嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第8章 彼女と空

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お風呂から上がると、リビングには翔さんも起きてきていた。
「廉くん、ちゃんと髪の毛乾かさないと風邪ひいちゃうぞ。」
「・・・。大丈夫。」
「あら?廉ちゃんまた暗い廉ちゃんになってるわね。」
「波があるのは仕方ないですよ。今お風呂に入ってたからあったかくなって眠たいのもあるだろうし。」
百々は翔さんの側に座ってはいるけど、まだはぶててる気がする。
「ボス頑張ったんだけどね。」
母親はなぜか笑いをこらえてる。
「ん?」
「ボス、百々ちゃんに乗っかったみたいで百々ちゃんが乗るなー!!ってぶちぎれたみたい。」
「あー・・・。」
俺は度々やられてるから慣れてるけど、百々は女の子だしボス重たいよな。
「ボス。乗ったらお前重たいからダメだよ。」
そう言ってボスに言うとボスは頭を低くして、まるで「ごめんね」と謝っているように見えた。
「百々。おいで。」
そう言って手を広げて待つとしぶしぶといった感じやってきた百々。
昔本当に百々の機嫌が直らない時にやった技がある。
「ほら、ぎゅ。」
ギュッと抱きしめる。すると、遠慮がちに百々が抱き着いてきたのがわかった。
「なんでそんなはぶててるの?」
小さい声で言うと「だって、廉ちゃんが・・・」そういって泣き始めた。
「俺が?」
「この間は怒ってごめんね、、、。廉ちゃん前みたいに急に戻って・・・今まで頑張っても戻らなかったのに・・・」
俺が急に前の明るさに戻って百々にしたら精神的に追いつけなかったって事かな?混乱させちゃったみたい。
「ん~。戻ったらいいんだけど、空君いわくまた落ちるみたい。ジェットコースターみたいに浮き沈みがあるのはきっと直人さんや翔さんが直してくれるだろうけど、いつ気分が落ちるかは俺もわからないんだよ。混乱させてごめんね。精神的なものだからさ・・・。」
「うん・・・。百々昔の廉ちゃんも今の廉ちゃんも大好きだよ。でも、廉ちゃんを守りたい気持ちが前に出すぎちゃうのかな・・・ああいう時ついひどい言い方しちゃう。百々看護師目指すの向いて無いかもしれない・・。」
「そんなことないよ。俺は百々のお兄ちゃんだから百々も言い方がきつくなるだけだよ。」
「ありがと。廉ちゃん。」
「百々ちゃん、廉くんはゆっくり治ったり、ひどくなったりを繰り返しながらちゃんと治っていくから。だから見守っててあげて。廉くんに頑張れとかはプレッシャーになって逆効果だし、周りができることは廉くんが困ってる時に適度にサポートしてあげること。廉くんはこれから何度もトラウマと戦わなきゃいけないし、自律神経とも付き合っていかなきゃいけない。だから隣でサポートしてあげてよ。看護師さんの勉強なら俺の彼女に今度聞いてみるといいよ。もちろん百合さんにもね。」
「彼女!?看護師さんなの!?」
あんなにしょげてた百々が急に元気を取り戻した。
俺のこと言えないじゃん・・・。
百々の場合気分が本当にお天気だからな。

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