い。
あの愉快な人物だった猫屋敷三毛寝子はもういない。
目の前に在るのはただの物体。
そう割り切るんだ。
俺はそう思うが円花はまだ17歳の少女だ。
俺の様に簡単にはいかないのだろう。
後で慰めてやるとしよう。
そう言えば俺も先程まで少しイラだっていた気がする。
今の俺は平静を取り戻している。
ふむ。
ウツのおかげかもしれないな。
正確に言うとウツの肉体に好き勝手させて貰ったおかげ。
「見てみて、真悟くん。
魔術師ってば魔法陣を使ってるよ」
十数分前の映像では黒いローブを着た人影がネコだった死体に近付く。
先程のゴーレムと似たような象形文字が空中に浮かぶ。
ネコだったモノに象形文字が幾何学的文様が貼りつく。
「骸よ。我に従え。偽りの生命を与えよう。
我の名はミクトランテクゥト。死霊術師ミクトランテクゥト。
闇夜に蠢く亡霊。魔王様の栄えある四将の一員。
其方は我の操り人形となるのだ」
現在の映像。
そこでは逆が何度もネコだったモノを蹴り飛ばす。
しかしメイド服を着た物体は起き上がり、円花を襲う。
「無駄な事よ。幾らやろうとも、そんな攻撃は効かぬ。
そやつは我の操り人形。
このミクトランテクゥトの操り人形なのだから」
メイド服の後ろに隠れた黒い人影が叫んでいた。
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