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039:魔導書の魔法
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ゲーネッツが見つけた魔物の痕跡はゴブリンのものだった。今はゲーネッツが誘き寄せに行っているところだ。俺は一人で森の中で待つことに。
しばらく待っていると、ゲーネッツが走ってくるのが見えた。
「来るぞ。準備しろ」
「了解」
俺は魔導書を開いて待つ。使う魔法はファイアトルネードと呼ばれる魔法だ。火と風の複合魔法で、本来ならかなり難しい魔法のはずだ。魔法使いでも使える人がどれほど居るか。
ギャッギャ。ギィギィとゴブリンが姿を表した。数は5匹。俺は開いた魔導書を片手に持ち、発動場所を指定した発動キーワードを唱えた。
『炎よ風よ。渦巻き踊り我が敵を消滅せよ。ファイアトルネード!』
すると生暖かい風がヒュぅっと吹いたかと思った瞬間。前方でゴォオオオオと炎の渦が燃え上がった。
「うひ!」
そのあまりの光景に思わず変な声が出た。辺りには熱風が吹き荒れて、ゲーネッツは奇声を上げている。
「あじゃじゃじゃじゃ!」
どうやら火の粉が手の甲に当たったらしい。
ごめんよ。
火が吹き荒れたのは数秒だが、そのたった数秒でとんでもない効果を見せた。目の前には黒焦げの地面と木炭になった木が数本。そしてゴブリンの姿は何処にもなかった。
ゲーネッツが唖然とした様子だ。
「ジンよぉ」
「はい」
「やりすぎじゃね?」
「俺もそう思いました……」
「そうか。とりあえず次はもっと穏便に行こうぜ」
「ですね」
いちおう。初討伐ということで良しとする。
俺たちは次なる獲物を求めて森を彷徨い歩く。
その後も、何度かゴブリンに魔法を使ったが、どれも完全にオーバーキルだった。
アイシクルエッジという魔法を使えば辺り一帯が氷針の山。串刺しになったゴブリンが出来上がったり、ファイアーボールを放てばゴブリン共々に木々を数本。根こそぎごと吹き飛ばし、そのうえ爆心地には穴が開いたし、風の魔法を使えば不可視の風の刃がゴブリンを真っ二つに切り裂いていった。一番、穏便そうな土の魔法であるアースクエイクに至っては地形が変わったからな。たった数匹のゴブリンを生き埋めにするのにだ。
呆れた様子のゲーネッツが言った。
「ゴブリンに何か恨みでもあんのか?」
俺は乾いた笑いしか出ない。
っていうか。この魔導書。マジでヤバすぎ。総評としてはゲーネッツが呟いた言葉が一番わかり易いだろう。
「この魔導書を作ったやつな。頭のネジが何本か飛んでるぞ。絶対にイカれてやがる」
だそうだ。でも残念ながら俺も同感だ。
しばらく待っていると、ゲーネッツが走ってくるのが見えた。
「来るぞ。準備しろ」
「了解」
俺は魔導書を開いて待つ。使う魔法はファイアトルネードと呼ばれる魔法だ。火と風の複合魔法で、本来ならかなり難しい魔法のはずだ。魔法使いでも使える人がどれほど居るか。
ギャッギャ。ギィギィとゴブリンが姿を表した。数は5匹。俺は開いた魔導書を片手に持ち、発動場所を指定した発動キーワードを唱えた。
『炎よ風よ。渦巻き踊り我が敵を消滅せよ。ファイアトルネード!』
すると生暖かい風がヒュぅっと吹いたかと思った瞬間。前方でゴォオオオオと炎の渦が燃え上がった。
「うひ!」
そのあまりの光景に思わず変な声が出た。辺りには熱風が吹き荒れて、ゲーネッツは奇声を上げている。
「あじゃじゃじゃじゃ!」
どうやら火の粉が手の甲に当たったらしい。
ごめんよ。
火が吹き荒れたのは数秒だが、そのたった数秒でとんでもない効果を見せた。目の前には黒焦げの地面と木炭になった木が数本。そしてゴブリンの姿は何処にもなかった。
ゲーネッツが唖然とした様子だ。
「ジンよぉ」
「はい」
「やりすぎじゃね?」
「俺もそう思いました……」
「そうか。とりあえず次はもっと穏便に行こうぜ」
「ですね」
いちおう。初討伐ということで良しとする。
俺たちは次なる獲物を求めて森を彷徨い歩く。
その後も、何度かゴブリンに魔法を使ったが、どれも完全にオーバーキルだった。
アイシクルエッジという魔法を使えば辺り一帯が氷針の山。串刺しになったゴブリンが出来上がったり、ファイアーボールを放てばゴブリン共々に木々を数本。根こそぎごと吹き飛ばし、そのうえ爆心地には穴が開いたし、風の魔法を使えば不可視の風の刃がゴブリンを真っ二つに切り裂いていった。一番、穏便そうな土の魔法であるアースクエイクに至っては地形が変わったからな。たった数匹のゴブリンを生き埋めにするのにだ。
呆れた様子のゲーネッツが言った。
「ゴブリンに何か恨みでもあんのか?」
俺は乾いた笑いしか出ない。
っていうか。この魔導書。マジでヤバすぎ。総評としてはゲーネッツが呟いた言葉が一番わかり易いだろう。
「この魔導書を作ったやつな。頭のネジが何本か飛んでるぞ。絶対にイカれてやがる」
だそうだ。でも残念ながら俺も同感だ。
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