嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第11章 甘えるということ

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「おかしいわね・・・」
「百合さん?」
「違う看護師が体温測っても人嫌いモードの廉ちゃんが普通だったっていうの。」
「どうしたんだろう。確かに不思議だね・・・。」
先輩であるおじいちゃん先生に怒られて少し気持ちを入れ直し落ち着いた直人は百合が少し苛立っているのを感じた。
「それにペンを貸して、紙を頂戴っていって文章を書いてたみたいなの。」
「文章?」
「ええ。勉強道具もないし暇ではあったと思うけど。」
「そういえば廉くんご飯完食したみたいだね。」
「それはまぁ脱走後でお腹が空いてたのかもだけどねー。あの子時々何考えてるか私でもわからない時があるの。こうなる前から。」
「廉くんは過去が色々あったし仕方ない部分はあるよ。」
「そうだけど・・・。」
「それより熱が上がらないといいね。胃腸炎だったわけだし、ちょっと今上がるのは怖いよ。」
「私今日はここに泊るわ。」
「百々ちゃんは任せて。」
「ありがとう。百々明日は退院パーティーするって張り切ってたから付き合ってあげて。」
「うん、わかったよ。きっともう帰宅したころには理紗ちゃんと色々準備してそうだけどね。」
「そうね」
脱走のこともあり百合は甘やかさないように休憩室で仮眠を取っていた。
「百合さん!百合さん!」と呼ぶ後輩の声で起こされた。
「廉くん腹痛我慢してたみたいで、見つけた時にはまた嘔吐してて・・・今回は横向きで床に蹲ってたから詰まらせてはないですけど・・・。痛みを散らす点滴先生がしてくれて今は寝てます。熱は39℃でとても明日退院なんてできる状態じゃないです。」
「廉ちゃんが・・・?でもなんで床で・・・。」
「嘔吐したのはおそらく寝てたけど起きて1回ベッドの下に吐いてて、どうもそれをトイレットペーパーでトイレに流して処理したみたいで。でも痛かったんでしょうね、拭き残しがあって・・・。そこから部屋の隅に寒いのに布団もかけずに横向きに蹲ってまた嘔吐してました。」
「・・・。」
「先輩、あの子我慢しすぎですよ・・・。病気の時は何があろうと優しい母であるべきです。」
「・・・そうね。まさかあなたに気づかされるなんて母親失格ね。」
「先輩はどういう答えがほしいですか?母親失格に同意してほしいですか?私今日廉くんが書いてたものリハビリの
島原先生に渡しておきました。島原先生22時まで廉くんの側で看病してくださってましたよ。」
「・・・。行ってくる。」
「ちゃんと院長にも知らせてくださいね。」
「うん」
本当は走ったらダメだけど廉のもとへ一秒でも早く行ってあげたくてびょしつへ急いだ。
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