330 / 530
第11章 甘えるということ
・
しおりを挟む
廉の病室へ慌てて入ると静かに点滴を受けながら眠っていた。
嘔吐の危険性があるため枕元にはガーグルベースが二個、右と左の頭上に。
おそらくあの後輩看護師がしてくれたのだろう。廉がまた床に吐く選択をしないように右向きで寝ていても左向きで寝ていてもガーグルベースが届くように。
顔色は青白いのがオレンジライトの下でもわかった。
入口に背を向けて背中が早いペースで上下していて熱が高いのがわかる。
点滴はさっきされたばかりのようでまだ量はたっぷりあった。
「ごめんね、廉ちゃん。あなたの味方が一人もいない状況になってたわね・・・。」
そういって頭を撫でる。
その感覚で目が覚めたのか廉が顔は見えないが「かあさん・・・?寝なくちゃダメだよ・・・おうち帰らなきゃ・・・。」
「・・・・。」
「1泊くらい・・・ひとりでできるから・・・おうち帰ってね・・・。おやすみ・・・。」
「・・・・。」
何も言えなかった。
自分達がしたのは廉のための躾じゃなく、孤独にする精神的虐待じゃないかと・・・。
甘えなさいなんて言ったくせに廉なりにきっと甘えたのであろう行動に自分たちは怒りで廉に対し虐待をしたも同然に思えた。
涙が出そうになり慌てて病室をでた。
我慢させるような態度を取って躾のつもりで怒った後様子すら見に行かなかった自分に腹がたち涙を拭ってこぶしで自分の膝を打った。
落ち着いてからもう一度廉の病室に入る。
点滴のおかげで痛みが散ったのかさっきより穏やかな呼吸をしているように見えた。
「廉ちゃん・・・ごめんね・・・。ママ酷かったね・・・」
もう眠りについたのか廉からは何も反応はなかった。
途中で後輩看護師が点滴の残を確認しに来た。
「寝たほうがいいですよ。ほら。」
そう言って体温計を見せてくる。
表示には38℃の数字。
「下がってきてる・・・。」
「もう嘔吐もないみたいですし。明日の退院は延期みたいですよ。さっき先生が院長にも連絡したみたいです。」
「そう・・・。ありがとうね、廉ちゃんが吐いてるの見つけてくれて。」
「しっかりしてくださいよ、お母さん。私が廉くんならこんなに我慢できないですよ。この子の強いところであり弱いとこです。しっかりしてくださいね先輩。」
「わかったわ・・・。」
「もう廉くん大丈夫だと思いますから休憩室どうぞ使ってください。」
「いや、今日はここにいるわ。起きてすぐ謝りたいの。」
「起きてすぐ謝られても廉くん困りますよ、さ寝てください!!」
そう言って席を立たされて休憩室へ連行された。
嘔吐の危険性があるため枕元にはガーグルベースが二個、右と左の頭上に。
おそらくあの後輩看護師がしてくれたのだろう。廉がまた床に吐く選択をしないように右向きで寝ていても左向きで寝ていてもガーグルベースが届くように。
顔色は青白いのがオレンジライトの下でもわかった。
入口に背を向けて背中が早いペースで上下していて熱が高いのがわかる。
点滴はさっきされたばかりのようでまだ量はたっぷりあった。
「ごめんね、廉ちゃん。あなたの味方が一人もいない状況になってたわね・・・。」
そういって頭を撫でる。
その感覚で目が覚めたのか廉が顔は見えないが「かあさん・・・?寝なくちゃダメだよ・・・おうち帰らなきゃ・・・。」
「・・・・。」
「1泊くらい・・・ひとりでできるから・・・おうち帰ってね・・・。おやすみ・・・。」
「・・・・。」
何も言えなかった。
自分達がしたのは廉のための躾じゃなく、孤独にする精神的虐待じゃないかと・・・。
甘えなさいなんて言ったくせに廉なりにきっと甘えたのであろう行動に自分たちは怒りで廉に対し虐待をしたも同然に思えた。
涙が出そうになり慌てて病室をでた。
我慢させるような態度を取って躾のつもりで怒った後様子すら見に行かなかった自分に腹がたち涙を拭ってこぶしで自分の膝を打った。
落ち着いてからもう一度廉の病室に入る。
点滴のおかげで痛みが散ったのかさっきより穏やかな呼吸をしているように見えた。
「廉ちゃん・・・ごめんね・・・。ママ酷かったね・・・」
もう眠りについたのか廉からは何も反応はなかった。
途中で後輩看護師が点滴の残を確認しに来た。
「寝たほうがいいですよ。ほら。」
そう言って体温計を見せてくる。
表示には38℃の数字。
「下がってきてる・・・。」
「もう嘔吐もないみたいですし。明日の退院は延期みたいですよ。さっき先生が院長にも連絡したみたいです。」
「そう・・・。ありがとうね、廉ちゃんが吐いてるの見つけてくれて。」
「しっかりしてくださいよ、お母さん。私が廉くんならこんなに我慢できないですよ。この子の強いところであり弱いとこです。しっかりしてくださいね先輩。」
「わかったわ・・・。」
「もう廉くん大丈夫だと思いますから休憩室どうぞ使ってください。」
「いや、今日はここにいるわ。起きてすぐ謝りたいの。」
「起きてすぐ謝られても廉くん困りますよ、さ寝てください!!」
そう言って席を立たされて休憩室へ連行された。
12
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
医者兄と病院脱出の妹(フリー台本)
在
ライト文芸
生まれて初めて大病を患い入院中の妹
退院が決まり、試しの外出と称して病院を抜け出し友達と脱走
行きたかったカフェへ
それが、主治医の兄に見つかり、その後体調急変
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる