私の日常

林原なぎさ

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過去のお話 -日常編-

8ヶ月

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明日はバレンタインなんだからチョコ作ろう!


秀一さんにもし、もし…催促されれば渡せるし、丁度良いかなと思い、提案にのった。


言い出しっぺの割に愛歌は手先が不器用なのでほぼ私が作ることになっだが、甘い物が好きなので、まぁいいかとそこは納得。


チョコたっぷりの濃厚ブラウニー。

ナッツやドライフルーツを飾る事で可愛く、食感も楽しめる。

チョコが中から溢れるフォンダンショコラ。

出来上がりを食べなくても、再び温める事でチョコが溶け出して美味しく頂ける。

個人的に一番好きなチョコレートお菓子で、完全に自分用だ。




「おいひぃ。」


私が作ったブラウニーとフォンダンショコラをもぐもぐ食べる愛歌に褒められ悪い気はしない。

自分でも食べてみるが、結構美味しく出来たと思う。


「湊音も一緒に作れば良かったのにねぇ。歩の出来立て食べないなんて、勿体無いわ。」


「うん。でも明日渡す予定だし。」


湊音にも連絡を入れたが。

明日頂戴、と電話口で一言われた。

湊音は昔から貰う専門で作らない、と豪語していたので予想通りではあった。






バレンタイン当日の今日、学校の都合で私はお休み。

そして彼もお休みらしく、お昼に我が家へやって来た。


お昼時で甘いかもしれないが、丁度良いので昨日作ったモノを秀一さんに渡す。


「サンキュ。」


要らなくは無いようで受け取って頂いた。

一緒に食べようと言って頂けたので、私も口にする。


うん。出来立てには敵わないが、美味しい。


秀一さんのお口にも合ったようで、美味しいと褒めて頂けた。

やったね。気分が良くなる。



「歩。それは?」


彼の指差す方向に目を向けると、湊音にあげる為にラッピングしておいたブラウニーだ。


「友人に渡すチョコですよ。」


「誰だ?」


間髪入れず返された、誰だ発言。

…友人に、と言ったのが聞こえなかったのだろうか?

再び友人ですよ、と伝えるがまた、誰だと聞かれる。


あ、もしかして、と思う。


「高校からの友人で湊音って子に渡し…え?」


説明の途中だというのに何故かソファに押し倒された。


「ミナト…。そいつに渡さなくていい。」


「え。でも…渡すと、約束しました、し。」


「渡さなくていい。」


突然機嫌が悪くなる秀一さんに戸惑う。

友人にチョコを渡すのが気に食わないようで…そんなにチョコが食べたいのだろうかと思う。


「他の奴にやらなくていい。」


「あの、でも。」


「いい。」


話の途中だというのに服を脱がさながら、苦しい程のキスをされる。


何故いきなり?何のスイッチが入ったの?


今までのやり取りを思い返して、あれ?

もしかして…湊音を男の子だと勘違いしているのでは、と。

友人の女の子にチョコをあげるのを気に食わないなんて事はあり得ない筈だ。


「…俺に集中しろ。」


「あの、みな、んんっ。」


口を塞がれて話せないので、離れてほしいのに中々離してくれない。

しかしこのままでは良くないので、秀一さんの胸を押しやる。

抵抗された事で秀一さんは不満顔で、私に再びキスしようとした所で、声を発した。


「女の子なんです!」


「…は?」


「だから、湊音は女の子なんです。」


秀一さんも言葉の意味を理解したようで、口元をもごもごさせている。

女…。


何を言っているのかはっきり聞こえなかったが、一言。


女の子ならやってもいい、と許可?を頂いた。





そして約束していた今日では無く、翌日無事に湊音の手にブラウニーが渡った。




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