嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第11章 甘えるということ

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廉の病室へ慌てて入ると静かに点滴を受けながら眠っていた。
嘔吐の危険性があるため枕元にはガーグルベースが二個、右と左の頭上に。
おそらくあの後輩看護師がしてくれたのだろう。廉がまた床に吐く選択をしないように右向きで寝ていても左向きで寝ていてもガーグルベースが届くように。
顔色は青白いのがオレンジライトの下でもわかった。
入口に背を向けて背中が早いペースで上下していて熱が高いのがわかる。
点滴はさっきされたばかりのようでまだ量はたっぷりあった。
「ごめんね、廉ちゃん。あなたの味方が一人もいない状況になってたわね・・・。」
そういって頭を撫でる。
その感覚で目が覚めたのか廉が顔は見えないが「かあさん・・・?寝なくちゃダメだよ・・・おうち帰らなきゃ・・・。」
「・・・・。」
「1泊くらい・・・ひとりでできるから・・・おうち帰ってね・・・。おやすみ・・・。」
「・・・・。」
何も言えなかった。
自分達がしたのは廉のための躾じゃなく、孤独にする精神的虐待じゃないかと・・・。
甘えなさいなんて言ったくせに廉なりにきっと甘えたのであろう行動に自分たちは怒りで廉に対し虐待をしたも同然に思えた。
涙が出そうになり慌てて病室をでた。
我慢させるような態度を取って躾のつもりで怒った後様子すら見に行かなかった自分に腹がたち涙を拭ってこぶしで自分の膝を打った。
落ち着いてからもう一度廉の病室に入る。
点滴のおかげで痛みが散ったのかさっきより穏やかな呼吸をしているように見えた。
「廉ちゃん・・・ごめんね・・・。ママ酷かったね・・・」
もう眠りについたのか廉からは何も反応はなかった。
途中で後輩看護師が点滴の残を確認しに来た。
「寝たほうがいいですよ。ほら。」
そう言って体温計を見せてくる。
表示には38℃の数字。
「下がってきてる・・・。」
「もう嘔吐もないみたいですし。明日の退院は延期みたいですよ。さっき先生が院長にも連絡したみたいです。」
「そう・・・。ありがとうね、廉ちゃんが吐いてるの見つけてくれて。」
「しっかりしてくださいよ、お母さん。私が廉くんならこんなに我慢できないですよ。この子の強いところであり弱いとこです。しっかりしてくださいね先輩。」
「わかったわ・・・。」
「もう廉くん大丈夫だと思いますから休憩室どうぞ使ってください。」
「いや、今日はここにいるわ。起きてすぐ謝りたいの。」
「起きてすぐ謝られても廉くん困りますよ、さ寝てください!!」
そう言って席を立たされて休憩室へ連行された。
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